| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

英雄伝説~光と闇の軌跡~(3rd篇)

作者:sorano
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第44話


~冥き途~



「………?………!な、な、なっ………!?」

一方目を開けたエステルは目の前にいる剣士を見て口をパクパクさせ

(そ、そんな!?一体どうなっているの!?)

(クー!!)

「貴方は…………!」

エステルの身体の中にいたパズモは信じられない表情をし、クーは喜びの鳴声で鳴き、リタは驚いた!

「今は説明している時間はない!………リタ!」

「は、はい!」

急に呼ばれたリタは戸惑いながら答え

「少しだけでいい!”彼女”の動きを止めてくれ!」

「わ、わかりました!…………魂をも凍らせてあげる!氷垢螺の絶対凍結!!」

剣士の指示に頷いた後、魔術を放って敵の身体をわずかに凍りつかせた!

「俺も手伝う!氷の力よ!!」

それを見たウィルが絵札―――氷乙女の絵札を使い

「えいっ!コキュートス!!」

続くようにリースがアーツを放って、敵の身体の到るところを凍りつかせ、敵の動きを鈍らせ

「時の牢獄に囚われろ!タイムストップ!!」

さらにアドルが魔法を使って、敵の動きを完全に止めた!



「エステル!今から放つ俺の技と同じ技を続けて放ってくれ!」

「う、うん!って!?な、何これ………!力が凄くみなぎってくる………!」

そして剣士はエステルに指示をし、指示をされたエステルは頷いた後突如自分に宿ったすざましい力を感じて驚いた。一方エステルの返事を聞いた見た剣士は

「ハァァァァァ………紅燐剣!!」

剣技――――紅燐剣を放ち

「とりゃあぁぁぁぁ!」

エステルも剣士と並んで同じ技を放った!

「ハァァァァァ――――ッ!!まだまだっ!!」

さらに剣士は剣技―――円舞剣を次々と放ち

「あたしだって負けてられないわね!………はぁぁぁぁぁ――――ッ!!」

剣士に続くようにエステルも剣技―――円舞剣を次々と放った!

「これで!」

「決める!」

そして剣士とエステルは敵を挟み撃ちするかのような位置取りに一瞬で移動し、剣技―――身妖舞を同時に放った!その剣技は”飛燕剣”が合わさった事にできる究極剣技の一つ!その剣技とは…………!



「「奥義!飛燕無双演舞剣!!」」



二人が放った協力剣技(コンビクラフト)―――飛燕無双演舞剣によって敵の身体の到る所はズタズタに斬り裂かれた!

「………今はこれ以上姿を保っていられないな………俺達の”約束”を………君の”誓い”を守る為に”俺”が再び現れるその時まで”彼女”を頼む………」

そして剣士は消えようとしている自分の身体を見て呟いた後、エステルに振り返って言った。

「ちょ、ちょっと待って!貴方、まさか………!」

「………君の”誓い”を心から信じている………また会おう…………」

その様子を見たエステルは慌てて言ったが、剣士はエステルに微笑んだ後光の球になって、エステルが持つ神剣に宿った。

「………………………」

そしてエステルは自分が持つ神剣―――”誓いの神剣(リブラクルース)”を呆けて見つめていた。

「アアアアアアアアアアア――――――ッ!!」

「って!呆けている場合じゃなかったわ!」

敵の叫びを聞いて我に返った。

「!さっきまで再生していたのに、今は再生されていないぞ!」

「今が勝機です!」

そしてアドルは傷ついたままでいる敵に気付き、シルフィアが叫んだその時!

「やれやれ………勝手にここに来た”彼女”にも非はありますけど、ここで”彼女”を倒すのはルール違反ですよ?」

突如鈴の音がした後、敵の頭上の空中に先ほど現れた剣士の容姿とよく似た魔術師風の青年が妖しげな笑みを浮かべてリース達を見下ろしていた!



「なっ!?ひ、人が宙に………!」

「………何者です。」

青年に気付いたエステルは驚き、リースは青年を睨んだ。

「!!き、貴様………ラプシィア!………贖罪の雷!!メルカーナの轟炎!!レイ=ルーン!!」

一方レシェンテは青年―――ラプシィアを殺気を籠らせた視線で睨んだ後、次々と魔術を放った!

「おっと!ご挨拶ですね、レシェンテ。フフ、心配しなくても”今”の僕はこの世界と”影の王”のせいで何もできませんよ。ここに来たのは”影の王”の指示で”彼女”を回収しに来ただけです。」

しかしラプシィアは転位をして回避した後、無邪気に笑って答えた。

「何だって………?どういう事だ………?」

「それはこういう事ですよ。」

アドルの疑問の言葉を聞いたラプシィアは鈴を鳴らした!すると敵―――アイドスの足元に巨大な妖しげな光陣が現れ、アイドスは光陣と共に消えた!

「あっ………!」

「………何の真似ですか?」

敵が消えたのを見たエステルは驚き、リースはラプシィアを警戒しながら尋ねた。

「フフ………ここで貴女達に倒れてもらったら”影の王”どころか僕も困るんですよ。貴女達には僕が待ち望んでいる人を連れてきてもらわなければならないのですから。さて………まあ、こうして皆さんの前に姿を現したのですから”黒騎士”のように一応名乗っておきましょうか。僕の名はラプシィア・ルン。”影の国”の”裏”の”守護者”の一人にして同じ”守護者”である”慈悲の大女神”と共に”神殺し”と”正義”を司る女神を呑み込む者。2人の試練の際に改めてお会いしましょう。…………ああ、そうそう。これは”影の王”のお詫びですよ。本来なら”彼女”の姿をしたグリモアと戦ってもらうつもりでしたが、”彼女”が取り込んでしまいましたからね。………それでは失礼します。」

対するラプシィアは妖しげな笑みを浮かべて自己紹介をした後、鈴の音を鳴らした後その場から転位して消えた!するとリース達の目の前に封印石が現れた!



「………退きましたか。」

「九死に一生を得られたね………」

「まさか”古神”と戦うなんて想像もしていなかったです………」

辺りに静寂が訪れシルフィアが呟いた言葉をきっかけにウィルとプリネは安堵の溜息を吐いた後、仲間達と共に地面に跪いた!

「……………まさか奴まで蘇っているとは…………!」

レシェンテは表情を歪めて呟き

「「…………………」」

エステルとリタは先程現れた剣士について考え込んでいた。

「そういえばまた”封印石”が現れたけど………今度は誰が解放されるのだろう?」

一方アドルはリースの目の前に浮いている封印石を見つめて首を傾げた。

「………一端拠点に戻りましょう。中にいる方を解放する為でもありますが、一度休息も必要です。」

そしてリースは封印石を回収して提案した後、仲間達と共に庭園に戻り、そして封印石を解放した。



~隠者の庭園~



「今度は一体誰が解放されるのでしょうね、ラピスお姉様。」

「そうね………リオーネ姫あたりかもしれないわね。」

「確かにその可能性はありそうですね………既に生を全うした残りの”人間”のリウイの側室の方はリオーネ姫しか残っていませんし………」

封印石が解放された時にできた光を見つめながらリンとラピスは会話をし、ラピスの推測にイリーナは頷いた。そして光からある人物が現れようとした!

「御主人さ……………あれれ??」

「じょ、”女性”………!」

「御主人様じゃ………ない………ようね………」

「!?まさかこの者…………!」

「……………セリカ様の身体の本来の持ち主……………”正義の大女神”………アストライア………………!」

光から現れようとした人物を見たサリアは喜んだがすぐに違和感に気付き、シュリとマリーニャは驚き、レシェンテは信じられない表情をし、エクリアは驚きの表情で呟き

「う、嘘でしょう!?こ、この人って………!」

(そ、そんな!貴女が本当にこの世界に取り込まれているなんて…………!)

エステルは信じられない表情で叫び、エステルの身体の中にいたパズモは驚きの表情で見つめていた。



そして光は消え、そこには”神殺し”―――――セリカ・シルフィルと瓜二つの容姿で夕焼けのような赤い髪を腰まで届かせ2房に分けた”女性”が地面に横たわった状態で現れた……………!






 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧