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オズのボタン=ブライト

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第一幕その一

                 オズのボタン=ブライト
                第一幕  いつも急に出て来る子
 恵梨香達五人はこの日は自分達の学校にいました、そして五人でこんなことをお話していました。
「またオズの国に行きたいわね」
「うん、そうだね」
 カルロスはナターシャの言葉に頷きました、五人は今は恵梨香のクラスにいてそのうえで楽しくお話しています。
「最近行ってないしね」
「だからね」
「もうそろそろだよね」
「行きたいわね」
 また言ったナターシャでした。
「皆でね」
「じゃあ今日行く?」
 早速と言って来たのはジョージでした。
「皆で」
「そうだね、思い立ったがだからね」
 神宝はジョージのその言葉に同意して頷きました。
「今日の放課後時計台まで言ってね」
「それでいつも通りよね」
 最後に言ったのは恵梨香でした。
「オズの国に行くのね」
「そうね」
 ここまでお話してでした、ナターシャは。
 考えるお顔になってです、皆に言いました。
「今日の放課後行きましょう」
「早速だね、さて今回はね」 
 カルロスはもうオズの国に行った時のことを考えています。
「どんなことになるかな」
「それは言ってみないとね」 
 恵梨香がカルロスのその言葉に答えました。
「わからないわね」
「結局はそうなんだよね」
「ええ、オズの国はいつも何かが起こるけれど」
「どんなことが起こるかは」
「わからないから」
 何時何が起こるかわからない、それもまたオズの国です。
 だからです、恵梨香はこうカルロスに言うのでした。
「そのこともね」
「楽しみにしてだね」
「行きましょう、今日の放課後に」
「それじゃあね」
「オズマ姫お元気かな」
 神宝はこの人の名前を出しました。
「ドロシーさんも」
「元気に決まってるじゃない」
 その神宝にです、ジョージは笑って返しました。
「だってオズの国だから」
「皆何時までも若くて死なない」
「そうした国だからね」
 怪我も病気もすることがないからです。
「大丈夫だよ」
「そうだね」
「けれど問題はね」
「一体誰に会えるか」
「そして何が起こるかだね」
 このことが問題だというのです。
「恵梨香の言う通り楽しみにしていよう」
「そうだね、じゃあ今日の放課後」
「皆で時計台にまで行こう」
 そこにある渦の扉からです、オズの国に入ろうというのです。
 そして実際にでした、放課後にでした。
 五人は皆でその時計台に行ってでした、オズの国に行こうとしました。ですが。
 カルロスはふとです、時計台のすぐ傍の茂みのところにです。
 白い長ズボンと黒い靴を着けた足を見ました、それで。
 首を傾げさせてです、皆にその足を指差して言いました。
「この足ってまさか」
「ボタン=ブライト?」
「ひょっとして」
「ええと、まさかと思うけれど」
「オズの国から来たのかしら」
「ううん、まさかと思うけれど」
 首を傾げさせつつ言うカルロスでした。
「ボタンかな」
「それならね」
 恵梨香もその足を見ています、じっと見たままカルロスに言います。
「声をかけてみましょう」
「それでだね」
「ええ、起きてもらって」 
 そしてというのです。 
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