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インフィニット・ストラトス~黒衣の創造神~

作者:黒鐡
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第5巻
  IS学園に招待された弾×一度目の休憩で学園祭の一部を回る

「ふ、ふ、ふっ・・・・」

IS学園の正面ゲート前にて、一人の男子がチケットを片手に笑いを堪えていた。今だと年下であるが、変わらずに接して来る五反田弾である。

「ついに、ついに、ついにっ!女の園、IS学園へと来たぁぁぁぁあ!」

本来ならばIS学園に男性が来るとしたら軍関連かIS関連の関係者、それとも女子生徒の友を呼ぶと思うが俺は三日前に弾へ連絡した結果としてここにいる。共通と言えるか知らんが、御手洗数馬の家でベースの練習をしていた時だったらしい。

「そーいやさ、一夏は彼女出来たん?」

「あー、お前は知らないと思うんだけどさー。一夏は俺らの知ってる容姿ではないからか、すっかり大人とした態度を取っているんだとよ」

「え!そうなのか?一夏は俺らと同じ歳じゃないのか『夏休み前に会った時には既に大人の容姿となっていたが、神様の悪戯なのか鈍感一夏ではなかったぜ』マジか、だとしたら彼女ではなく結婚してるのかよ!?」

「IS学園に入学時だと俺らの知ってる一夏だったが、国連軍所属と大人の雰囲気を持っているからIS学園ではモテモテだそうだぞ」

ベースの弦を張り直している弾の横で、数馬はアンプの調整を繰り返していた。この二人はバンドを組んでいる訳ではなく、ただ何となく『楽器を弾けるようになりたい同好会』のメンバーで私設で組んだのか現在二名のみ。

「そういや、今度学園祭だってな。弾とこは何やるん?」

「ウチか?多分、ラグビー部が『マッチョにパイをぶつけようゲーム』やるぜ」

「何だそら・・・・」

「お前んとこは?バンドやんねーの?」

「人前で弾ける腕前かよっつーの」

「あー、まあな~。俺ら一年経っても全然上達しねーもんなー」

「いや、マジでマジで。どうにかせんといかんよなぁ」

余りにもどうにかする気もない調子で言ってから、二人共笑っていたが俺の話題となると最近のメールだと楽器も上達して一流コンサートにも出る程だと言った弾。すると数馬は俺らと一夏では天と地の差だなと告げると料理も上達したし、千冬さんとの関係も弟から兄になった事で増々頭が上がらなくなったと。すると何やら着信音が鳴ったのか、弾が出る。

「ん?お、一夏の話をしてたらホントに一夏から電話が来たぜ」

『よう弾、そちらは元気にしているか?』

「まあな~俺も蘭も元気にしてるが何かあったのか?」

『随分前に弾は言ったな、IS学園に来たいとか言ってた気がするが』

「おう言ったな、招待券でもあんの?」

『あるぞ』

二秒程固まってから、飛び跳ねるような反応をした弾であった。一名のみだが暇ならこっち来るか?と誘うと即答しやがったので、封筒で送るんでちゃんと持ってこないと入れないと言っといた。

「いやぁ、一夏。お前大人になってから心が広くなったな。友達で良かった」

『何変な事言ってんだよ、余り大人をおちょくるなよな』

「あ、悪い・・・・そう言う事で頼んだぞ!」

『そう叫ぶな、やかましいにも程があるが正門ゲートにて待ってるからちゃんと来いよ』

そうして電話を終えた弾はもう一度天井に向けて吼えた事で、IS学園にやってきた弾である。待ち合わせ時間からまだ来ていない俺だったが、別段気にしていない様子であった。

「(ああ、ここからでも沢山の女子が見える・・・・。レベル高いよなー、正直)」

弾は若干気合の入った私服を着ているが、それを抜きにして一般人で十代男子がここにいる事時点でとても目立っていた。だからなのか、変な噂が流れていたようだが俺としては別に気にしない方だ。

「あそこの男子、誰かの彼氏かな?」

「どうだろー。ちょっといいよね」

「まあそうだよねー・・・・入学時より今の織斑さんの方がいいなー」

きゃいきゃいと女子が姦しく話しているのに気が付いて、弾は心臓の鼓動を早くしていく。こんなに注目されているのは、新たな出会いの前触れか?と言う未来予知が当たったようだ。

「そこの貴方」

「はい!?」

不意に声を掛けられた事で背筋をピンと伸ばして、振り向いた先に立っていたのは眼鏡と手に持ったファイルが如何にも堅物イメージの虚さんだった。

「貴方、誰かの招待?一応、チケットを確認させてもらっていいかしら」

「は、はいっ」

弾は慣れない所為か焦りながら手に持っていたチケットを差し出した。

「配布者は・・・・あら?織斑さんね」

「え、えっと、知っているんですか?」

「そりゃここの学園生で彼を知らない人物はいないはずよ、ニュースで世界中に知れ渡ってるはずだけど。返すわ」

「(こ、この人、無茶苦茶美人・・・・いや、可愛い!何とかお知り合いに・・・・話題・・・・話題・・・・)あ、あのっ!」

「?何かしら」

「い、いい天気ですね!?」

「そうね」

会話終了となり、自分のセンスの無さにずーんと落ち込む弾を不思議そうに眺めながら虚さんは去って行った。もし手元にベースがあれば哀愁のテーマを奏でていた事だろうが、弾は大人しく静かに俺が来るのを待っていたのだった。

「お、ここにいたか。弾」

「おー・・・・」

返事をした弾は半分死にかけているかのような有様で、一瞬ビクッとした。

「何してんだお前?」

「どうもしない・・・・俺にはセンスがない・・・・」

「何だそんな事か・・・・お前はまだ十代男子としているから、立ち止まらないできっと何時かチャンスがやって来るぞ」

「今のお前に言われると何となく納得しちまうぜ」

よく分からんがショックから立ち直って俺に付いてきているが、鈴のとこに行くと告げると元気か?と聞いて来る。

「元気と言うのを通り越しているな」

「ところで一夏、その格好はIS学園の制服か?確か白かったはずだが」

「制服はカスタム自由何でな、俺らしい色として白から黒に変更したのさ。お陰様で真っ白の学生達に一人だけ黒が入った事でな、とても目立つがもう気にしてねえよ」

「へぇー・・・・鈴の所に行く前に色々と回らないか?」

俺は二つ返事をしてから校舎内に入るが、遠くから見守っているブラック・シャーク隊がいる。目立つと不味いんで、私服姿でグループとなって固まっていた。

「あ、織斑さんだ!やっほ~」

「あとで絶対お店行くからね!」

「あれ?コックコートじゃないの『それだと目立つんでな、制服姿となって回っているが写真撮るのなら一瞬にして着替えるさ』おー、一瞬にして着替えた事でコックコートの織斑さんを激写!げーっと♪」

量子変換機で一瞬にして制服からコックコートに着替えて写真を撮られる事で、行く先々で女子に声をかけられ手を振ったり返事をしたりで忙しいがこれはこれでいいと思った。繰り返した行動してると、隣から弾の低い声が聞こえてきた。

「お前、無茶苦茶人気あるじゃねーか・・・・」

「当たり前だ、国連軍所属で女心が分かる俺にとっちゃもう慣れたよ」

「そうなのかー。羨ましい限りだが、入れ替わる事は出来ないのか」

「入れ替わりたい希望があっても地獄を見るだけだぞ、IS訓練やらテロリスト対策として前線に出ているからな」

「女子に囲まれているなら例え火の中、水の中!『地獄では済まされないから、最悪死ぬぞ』・・・・命を大事に」

死にたくなかったらしょっぱなからそう言うなとハリセンで叩いたが、既に耐性があるのか叩かれてもすぐに復活してくる。一人はIS界では最強と言われている俺と死ぬのは嫌だとため息吐く弾であった。とりあえず手近な所にあった美術部のクラスに入る。

「芸術は爆発だ!と言う訳で、美術部は爆弾解体ゲームをやってまーす」

「ああ!織斑さんだから、こう言うのはお得意だよね・・・・」

「男友達も一緒だ、爆弾解体ゲームをレッツ・スタート!」

強引に爆弾を押し付けたのは、美術部の部長と言う腕章を付けた女子である。大丈夫なのか、この人が美術部部長で・・・・さてと俺はテキパキと片付けると弾は見ているようだ。慣れた手付きでニッパーを差し込んでから、色々と解体していくと隣にいた弾から声がかかった。

「・・・・一夏」

「何?」

「IS学園ってそんな事まで学ぶ必要あるのか?」

「まあな。と言うか授業じゃなくて、軍人やっていれば自然と爆破物処理の訓練を部下にやらせていた」

爆弾解体何てお手の物で、種類はあるがゼロの指示通りにやると処理班より素早く処理できる。現役軍人で、独立部隊大隊長兼司令官だから危険物の無力化は簡単に出来るが一般人である弾には難しいだろうな。

「・・・・やっぱり俺、普通の高校でいいや」

「そうしとけ、一般人には手を出しちゃいけないブツだってあるからな。それ以前にIS装着出来ないから無理だろ」

「ああ・・・・そうしとく」

弾はIS学園編入を諦めてくれた様子のまま、俺は最終フェイズに入っていた。

「お、流石は織斑さん。喋っている間にあと一本で終了だね」

最終フェイズ=爆弾の最終完全無力段階であるが、ここからは映画でもよく見る赤か青の内どちらを切れば処理完了である。間違えると死ぬがこれはゲームなので、失敗するとアラームが鳴る仕組みとなるが果たしてどちらを切ろうかね。

「弾、お前はどっちだと思う?」

「俺に振るのか?」

「これはゲームだから大丈夫さ、間違えても平気平気」

「赤か青か・・・・どっちだ」

赤と言えば箒の紅椿で、青だとセシリアが入学時のISはブルー・ティアーズだが今だとエクシアかな。結局青を選択した事で切ったが、不正解となり参加賞の飴玉をもらった。って言うかさ~高校にもなって飴玉とは、ホントにいいのか美術部。

「あー・・・・何か汗かいたのか喉が渇いたな」

「なら鈴のとこに行かねえか?確か飲茶(ヤムチャ)だったな」

「そうとなれば早速行ってみようぜ」

俺は美術部の教室から鈴がいる教室に向かうが、階段を上がって一年二組に入る。

「いらっしゃいませ~」

「ぶはっ!?り、鈴、おま、お前っ・・・・な、何してんの?」

「なぁっ!?どうして弾がここにいんのよ!」

「ちゃ、チャイナドレス・・・・似合わねー。大体、何で・・・・ぶご!?」

弾の言葉は強制的に遮られたが、それは鈴が投げたお盆で顔面めり込んでるが大丈夫か?

「か、か、帰れ!」

「何だよ、いってーな!あー、さっき会った可愛い人と大違いだ」

「はぁ?誰それ」

「ふっ、ふっ、ふっ・・・・・教えてやらん」

「一夏、アホが壊れたわよ」

「アホって言うな!」

「俺に振るな、鈴。本来なら俺とお前らとの歳の差は九つも離れているが、中学時代コンビが騒いでいると二組の生徒に怒られるぞ」

わいわいと中学時代コンビが騒いでいると空気を読んだ俺、二組の生徒に感謝されながら席に着いてからメニューを開いた。本来だとトリオだが、俺の歳は24なのでここではコンビと見られる。

「大人の対応だなー、ところで鈴とはどうなったんだ?」

「お前らガキ対応は習得済みだ・・・・鈴に関してもだが、基本俺との関係は入学時だと幼馴染だが今では教鞭打つ程だ。それより弾は先程誰かと会ったように聞こえたが?」

「すっかり上下関係までもが変わったのか、まあいいとしてすっげえ可愛い人がいたのさ」

「可愛い人?と言う事は自動的に上級生になるな、可愛い子だと同級生になるが」

まあ俺的にはIS学園に小型偵察機をばら撒いたので、コイツと話した相手に関しても知ってはいるがここは静観している事にしとくか。にしてもコイツのストライクゾーンが、まさかの年上が好みなのか?そこら辺ツッコむと何かしら調子に乗ると考えていると、鈴からの水が入ったコップを無造作に置いた。

「はい、水!」

「おわっ!?何だよ、鈴。もっと静かに置けよ」

「うっさい、弾。ブッ飛ばすわよ」

「・・・・止めて。お前、テレビで見たけど代表何たらだろ?俺、死んじまうよ」

「そうよ。だから敬いなさい」

「その前にさ、鈴は連敗記録を更新してしまうけどな。この俺に対して、ずっと連敗している鈴だから勝てる要素を言ってからそう言えや。女性が偉いと言う勘違い女のように見えるぞ」

「ふ、ふんっ!いつかアンタをブッ倒してみせるんだから!」

連敗記録に関して聞いてきた弾だったので、俺から言わせてもらうと実戦訓練と言う模擬戦をしているがずっと連勝記録更新している俺に対して鈴や他の専用機持ちでも勝てない。と言うかIS装着してないのに、剣とライフルだけで勝ってしまう俺の強さを摩訶不思議な力だと思っているんだと。確かにこの剣を使う前は、風術で飛んだりIS専用ブレードを片手で持つとかな。 
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