英雄伝説~運命が改変された少年の行く道~(閃Ⅱ篇)
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第118話
~オーロックス砦・司令室~
「機を逃すな!一斉にかかれっ!!」
「届け―――速さの音色!!」
人形兵器との戦闘を開始したユーシスはクラフト―――ノーブルオーダーで、エリオットはクラフト―――スピードマーチで仲間達の様々な能力を上昇させた。
「――――」
一方敵は火炎放射をユーシス達に放ったが
「ガーちゃん、バリア!!」
「―――――」
ミリアムの指示によって先頭に立つアガートラムがクラフト―――アルティウムバリアを展開して襲い掛かってくる火炎放射を防いだ。
「見切れるか!?ハァァァァァッ!!」
アガートラムが敵を引きつけている間に敵の側面へと回ったユーシスは騎士剣による連続突きを叩き込み
「斬!!」
連続突きを放ち終えて一端下がった後袈裟斬りと共に突撃した。
「アークス駆動―――エクスクルセイド!!」
ルーファスの遺言書通り鍛錬し、習得したユーシスのクラフト―――ソウルスライサーが敵に叩きこまれるとエリオットはアーツを発動し、敵の足元から光の十字架を発生させて追撃した。
「今だよ、ガーちゃん!」
「――――」
「!?」
エリオットのアーツが終わったその瞬間アガートラムはクラフト―――バスターアームを叩きつけて敵を怯ませ
「そこだっ!」
ミリアムと戦術リンクを結んでいるユーシスが追撃した。
「―――――」
「グッ!?」
攻撃を受け続けた敵は再び機銃を連射させてユーシスを怯ませ
「――――!」
「あうっ!?」
続けてミリアムに突進してミリアムを吹っ飛ばし、吹っ飛ばされたミリアムはアガートラムに受け止められた。
「届け―――癒しの音色!!」
ダメージを受けた仲間達の様子を見たエリオットはクラフト―――ホーリーソングを発動して仲間達の傷を回復し
「やっちゃえ~!!」
「―――――」
「!?」
ミリアムはアガートラムに指示し、敵にクラフト―――ヴァリアントビームを叩きつけ
「光よ―――斬!!」
レーザーを受けて怯んでいる敵の背後からユーシスが光の魔力を纏わせた騎士剣を振るって追撃した。
「ユーシス!今から水系のアーツを放つからユーシスは電撃系のアーツをお願い!ミリアムは時間を稼いで!アークス駆動―――」
「いいだろう!アークス駆動―――」
「りょ~かい、ガーちゃん、お願い!!」
「――――」
エリオットの指示を聞いたミリアムはアガートラムにクラフト―――メガトンプレスを発動させて敵を怯ませた。
「行くよ!―――ハイドロカノン!!」
その時駆動を終えたエリオットが水のアーツを放って敵にダメージを与え
「裁きを受けろ―――ジャッジメントボルト!!」
「――――!!??」
ユーシスが強烈な雷を放つアーツを敵に命中させると、水のアーツによって濡れた機体は電撃を良く通した為敵は大ダメージを受けた。
「これで決めるよ!ギガント――――ブレイ――――クッ!!」
「―――――!!!??」
そしてそこにアガートラムを巨大なハンマーに変形させたミリアムがハンマーを敵に叩きつけ、ハンマーに押し潰された敵は消滅した!
「排除する。」
「!?―――」
戦闘を開始したフィーはクラフト―――クリアランスを敵に叩きつけて敵の注意を自分に向けて、敵が自分に向けて攻撃すると回避行動を取った。
「漆黒の槍よ、貫け―――封印王の槍!!アークス、駆動……!」
エリスは魔術による暗黒属性の槍を敵に叩き込んだ後オーブメントを駆動させ
「白き光よ、彼の者に活力を――――スクルド!!アークス、駆動―――」
ゲルドは魔術で戦闘で失ったフィーの闘気を最大限まで回復させた後、オーブメントを駆動させた。
「ありがと、ゲルド。一気に決める!―――アクセル!」
フィーは多くの分け身を作った後分け身と共に次々と攻撃を叩き込んだ後敵を包囲し
「シャドウ――――ブリゲイド!!」
「―――――!!!??」
分け身達と共に一斉に襲い掛かって無数の斬撃を叩き込んだ!フィーのSクラフト―――シャドウブリゲイドを受けた敵は怯み
「シャドーアポクリフ!!」
「アルテアカノン!!」
「――――!?」
そこにオーブメントの駆動を終えたエリスとゲルドが最高位のアーツを叩きこんで追撃した。
「――――」
「っと!」
攻撃を受け続けた敵は反撃にフィーに機銃を掃射してフィーに回避行動を取らせ
「――――」
「……ッ!」
更にエリスにも火炎放射を放ってエリスにも回避行動を取らせた後ゲルドに勢いよく突撃した!
「……!させない。」
しかしゲルドは自身の前方に結界の壁を展開して敵を受け止め続け
「ゲルドさんから離れなさい!秘剣―――鳳仙花!!」
「――――!!??」
エリスが背後からSクラフトを叩きつけて敵を怯ませ
「零距離射撃、発射!!」
「―――――!!??」
「いくよ。」
フィーが銃口を敵の零距離にあてて怒涛の銃撃を放つクラフト―――ゼロ・ラピッドを叩きこんで追撃した後敵の足元に地雷を素早く仕掛けた。
「ゲルド、エリス、下がって!」
「はい!」
「わかったわ!」
そしてフィーの警告を聞いたエリスとゲルドが敵から距離を取ったその時
「”起動”。」
フィーが地雷に向けて銃撃を放った。すると銃撃によって起爆した地雷は大爆発を起こした!
「―――――――!!!!??」
フィーのクラフト―――タレルマインを受けた敵は全身から小規模な爆発を起こしながら消滅した!
「ハァァァァ……豪炎剣!!」
「!!」
リィンはデュバリィが自分に向かって振るった炎の薙ぎ払いを後ろに跳躍して回避し
「フフ、見切れますか?」
「………………」
アイドスは分け身達と共に自分を包囲したデュバリィを静かな表情で見回した。
「幻影剣!!」
アイドスを包囲したデュバリィは分け身達と共に一斉にアイドスに襲い掛かったが
「星光―――円舞剣!!」
「キャアッ!?」
星の光を纏った衝撃波の刃によって分け身達は消滅し、自身もダメージを受けた。
「二の型―――大雪斬!!」
「チッ!調子に乗るんじゃありませんわ!」
跳躍して静かなる闘気を纏った太刀をリィンが叩きつけるとデュバリィは舌打ちをして回避し、リィンに反撃しようとしたが
「星光―――地烈斬!!」
「なっ!?クッ……!」
アイドスが星の光を纏った高速の斬撃波を放つと慌てた様子でリィンから距離を取ると共に回避した。しかし―――
「”燐の型”奥義―――枢孔紅燐剣!!」
「”燐の型”――――沙綾紅燐剣!!」
「な―――キャアアアッ!?」
アイドスとリィンが放った高速の無数の斬撃波を受けて怯んだ。
「秘技―――裏紅蓮剣!―――斬!!」
続けてリィンは炎の魔力を纏わせた斬撃をデュバリィに叩き込んだ後炎の斬撃波を叩き込み
「グッ!?よくもやりましたわね!」
リィンの攻撃を受けたデュバリィはリィンに反撃しようとしたが
「光の炎よ!我が仇名す者に慈悲を!贖罪の聖光焔!!」
「キャアアアアアア――――ッ!?」
アイドスが放った高火力の魔術を受けて大ダメージを受けた!
「グッ!?ハア……ハア……何なんですの、貴女は!?”嵐の剣神”の剣技と全く同じ剣技を扱うなんて!?」
アイドスの魔術が終わり、大ダメージに表情を歪めたデュバリィは信じられない表情でアイドスを見つめたその時!
「アイドス、一気に決めるぞ!」
「ええ!」
「「ハアアァァァァァ――――ッ!!」」
「な―――――こ、これはまさか……!?キャアアアアアア――――――ッ!?」
リィンとアイドスはデュバリィを挟み込むと共に様々な”飛燕剣”を次々と叩きこんだ後突撃の構えで剣を構え、二人同時に突撃した!
「「飛燕剣最終奥義――――――枢孔飛燕剣!!」」
「アアアアアアアア―――――ッ!?グッ!?そ、そんな馬鹿な……!?何故、貴方達が”嵐の剣神”の絶技を……!?」
”力”を解放したリィンとアイドスが放つ事ができる”飛燕剣”の最終奥義―――枢孔飛燕剣を受けて、全身をズタズタに斬られたデュバリィは信じられない表情で地面に膝をついた!
「―――敵の無力化を確認。」
「ミッションコンプリートだね。」
「はい。私達の勝利です……!」
「ふう……やったか。(……何だか妙に相手が疲れていたようだが。さっきの言動から推測すると………もしかしてエリゼやロイドさん達と戦った直後にこの砦に来たのか?)」
フィーとミリアムの言葉にエリスは口元に笑みを浮かべて頷き、デュバリィが疲弊していた事に気付いていたリィンはデュバリィが疲弊していた理由を推測していた。
「くっ……クロスベルに続いてこのような失態……見届けを託された我が主に顔向けできませんわ……!というか特務支援課といい、貴方達といい、こんなの詐欺ですわ!貴方達や特務支援課と戦うはずだったのに、何で”戦妃”や”守護の剣聖”、それにあの”嵐の剣神”と同等のクラスと思われる剣士と戦う羽目になったのですか!?」
「えっと、よくわからないけど……」
「”戦妃”って誰?」
「”戦妃”はカーリアン様の異名で、カーリアン様はリウイ陛下の側室の一人であり、リフィア殿下にとって祖母に当たる方で、メンフィルがまだ小国だった頃からあのファーミシルス大将軍と双翼を担って己の武力でメンフィルを支え続けて来たメンフィル古参の家臣だ。けど、カーリアン様が”特務支援課”と一緒にいたって事は………!」
デュバリィの叫びを聞いたエリオットは戸惑い、ゲルドの疑問に答えたリィンは驚きの表情をし
「え……リ、リフィア殿下のですか……!?」
「”戦妃”まで”特務支援課”に協力しているって事だね。……”戦妃”がいたら戦力は一気にひっくり返るよ。確か”戦妃”が”闘神”を討ち取ったはずだし。”赤の戦鬼”や”風の剣聖”でも”戦妃”には勝てないと思う。」
「な、なにソレ~!?”戦妃”まで力を貸しているなんて反則だよ~!」
リィンの話を聞いたエリスは驚き、フィーの推測を聞いたミリアムは疲れた表情で声を上げた。
「―――父上。もう、逃げ場はありません。」
一方ユーシスは真剣な表情でアルバレア公爵を睨み
「ユ、ユーシス、貴様……!小娘、何を呆けている!?とっとと私を守るがいい!!」
ユーシスに睨まれたアルバレア公爵は慌てた後デュバリィを睨んで怒鳴った。
「こ、小娘……?」
するとその時デュバリィは立ち上がり、不愉快そうな表情でアルバレア公爵に視線を向け、アルバレア公爵にとっては絶望の言葉を口にした。
「……フン、勘違いをしてもらっては困ります。わたくしの役目はあくまで”この砦の陥落を見届けること”。最初から貴方の護衛などは命じられていませんわ。」
「なっ…………!?この砦の陥落を見守る……さ、最初から私を見捨てるつもりだったのか!?」
「ええ、カイエン公とクロチルダ様のオーダーで。そして我が主がいたら決してお許しにならない愚行―――個人的にうんざりですわ。成敗しなかっただけでも感謝して欲しいくらいですわね。―――最も、メンフィルが貴方を成敗するようですが。貴方の命運も今日で終わりですわね。」
そしてデュバリィは転移術を発動してその場から消え、オーロックス砦から去って行った。
「……あ…………」
唯一の頼れる味方にまで見捨てられ、絶望したアルバレア公爵は地面に崩れ落ちた。
「行っちゃったみたいだねー。」
デュバリィが去った様子を見て戦闘の続行は不要と判断したリィン達は武器を収め、アイドスはリィンの太刀に戻った。
「………………」
「……ユーシス…………」
目を伏せて黙り込んでいるユーシスをリィンは辛そうな表情で見つめ
「ああ…………」
ユーシスは決意の表情になり、アルバレア公爵に近づいた。
「父上―――いえ、ヘルムート・アルバレア公爵閣下。メンフィル帝国領ユミル並びにケルディックの破壊、放火、騒乱及び他国領民虐待、シュバルツァー男爵夫妻傷害の疑いにより拘束させて頂きます。どうか神妙にしてください――――」
―――こうしてアルバレア公爵は実の息子であるユーシスの手で拘束された。その後、アルフィン皇女によってその事実が宣言され、クロイツェン領邦軍は戦闘を停止―――バリアハートの南北で繰り広げられていた正規軍との戦闘も収束を見るのだった。
そして、ユーシス並びにアルフィン皇女の命令で領邦軍の全部隊がメンフィル帝国に降伏することとなり―――その後領邦軍はメンフィル帝国軍が管理するオーロックス砦に謹慎となり――――バリアハートを始めとしたクロイツェン州全土はメンフィル帝国領となり、それぞれの領土の領主が決まるまでメンフィル帝国軍によって一時的に管理されることになり、エレボニア帝国の貴族達はクロイツェン州の臨時統括領主となったプリネ皇女達の命令により、全員謹慎の身となった。
また、アルバレア公爵家の城館はメンフィル帝国領となったクロイツェン州全土の臨時統括領主であるプリネ皇女を始めとしたメンフィル帝国の皇族達が使う事になった為、メンフィル帝国軍によって押さえられた。更にスカーレットの身柄はプリネ達の配慮により、バリアハートの高級ホテル”エスメラルダ”の一室に拘束される事となった。
そして――――――リィン達が拘束したアルバレア公爵並びにアルバレア公爵拘束後に正規軍が拘束したアルバレア公爵夫人の身柄がプリネ達―――メンフィル帝国に引き渡され、ケルディック郊外にてケルディック焼き討ち事件時の際メンフィル帝国軍が捕縛した”北の猟兵”達と共に公開処刑がされようとしていた。
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