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英雄伝説~運命が改変された少年の行く道~(閃Ⅱ篇)

作者:sorano
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外伝~神速の災難~後篇

~星見の塔~



「五の型―――光輪斬!!」

カーリアンと共にもう一人のデュバリィへと向かったエリゼは抜刀に寄る刀気の輪を放ったが

「轟雷剣ッ!!」

デュバリィは雷を纏った大剣で襲い掛かる刀気の輪を斬り裂き

「どーりゃあっ!北斗斬り!!」

「ハアッ!!」

双剣に闘気を纏わせたカーリアンの強烈な一撃を大剣で受け止めた!



「グッ……!?」

カーリアンの一撃を受け止めたデュバリィだったが剣から伝わってくる衝撃に表情を歪め

「んー、貴女、本当にあのレーヴェと同じ実力なのかしら?レーヴェだったらこのくらいなら耐えたけれど。」

「!!な、舐めるなですわっ!!」

不思議そうな表情をしているカーリアンの言葉に怒り心頭になった後剣を退いてカーリアンから距離を取り

「残影剣!!」

神速の速さでカーリアンに襲い掛かった!



「っと!」

しかしカーリアンは余裕の表情でデュバリィの神速の一撃を受け流し

「クッ……ならばこれはどうですか!?幻影剣!!」

「甘いわよ!白露乱舞!!」

「キャアッ!?」

更に分け身達と共に自分を包囲して襲い掛かってきたデュバリィに双剣から発生させた衝撃波を叩きつけて吹っ飛ばした!

「魔力―――解放!アルカナの崩壊!!」

「キャアアアアアアッ!?」

そこに魔術の詠唱を終えたエリゼの高火力の魔術を受けてダメージを受け

「アークス駆動―――ダークマター!!」

「しま―――アアアアアッ!?」

続けて放たれたエリゼのアーツによって発生した重力場に巻き込まれると共にダメージを受けた。

「行くわよ――――冥府斬り!!」

「あうっ!?」

そしてエリゼと戦術リンクを結んでいるカーリアンがその隙を逃さず強烈な一撃で追撃した。



「グッ!?こ、この私がここまで追い詰められるなんて……!ならばこれはどうですか!?オォォォォォォオオ―――――――ッ!!」

度重なるダメージを受けていながらもその様子を見せないかのようにデュバリィは分け身達と共に神速でカーリアンに詰め寄って何度も斬撃を叩き込んだが

「それそれそれぇっ!!」

カーリアンは楽しそうな様子で次々と繰り出される神速の斬撃を全てさばき

「プリズム――――キャリバー―――――ッ!!」

「激しいの見せてあげる♪白露の桜吹雪!!」

「な―――キャアアアアアア――――ッ!?」

大剣に光の闘気を纏わせて襲い掛かって来たデュバリィを双剣から発生させた凄まじい衝撃波の嵐を叩きこんでデュバリィを吹き飛ばした!



「クッ、よくもやってくれましたわね……!」

吹き飛ばされたデュバリィは剣を支えに立ち上がったが

「荒々しく顕れよ、異空の水よ!」

「キャアッ!?」

魔術の詠唱を終えたエリゼの魔術によって地面から発生した水柱によって天井へと打ち上げられると共に瞬時に凍りついた水柱に閉じ込められ

「そして優雅に砕けなさい!グランドフィナーレ!!」

「キャアアアアッ!?あ、ありえませんわ…………!」

そして氷柱が一斉に砕け散って地面に叩きつけられたデュバリィは地面に膝をついた!



「し、信じられません……!このような無様……アリアンロード様にどう申し開きをすれば……!というか”特務支援課”と戦うはずが何で”戦妃”達と戦う事になったのですか!?こんなの詐欺ですわ!」

「え、え~と……」

「ア、アハハ……」

「詐欺とは言いがかりですね。エリゼさん達も特務支援課の協力者なんですから。」

「フフ、”鋼の聖女”対策に彼女達を連れて来て正解だったねぇ?お蔭で”鉄機隊”相手に楽に勝てたし。」

「もう、ワジ君ったら……」

デュバリィの叫びを聞いたロイドは困った表情をし、リーシャは苦笑し、ティオは口元に笑みを浮かべて答え、静かな笑みを浮かべるワジの言葉を聞いたエリィは呆れ

「しっかし、あのアリオスのオッサンと同じ”剣聖”のエリゼちゃんと”戦妃”のお姉さんに加えて”神格者”のロカお姉さんを相手にある程度は持ちこたえる事ができるとか、とんでもねぇお嬢さんだな……」

ランディは疲れた表情で呟いてデュバリィを見つめた。



「くっ……勝負は勝負。口惜しいですが、潔く道を開けましょう。」

そしてデュバリィは立ち上がって転移術を発動した。

「ま、待って……!貴女達は……いえ、ひょっとしてあの”鋼の聖女”は……!?」

するとその時エリィはデュバリィを呼び止めたが

「……………この上で待ち受けるは、武における究極にして至高―――己の魂と決意をどれだけ剣に込められるか……ゆめ、忘れるなかれですわ。」

デュバリィはエリィの問いかけに答えず、ロイド達に忠告して転移してその場から消えた。



「……エリィさん。先程のは一体?」

「彼女達の素性について何か気付いたのか?」

「……ううん、ちょっとあり得ない事を考えてしまっただけだなの。みんなを混乱させたくないからあえて言わない方がいいと思う。」

ティオとロイドに尋ねられたエリィは疲れた表情で答えた後複雑そうな表情をした。



「そうか……わかった。」

「ま、お嬢がそう言うんならその方がいいんだろう。しかし――――いよいよ”鋼の聖女”か。」

「リウイ陛下が討ち取ったあの”劫炎”と同じもう一人の”結社最強”の”蛇の使徒”ですね。」

表情を引き締めたランディの言葉に続くようにエリゼは重々しい様子を纏って呟いた。



「どうやら屋上の鐘の前で待ち受けているみたいだね。」

「……決意を固めて階段を登りましょう。」

「ああ……!―――エリゼさん、カーリアンさん、ロカさん。クロスベルを解放する為に……そしてキーアを取り戻す為にも今こそ皆さんの力を貸してください!」

リーシャの言葉に頷いたロイドはエリゼ達を見回し

「はい!」

「フフ、あのシルフィアを相手に互角に戦ったんだから今から楽しみだわ♪」

「シルフィア様には遠く及ばない身だけどマーズテリアの神官戦士として全力を尽くすわ。」

ロイドの言葉にエリゼは力強く頷き、カーリアンは好戦的な笑みを浮かべ、ロカは決意の表情でロイドを見つめて言った。



ロイド達が屋上へと登り、ある人物との戦闘を開始したその頃、エレボニア帝国のバリアハート地方ではリィン達と正規軍、そして鉄道憲兵隊による合同作戦が開始していた……! 
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