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英雄伝説~運命が改変された少年の行く道~(閃Ⅱ篇)

作者:sorano
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外伝~黒の霊姫(ダークプリンセス)アルティナ・オライオン~後篇

~数時間後・七耀教会・星杯騎士団所属・特殊作戦艇・メルカバ(きゅう)号機・ブリッジ~



数時間後、”古代遺物(アーティファクト)”を回収し、”外法”を滅する七耀教会の裏組織――――”星杯騎士団”を率いる12人の騎士である”守護騎士(ドミニオン)”が所持している守護騎士専用の飛行艇―――”メルカバ”の中でロイド達と共にいたエリゼは突如かかってきた通信に気付いた。

「あら?―――失礼。……リフィア?どうしたの?………………え。……………………」

(リフィア殿下?)

(一体何の連絡なんでしょうか?)

エリゼの通信を聞いていたロイドとノエルは不思議そうな表情をしていた。



「……そう。私も貴女と同じでもう気にしていないから別にいいわ。他にないなら切るわね…………―――お待たせしました。」

「”聖魔皇女”から連絡があったようだけど、何かあったのかい?」

エリゼが通信を終えるとかつて素性を隠して特務支援課に所属していた”守護騎士”第九位――――”蒼の聖典”ワジ・ヘミスフィアは真剣な表情で尋ねた。



「はい。ですが皆様には関係のない事ですのでご心配には及びません。――――フフッ、兄様ったら……相変わらずのご様子で何よりです……フ、フフッ、ウフフフフフフ…………!」

膨大な威圧を纏って微笑み始めたエリゼの様子を見たロイド達は冷や汗をかいた。

「うわっ……」

「こええ~……今のエリゼちゃん、お嬢がキレた時とそっくりだぞ……」

「それとセティ姉さんやセラ母さんが怒った時にもそっくりだよ……」

「シャ、シャマーラ!私もその事については同意しますが、今は口を慎しんでください!」

エリゼを見たロイドは表情を引き攣らせ、ランディは疲れた表情をし、かつて特務支援課に所属していたウィルの娘達―――シャマーラ・ディオンの言葉を聞いたエリナ・ディオンは慌て

「シャマーラ?エリナ?後で話をしましょうね?」

「「あ”………………」」

シャマーラとエリナの姉であるセルヴァンティティ・ディオン―――セティが膨大な威圧を纏って二人に微笑むと二人は表情を青褪めさせて身体を震わせ始めた。



「……先程エリゼさんのお兄さんの話が出てきましたが……もしかして以前わたし達がオリヴァルト殿下の支援要請を受けた際に模擬戦の相手をした”Ⅶ組”のリィン・シュバルツァーさんの事ですか?」

「はい。Ⅶ組に同行しているシグルーン様から先程リフィアに連絡があったそうです。以前リフィアと私がユミルで討ち取った貴族連合の協力者がこの世を彷徨う幽霊になった後兄様と契約したとの事です。」

ティオの質問にエリゼは静かな表情で答え

「ええっ!?」

「マジで!?」

「あら……と言う事はその人は……」

「冥き途に…………行きそこねた人…………?」

「そ、それは……何というか……」

エリゼの答えを聞いたロイドとグレイスは驚き、リタは目を丸くし、冥き途の門番であり、アムドシアスと同じ”ソロモン72柱”の一柱でもある魔神ナベリウスは不思議そうな表情で首を傾げ、ノエルは表情を引き攣らせた。



「エレボニアの内戦を引き起こした”貴族連合”の協力者か……君達から軽く話は聞いたけど”英雄王”達が”執行者”を含めてユミルでかなり討ち取ったそうだね?」

「はい。”執行者”は”劫炎”のマクバーンと”怪盗紳士”ブルブラン。”西風の旅団”は”罠使い(トラップマスター)”ゼノと”破壊獣(ベヒモス)”レオニダス、そして”十三工房”の一つ―――”黒の工房”から出向していたアルティナ・オライオンです。」

「なっ!?か、”怪盗B”も討ち取られていたんですか!?」

「しかも”劫炎”のマクバーンと言えば”鋼の聖女”と同等の力を持つと言われている”執行者”だぞ……」

ワジの質問に答えたエリゼの話を聞いたロイドは驚き、特務支援課に警察犬として登録されている空の女神の”眷属”である”神狼”ツァイトは重々しい様子を纏って呟き

「”罠使い”と”破壊獣”……あの二人はシャーリィを越えているクラスだぜ。まさかあの二人もエレボニアの内戦に関わっていたとはな……」

「あの”血染めのシャーリィ(ブラッディシャーリィ)”を……噂には聞いていましたが、”西風の旅団”にも相当の使い手がいたのですね。」

複雑そうな表情で呟いたランディの話を聞いたリーシャは真剣な表情で呟いた。



「俺やリウイ達からすればそれ程脅威になる存在ではないと思うがな。」

「全くじゃな!”軍神”の”神格者”であるロカからしても大した敵ではないじゃろう!」

「敵の強さがどのくらいだったのかわからないから、何とも言えないわね……」

「そんな事が言えるのは非常識な強さを持つセリカさん達だけですよ……」

セリカの言葉に頷いたレシェンテに視線を向けられたディル・リフィーナの光の神々の中でも特に力を持つ”軍神(マーズテリア)”の”神格者”でありながら”神殺し”であるセリカを心から愛し、”神殺し”や闇の陣営の者達との共存を目指すロカ・ルースコートは苦笑し、エオリアは疲れた表情でセリカとレシェンテに指摘した。



「あたし達と同じ”使徒”になった事で絶大な”力”を手に入れたエオリアが言っても説得力がないと思うのだけど。」

「マ、マリーニャさん!」

「ふええ~?サリア、よくわかんないです……」

呆れた表情でエオリアに指摘するセリカの”第二使徒”マリーニャ・クルップの言葉を聞いたシュリは慌て、セリカの”第四使徒”サリア・レイツェンは不思議そうな表情をした。



「……それでエリゼ。リィンさんは一体誰と契約したのかしら?」

「さっきの様子からすると女の子じゃないかしら?さっきのエリゼちゃん、リウイさんに焼き餅を焼いているイリーナさんそっくりだったもの♪」

「あ~、確かに言われてみればそっくりね♪」

エクリアの質問に続くようにクロスベルの病院――――ウルスラ病院の看護婦を務め、かつてはロイドの兄の婚約者であり、様々な経緯があってリウイの側室の一人となったセシル・パリエ・ノイエスは笑顔を浮かべ、、セシルの言葉に頷いた肌をほとんど露出している大胆な水着を纏っている女性――――リウイの側室の一人であり、リウイの幼馴染でもあるカーリアンはからかいの表情で頷き


「ええ。セシル様の予想通り、兄様が契約したのは女性の幽霊――――アルティナ・オライオンです。」

セシルの言葉にエリゼは静かな表情で頷いた。

「ほえ~……リィンがアルティナと契約した日は今日だったんだ~。」

時空を超える力を持つ”真竜”であるミントの力によってロイド達に協力する為に未来からやって来たキーア・バニングスは目を丸くして呟いた。



「キーア?キーアはその人の事を知っているのか?」

「うん。アルティナは今の時代のキーアくらいの女の子の幽霊だけど、おっぱいがすっごく大きいんだよ~。」

ロイドに尋ねられたキーアは無邪気な笑顔を浮かべて答え、キーアの答えを聞いたその場にいる多くの者達は冷や汗をかいて表情を引き攣らせた。

「何ィッ!?ロリ巨乳ッ娘という貴重すぎる存在にまで手を出したのか、あの真のリア充野郎は!?しかも”幽霊”って事は永遠のロリ巨乳かよ!?」

「……とんでもないです……確かエリゼさんの話によるとリィンさん、アリサさんやエリゼさん達どころかエレボニア帝国のアルフィン皇女とも結婚する事にもなった上、しかも4人もの異種族の女性達と契約しているんですよね?ロイドさんやヴァイスさん、それにリウイ陛下やセリカさんをも遥かに超えるリア充野郎だけあって、まさに節操なしですね……」

「おい……それは一体どういう意味だ。」

(ハハハハハハハッ!どういうも何もそのままの意味だの!)

「だ、だから何でそこで俺が出てくるんだよ!?」

(くかかかかかっ!ロイド、お前も見習った方がいいぞ!)

(お願いだからそのリィンって子みたいな余りにも酷すぎる状況にならないでよね……)

ランディは怒りの表情で声を上げ、ジト目で言ったティオの言葉を聞いたセリカはティオを睨み、セリカの魔剣に宿るハイシェラは腹を抱えて笑い、ロイドは慌てた様子でティオに指摘し、ロイドの中にいるギレゼルは腹を抱えて笑い、ルファディエルは疲れた表情で頭を抱えた。



「…………それどころか、”鉄血の子供達(アイアンブリード)”の一人―――”氷の乙女(アイスメイデン)”までも私やエリス達と同じ状況になったとの事です。」

「なっ!?」

「ア、”鉄血の子供達(アイアンブリード)”って言ったらあの”鉄血宰相”子飼いの……!」

「嘘!?”氷の乙女(アイスメイデン)”って鉄道憲兵隊のクレア・リーヴェルト大尉の事よね!?確か滅茶苦茶美人だけど、絶対に男に靡かない事でも有名だったはずよ!?」

顔に青筋を立てて呟いたエリゼの話を聞いたロイドとノエルは驚き、グレイスは信じられない表情で声を上げ

(フフッ、”銀”の私の心を射止めたロイドさんも負けていないと思いますが。)

リーシャは微笑みながらロイドに視線を向けた。



「アハハハハハハハハッ!いや~、特別模擬戦の時に一緒に行けなかったのがつくづく残念に思ったよ。その時に例の”灰色の騎士人形”の操縦者に会えたんだけどね~?」

腹を抱えて大声で笑ったワジは口元をニヤニヤさせ始め

「フフ、私と同じ幽霊の女の子ですか。機会があれば会って話をしてみたいな。」

「わたしも……お話……したい……」

微笑みながら言ったリタの言葉にナベリウスは頷いた。

「あんの草食男子の皮を装った超肉食のリア充野郎が―――――――ッ!特別模擬戦の最終戦の時にもっとボコっておくべきだったぜ!」

「フ、フフッ……全てが終わったら、覚悟していてくださいね?に・い・さ・ま~~~~~??」

「やれやれ………」

そして悔しそうな表情で声を上げたランディと膨大な威圧を纏って微笑むエリゼを見たツァイトは呆れた表情になった。



こうして……かつて敵対関係であったアルティナはリィンや仲間達に暖かく迎え入れられ、リィンは新たな”絆”を結んだ……! 
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