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オズのボタン=ブライト

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第一幕その三

「ボタン本人もわからないかな」
「うん、僕もね」 
 そのボタンの言葉です。
「いつも気付いたらだよ」
「その場にいるよね」
「そうなんだ」
「だからだね」
「いつもわからからないんだ」
 そうだというのです。
「どうしてその場にいるのか」
「そうだね」
「だから僕がわからないのはね」
 いつも聞かれてそう答えるには理由があったのです。
「そうしたことなんだ」
「寝ているとね」
「その間はね」
 ずっとというのです。
「わからないよ」
「そうなるんだね」
「うん、とにかくね」
「君は、だよね」
「起きている時のことはわかるけれど」
「寝ている間のことはわからないね」
「そういうことだよ」
 こうお話するのでした。
「だから僕はどうして今自分がここにいるのかはね」
「わからないんだね」
「そうなんだ」
「そのことはわかったよ、それじゃあね」
「それじゃあ?」
「君もオズの国にね」
 こうボタンに言うのでした。
「行く?君の場合は戻るになるね」
「そうだね、気付いたらここにいたから」
「一緒に行く?僕達と」
「僕もオズの国好きだよ」
 オズの国に生まれ育っているだけにです、ボタンはオズの国の全てが好きなのです。それこそあらゆるものも場所もです。
「だからね」
「戻るね」
「そうするよ、じゃあ」
「うん、今からね」
「君達と一緒にだね」
「行こう、扉までね」
 オズの国に行くその渦の扉にです。
 こうお話してでした、そのうえで。
 皆はボタンと一緒にでした、扉のところまで行ってでした。扉をくぐって。
 オズの国に到着しました、ですがその場所は。
 皆がはじめて来た場所でした、砂浜で奇麗なマリンブルーの海が見えます。
 その海を見てです、カルロスは皆に言いました。
「とりあえず端っこみたいだね」
「ええ、オズの国のね」
 ナターシャがカルロスの言葉に応えます。
「そうね」
「オズの大陸の」
「ただ問題は」
「うん、ここが何処がだね」
「何処なのかな」
「赤い草が生えているわ」
 恵梨香はジョージの服と同じ色の草をです、砂浜から離れた場所にある草原に気付きました。そこを指差して皆に言うのでした。
「ということはね」
「ここはカドリングだね」
「そうだね」
 ジョージと神宝も応えます。
「じゃあカドリングの端」
「その海だね」
「ひょっとして」
 ここでこう行ったカルロスでした。
「カドリングの南の海っていうと」
「どうかしたの?」
「リンキティンクさんの国?」
 こう恵梨香に言うのでした。 
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