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昔の歌

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1部分:第一章


第一章

1.時間の中で
 生きていれば時間なんて無限にあると思える

 出会いも限りなくあるように見える

 それは実際には限りがあるものでも

 そんな限りないものの中で出会って別れて

 生きていくのが人間だけれどここで思うのは

 僕は今この人と会って幸せかどうか

 一度会ったら忘れられはしない

 素晴らしい人に出会えたことを思う

 けれどそれが幸せかどうかは

 最後になるまでわかりはしない

 限りない時間の最後の時に

 それはやっとわかるものなのだろうか

 
 生きていれば時間だけは困らないものだと

 出会いも数えられない程あると

 限りがあってもそう思えてしまう

 別れと出会いも無限に思える程あるから

 その中の一つについては考えなかったり

 今この人との出会いもそうなのか

 それは今はわかりはしない

 確かに素晴らしい人だけれどそれは

 果たして永遠のものになるのかどうか

 それは今はわかりはしない

 けれど僕はここで願いたい

 この出会いは最後まで喜びたいと


 素晴らしい人に出会えたことを思う

 けれどそれが幸せかどうかは

 最後になるまでわかりはしない

 限りない時間の最後の時に

 それはやっとわかるものなのだろうか



2.仮面
 人は誰だって仮面を被って生きている

 昔から聞いた言葉だけれどそれを見るとは思わなかった

 薄汚い仮面  偽善のMask

 それが剥がれた時の素顔まで見てしまった

 悪事を偽善で隠す仮面はとても醜く

 一度見たら忘れられないものがある

 人の心は仮面では隠せても

 それが偽善ならば何時か必ず露わになる

 心は仮面では覆えない  それは赤裸々なもの

 薄汚い素顔を見た者は  その醜さに嫌悪する

 嫌悪すべき素顔を見られ  仮面は虚しく砕ける

 
 人は誰だって仮面で心を隠している

 そうした言葉は今更言うまでもなくありきたりなものだ

 醜い仮面  背徳のMask

 それは人を欺く為の陰謀でしかないのだ

 悪は仮面では隠し偽善を語る

 その醜さは吐き気さえ催すものだ

 人の心の醜さ程醜いものはない

 それは仮面では永遠には隠せはしない

 心は仮面では清めない  それは純粋なもの

 醜い素顔を見られても  平気でいられるものなら

 何時か報いを必ず受けて  永遠に裁きを受ける


 心は仮面では覆えない  それは赤裸々なもの

 薄汚い素顔を見た者は  その醜さに嫌悪する

 嫌悪すべき素顔を見られ  仮面は虚しく砕ける


3.春の霧雨
 窓を見れば朝から静かに雨が降っていた

 静かなのでわからないが確かに降っている

 その雨を見ていると何故か物悲しくなり

 目が滲んでくるのがわかる

 淡い緑の葉につく雨もまた

 静かで淡い色に見える  それは春の淡さ

 淡い春の霧雨は  時間を止めているかのように降り

 何時までも何時までも降っている

 雨を見ているうちに滲んでいた目は

 もう微笑んでいた

 微笑むと何故か雨が  優しいものだと気付いた

 
 窓を見れば雨が静かに森を濡らして

 しとしとと森の木々や花々を潤していた

 その雨を見て涙を滲ませたのはきっと

 それが懐かしいからだ

 子供の頃の春の雨はいつも

 こうした静かで淡い雨  そうして街を濡らした

 子供の頃の思い出が  今また瞼の中に思い出されたから

 だから僕は涙を感じてしまったのだろう

 その滲んだ気持ちを感じながら見て

 少しはにかんだよ

 はにかむとそこには  やはりあの頃の雨がまだあった


 雨を見ているうちに滲んでいた目は

 もう微笑んでいた

 微笑むと何故か雨が  優しいものだと気付いた
 
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