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英雄伝説~光と闇の軌跡~(3rd篇)

作者:sorano
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第53話


~ベルゼビュート宮殿・右翼~



「それにしても、ここにお前と共に来る事になるとはな………」

「ええ。その頃の私はシルヴァンを産むために城で陛下の無事を祈っていたのですが………フフ、まさかその時にシルヴァンが産まれてくるとは思いませんでした。」

先を進みながらリウイとシルフィアは苦笑しながら会話をしていた。

「……………」

その様子をペテレーネは黙って微笑みながら見つめていたその時、トカゲの姿をした獣の戦士達と、腐食した肉体を持ったドラゴンが現れた!

「なっ!?トカゲの獣人と竜………!?」

「………リザードモールとドラゴンゾンビか。どちらもかつての宮殿に現れた魔物共だな。」

敵達を見たアドルは驚き、リウイは静かに呟いた。

「来ます……!」

敵達の行動を見たリースは警告し、リウイ達と共に戦闘を開始した!



「「………………」」

リザードモール達はそれぞれリースとアドルに攻撃を仕掛けた!

「甘い!」

「ハッ!」

しかしアドルとオーブメントを駆動させたリースは攻撃を回避した後

「ダブルライジング!!」

「無駄です!!」

それぞれクラフトを放ってダメージを与えた!

「「……………」」

ダメージを受けた敵達は持っていた槍で串刺しにする為に突き出した!

「ハッ、セイッ、ハアッ!!」

しかしアドルがクラフト―――回転乱舞を放って敵の武器を叩き落とすと同時に攻撃を加え

「銀の楔よ………我が敵に裁きを!………シルバーソーン!!」

オーブメントの駆動を終えたリースがアーツを放って止めを刺した!

「オオオオ…………」

ドラゴンゾンビはリウイ達にブレス―――アシッドブレスを放った!

「フッ!」

「ハッ!」

敵の攻撃に気付いたリウイとシルフィアはそれぞれ左右に跳躍して、回避し

「……………」

ペテレーネは自分の周りに結界を囲って防御した!

「邪魔だっ!エクステンケニヒ!!」

「受けてみよ!神極聖光剣!!」

それぞれ左右からクラフトを放った!2人の神聖属性の魔力が籠められた剣技によって、アンデットであるドラゴンゾンビは大ダメージを受けのけ反っている所を

「終わりです!メルカーナの轟炎!!」

ペテレーネが魔術を放った!ペテレーネの魔術によって敵は焼き尽くされて、消滅した!すると新たな敵達が続けて現れた!



「新手………!」

「あれは………”悪魔”グレーターデーモン………!」

新手の2体の敵達―――グレーターデーモンの登場にリースは警戒し、ペテレーネは真剣な表情で呟いたが

「雑魚はどけ!フェヒテンケニヒ!!」

「貫け!シュトルムランツァー!!」

リウイとシルフィアが同時にクラフトを放って、一撃で滅した!

「す、凄い………!」

「悪魔を一撃で滅するなんて………」

その様子をアドルとリースは驚きの表情で見つめた。

「フフ………見事です、陛下。また、腕を上げられましたね?」

「お前もな。………どうやらかつての腕を完全に取り戻したどころか、今はそれ以上のようだな………」

シルフィアに称賛されたリウイは口元に笑みを浮かべた。

「フフ、お役に立てて、幸いです。」

リウイの言葉を聞いたシルフィアは微笑んだ。その時、また魔物達が現れた!

「フン………雑魚の多さまで再現するとはな。」

その様子を見たリウイは鼻を鳴らした。

「陛下。あの時と違い、今はここに私もいます。」

「フッ、そうだったな………」

シルフィアの言葉にリウイは静かな笑みを浮かべた後

「雑魚共に構う必要はない!道を防ぐ魔物共だけを退け、先に進むぞ!………お前達もだ!マーリオン、セオビット!」

「「はい………!」」

「ああ!」

「お任せを………!」

「フフッ………行くわよ………!」

「陛下達の道は私が切り開く………!」

全員に号令をかけ、マーリオンとセオビットを召喚した後仲間達と共に先に進む道を防ぐ魔物達を倒しながら進んで行った!



~ベルゼビュート宮殿・左翼~



リウイ達が転位をした同時刻、セリカ達が転位して来た。

(フム。あの時、ルナ=クリアとマーズテリアの騎士達と共に来た場所と同じようだの。)

「俺がクリアと………」

「……………」

周囲の景色を見て呟いたハイシェラの念話を聞いたセリカは静かに呟き、エクリアは辛そうな表情をしていた。

(エステルさん。この宮殿にはもう一つ道があって、最終的に合流する場所があるんです。恐らくもう片方のメンバーの方達ともそこで合流できると思います。」

「そうなんだ………じゃ、進みましょう!エクリアさんはまだ道を覚えている?」

テトリの念話を聞いたエステルは頷いた後、エクリアに尋ねた。

「ええ。………行きましょう、皆様。」

エステルの言葉に頷いたエクリアは全員を促し、セリカ達と共に時折現れる魔物達を倒しながら進んで行き、少し進んだ通路には道を防ぐかのように無数の魔物達がいた!

「げっ………!」

「なんて数………!」

「………あの数だと、強行突破は難しそうね………」

敵達の数を見たエステルとシュリは驚き、サティアが静かに呟いたその時!

「枢孔!紅燐剣!!」

なんとセリカがクラフトを放った!セリカが放ったクラフトによって、敵達は次々と傷ついて行き

「魔力、解放!レイ=ルーン!!」

続くように放ったエクリアの魔術によって、半数の敵達は消滅し

「………終わりだ。リーフ=ファセト!!」

セリカが最高位の風属性の魔術を放って、残りの敵達全員を消滅させた!



「す、すごっ………!」

(………これが”神殺し”の力の一部………そして”飛燕剣”の真髄か………)

その様子を見たエステルは驚き、エステルの身体の中にいたサエラブは真剣な様子で呟いた。

「………………」

しかし、その時セリカは地面に膝をついた!

「御主人様!?」

「…………心配するな。少し疲れただけだ。」

セリカの様子に気付いたシュリは慌てて駆け寄り、駆け寄ったシュリにセリカは静かに呟き

(あれほどの大技を使うのはラプシィアとの決戦以来だからだの。………エクリア嬢ちゃん。)

「(かしこまりました。)シュリ。エステルさんとサティア様を連れて、さっきの通路でしばらくの間待っててくれないかしら?」

ハイシェラの念話を聞いたエクリアは頷いた後、シュリに言った。

「へ?エクリアさん、セリカと一体何するの??」

「あ………わ、わかりました。」

エクリアの言葉を聞いたエステルは首を傾げ、察しがついたシュリは顔を赤らめた後頷いたその時

「………もしよかったら、エクリア。貴女の代わりに私がしてもいいかしら?」

サティアが静かに前に出て申し出た。



「え………」

「………………」

(フム。我の念話が聞こえる事やセリカの身体を持っているようなものだしの。エクリア嬢ちゃんより相性がある可能性はあるだの。)

サティアの申し出を聞いたエクリアは驚き、セリカは黙ってサティアを見つめ、ハイシェラは頷いた。

「………わかった。………事が終われば、サティアと共に先ほどの通路に戻る。エクリア。」

「かしこまりました。………では、エステルさん。行きましょう。」

「へ?来た道を何で戻るの??」

「………後で教えますので。」

「あ、ちょ、ちょっとエクリアさん。そんなに押さなくてもちゃんと自分で歩くわよ。」

「エステルさんは私達が留めておきますので、御主人様はサティア様とお好きなだけお過ごしください………」

セリカの指示に頷いたエクリアは唯一事情を察していなく、戸惑っているエステルと共に来た道を戻り、シュリは会釈をした後、エクリア達の後を追った。そしてその場にはセリカとサティア、2人だけになった。

「フフ………こんなにも早く、貴方と”一つ”になる機会が巡って来るとは思わなかったわ。」

「………俺もだ。…………サティア。わかっていると思うが、”性魔術”でお前の魔力を分けてもらう。」

「うん。………かつて貴方に抱いて貰った時は私が貴方から分けてもらったけど………今度はその逆ね。」

セリカの言葉に頷いたサティアは頬を赤く染めて苦笑した。

「………そうか。…………ただ、お前を抱く前にこれだけは言っておく。魔力を得る為だけでなく………お前を愛したい。」

「………うん。私も貴方に愛されたい………!………たくさん愛して、セリカ………!」

そしてセリカはサティアを抱き、失った魔力を回復させ、さらに離れていた時間を取り戻すかのように何度もサティアを抱いた。



「待たせたな。」

事が終わったセリカはサティアと共にエクリア達の前に姿を現した。

「?どうしたの、エステル。顔が赤いようだけど。」

一方サティアは顔を赤らめて俯いているエステルに気付いて不思議そうな表情をした。

「あ、あうあう………」

サティアに見つめられたエステルは真っ赤になっている状態の顔を上げて呻いた。

「………エステルさんに”事情”を説明して……ご覧の通りになってしまって………」

(ククク………なるほどの。久しぶりに見ただの、その初々しい反応は。さては嬢ちゃん………処女だな?)

何も言わないエステルの代わりにシュリは苦笑しながら説明し、それを聞いたハイシェラは軽く笑った後、尋ねた。

「うっさいわね!さっさと行くわよ!!」

ハイシェラの念話を聞いたエステルは怒鳴った後、先に進んだ。

「………何故、エステルは怒っている?」

「フフ………セリカはわからなくていいわ。」

その様子を見たセリカは眉を顰めてサティアに尋ね、尋ねられたサティアは微笑みながら誤魔化した。そしてセリカ達は時折現れる魔物達を倒しながら先を進んだ!



~ベルゼビュート宮殿・合流地点~



「あ………!」

セリカ達と共に広間に出たエステルは中心にある石碑の近くで待っている人物達に気付いて声を上げた。

「エステル!」

「………陛下の推測通り、合流できましたね。」

石碑の近くで待っていた人物達―――リウイ達の中にいたアドルとリースもエステル達に気付き、そしてエステル達はリウイ達に近づいた。

「………それにしても随分時間がかかったようだな?俺達がここに到着したのは3時間ほど前だぞ?」

「う”………それもこれも全部、セリカが悪いのよ!!あたし達が近くにいると知ってて、サティアさんにせ、せ、”性魔術”をするんだから!!」

リウイの言葉を聞いたエステルは唸った後、顔を赤らめて叫んだ。

「………何故、俺が責められる………」

「フフ………」

エステルの叫びを聞いたセリカは静かに呟き、サティアは微笑み

「せ、”性魔術”!?そ、それって………!あわわ………!」

「………………そういう事か。」

事情を察したペテレーネは顔を赤らめて慌て、リウイは呆れた表情で溜息を吐いた。

「?話はよくわかりませんが、こうして合流でき、封印石も手に入れましたし、一端拠点に戻りましょう。」

「へ?また手に入れたの?封印石。」

リースの提案を聞いたエステルは気を取り直した後、首を傾げて尋ねた。

「ああ。ちょうどこの石碑の前にね。………先に進む事も考えたけど、先に進むルートが障壁に防がれているからね。今までの話からすると封印石を解放すると先に進めるらしいから、君達を待っていたんだよ。」

「そうなんだ………それにしても知り合いで残っているのはもう、レーヴェぐらいじゃないの?」

アドルの説明を聞いたエステルは首を傾げた。

「……………あの男か。………確かにその可能性はあるだろうな。」

エステルの推測を聞いたリウイは表情をわずかに顰めて呟き

「いずれにせよ………一度拠点に戻って、封印石の中にいる方を解放しましょう。」

シルフィアは提案した。



そしてリース達は封印石を解放する為に一端庭園に戻った……………







 
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