英雄伝説~運命が改変された少年の行く道~(閃Ⅱ篇)
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第20話
~ガレリア要塞跡~
「―――フィー、二人の内、どちらが手強い!?」
「レオ―――機械化手甲を持っている方が攻撃力があるから厄介!」
「わかった!―――ベルフェゴール!大柄の黒人の方を頼む!」
ゼノとレオニダスとの戦闘を開始したリィンはフィーに二人の強さを尋ねた後ベルフェゴールに視線を向け
「オッケー♪うふふ、いらっしゃい♪遊んであげるわ♪」
リィンの指示に頷いたベルフェゴールはレオニダスと対峙した!
「お前の事も知っている……”貴族連合”が警戒している”灰の騎神”の乗り手に力を貸すかの”魔弓将”と同じ”闇夜の眷属”の中でも”最強種”である女魔人……!相手にとって不足はない!ハァァァァァァ…………オオオオオオオオ――――――ッ!!」
ベルフェゴールと対峙したレオニダスは自らの体力を犠牲にして、膨大な闘志を得るトップクラスの実力を持つ猟兵の戦技――――ウォークライで膨大な闘気を纏い
「ふふっ、私をただの”魔神”と思ったら大間違いよ?」
ベルフェゴールは不敵な笑みを浮かべて全身から膨大な魔力や闘気を解放した後レオニダスとの戦闘を開始し
「よし、ベルフェゴールが一人抑えている間に俺達は残りの一人を制圧するぞ!」
「うん!」
「ああ!」
「はい!」
「了解!」
「さすがに6対1なら、こっちにも勝機はあるだろう……!」
「やれやれ……随分舐められたもんやなぁ?……ええやろ、6人纏めて相手したるわ!」
リィン達はゼノとの戦闘を開始した!
「漆黒の槍に貫かれなさい!―――死愛の魔槍!!」
レオニダスとの戦闘を開始したベルフェゴールは魔術による暗黒の魔槍を解き放ったが
「ぬるい!」
レオニダスは腕に装着している機械化手甲を振るって自分に襲い掛かってきた魔槍を弾き飛ばした!
「喰らえぃっ!!」
そしてレオニダスはベルフェゴールに詰め寄って機械化手甲をベルフェゴールの目の前の地面に叩きつけて衝撃波を発生させた!レオニダスのクラフト―――グラウンドバスターをベルフェゴールは受けたかのように思われたが――――
「うふふ、後ろを取らせてもらったわよ♪――――すごいねこアッパー!!」
ベルフェゴールはレオニダスが武器を地面に叩きつける瞬間転移魔術でその場から消えて回避してレオニダスがクラフトを放ち終えると同時にレオニダスの背後に現れて強烈なアッパーを放った!
「!!」
背後からの奇襲に気付いたレオニダスは間一髪攻撃を回避したが
「―――続けて行くわよ!ケルト=ルーン!!」
「ガッ!?」
詠唱無しで発動したベルフェゴールの魔術によって発生した純粋属性の連鎖する大爆発をその身に受けてダメージを受けた!
「すごい―――ねこパンチ!!」
その隙を逃さないかのようにベルフェゴールは片腕に溜め込んだ膨大な闘気の拳による攻撃をレオニダスに放ち
「オオオオオオオッ!!」
対するレオニダスは強力なパイルバンカーによる一撃――――ダイナマイトスパイクで対抗した。そして二人の攻撃がぶつかり合った際、二人を中心に衝撃波が発生すると共にレオニダスが吹っ飛ばされた!
「グッ!?…………!――――馬鹿なっ!?」
すぐに受け身を取ったレオニダスだったが自分の得物である機械化手甲に罅が入っているのを見て信じられない表情をし
「ふふっ、随分と脆い武器を使っているのねぇ?そんな脆い武器で”七大罪”の一柱に勝てると思っているのかしら?」
ベルフェゴールは不敵な笑みを浮かべてレオニダスを挑発した。
「……どうやら出し惜しみはすべきではなかったようだな。ハァァァァァァ…………!」
ベルフェゴールが予想以上の強敵である事に気付いたレオニダスは全身に膨大な黒き闘気を纏い
「吹き飛べぇっ!!」
機械化手甲を振るって凄まじい威力の衝撃波をベルフェゴールに向けて放った!
「うふふ、無駄よ。」
しかしベルフェゴールは片手で簡易結界を展開して襲い掛かる衝撃波を防いだ。
「”破壊獣”の牙はその程度ではない。――――終わりだ!」
その時レオニダスは機械化手甲を変形させてベルフェゴールに突進して爪のような部分で結界に攻撃した!
「ディザスター―――――アーム!!」
するとその瞬間、爪のような部分から凄まじい威力の砲撃が放たれ、爆撃がベルフェゴールを飲みこんだ!しかし――――
「で?もしかしてそれが貴方の”切り札”なのかしら?」
「!?」
爆発による煙が消えると不敵な笑みを浮かべる無傷のベルフェゴールが現れ、それを見たレオニダスは目を見開いた後一瞬で後ろに跳躍してベルフェゴールから距離を取った。
「うふふ、貴方との遊びもあきてきたし、そろそろ終わらせてあげるわ♪」
「なっ!?分け身か……!」
幻影魔術によるベルフェゴールの分け身を見たレオニダスは自分を挟み込むベルフェゴール達の行動の一挙一動を警戒していた。
「さあ、耐えられるのなら耐えてみなさい♪」
「ガハッ!?ゴフッ!?グフッ!?(は、速すぎる……!?)」
しかし本体と幻影のベルフェゴールの四肢を存分に使った怒涛の集中攻撃の速さについて行けず、タコ殴りにされ続けた!
「それっ!!」
「グハッ!?」
ベルフェゴールは集中攻撃を叩き込んだ後分け身と共にアッパーを命中させてレオニダスを空へと打ち上げ
「奥義―――ダークネスイリュージョン!!」
分け身と共に空へと打ち上げたレオニダスの上空に移動して強烈な拳の一撃を叩きつけ、レオニダスを地面に叩きつけた!するとレオニダスが叩きつけられた地面に大きな罅が入り
「ガハッ!?こ、この俺が……相手の力量を見誤ると…………は………………」
レオニダスは口から大量の血を吐いた後気を失った!
「ま、”神格者”でもないのにたった一人で”七大罪”の一柱であるこの私相手に頑張ったほうね♪」
そしてベルフェゴールは余裕の笑みを浮かべて腰までなびかせている撫子色の髪をかき上げた。
「二の型―――疾風!!」
仲間達と共にゼノとの対峙したリィンは先制攻撃をし
「おっと。”八葉一刀流”か。若いのにやるやないか。」
ゼノはリィンの電光石火の攻撃をブレードライフルのブレードの部分で受け流し
「重力に飲み込まれろ!―――ダークイレイザー!!」
「痺れて!――――パラライサンバ!!」
「っと、坊主たちもまあまあやな……!」
エリオットとマキアスによる遠距離攻撃も身軽な動作で次々と回避し
「ミッションスタート、行くよ……!」
ゼノが仲間達の攻撃に気を取られている隙にフィーは幻影の風を纏い、戦場から姿を一時的に姿を消すクラフト―――エリアルハイドを使って、戦場から姿を消した。
「アークス、駆動!――――ダークマター!!」
「グッ!?」
一方ゼノはトヴァルのアーツによって発生した重力攻撃をその身に受けて怯み
「落ちよ!聖なる雷!!ライトニングプラズマ!!」
そこにセレーネの魔術によって発生した聖なる雷の雨がゼノに向かって降り注いだ!
「グッ!?」
「閃光よ、我が敵を燃やし尽くせ!―――爆炎閃!!」
「ガアアアアアアアッ!?熱~……!やってくれるやないか……罠使い(トラップマスター)の恐ろしさ、思い知らせてやるわ。そら!」
リィンの火炎魔術をその身に受けて悲鳴を上げたゼノは3本のジャベリンを投擲し、投擲されたジャベリンはリィン達を包囲するような位置で刺さった!
「な、なんだ、これは……!?」
ジャベリンを見たマキアスは戸惑い
「―――気を付けろ!恐らく時限式の爆弾だ!――――スフィアブレイク!!」
トヴァルは警告した後、パチンコのような道具で特殊な結界弾を発射するクラフト―――スフィアブレイクで一本のジャベリンを破壊し
「ば、爆弾!?」
トヴァルの警告を聞いたエリオットは慌てだした。
「―――エリオット!爆弾は俺達が破壊するからエリオットは援護を頼む!」
「う、うん……!みんな、頑張って!―――エコーズビート!!」
慌てていたエリオットだったが、リィンの指示で立ち直ってクラフトを発動してリィン達や自分に防御能力と自己回復する結界を展開し
「マキアスとセレーネは牽制攻撃をしてくれ!」
「ああ!喰らえ―――ブレイクショット!!」
「はい!雷光よ、我が右手に宿れ!――――サンダーストライク!!」
マキアスとセレーネはそれぞれゼノに遠距離攻撃を仕掛けて牽制攻撃をした。
「燃え盛れ……滅!!」
二人が牽制攻撃をしている間にリィンはクラフト―――業炎撃で一本のジャベリンを破壊し
「こいつで最後だっ!!」
トヴァルは武器で強烈な一撃を叩きつけるクラフト―――エクセルヒットで最後の一本のジャベリンを破壊した。
「クク、やるやないか。なら、これはどうや?」
二人の牽制攻撃に対して回避したり反撃したりしていたゼノはリィン達に感心した後6本のジャベリンを投擲してリィン達の周囲に突きさした後跳躍し
「どれにしよ?――――決めた!!」
ブレードライフルが怒涛の銃撃をリィン達に向けて放った!するとリィン達の周囲に刺さっているジャベリンが銃撃によって誘爆し、銃撃や爆発を受けたリィン達は怯み
「まだまだ行くで……!」
銃撃を放ち終えたゼノは突進の構えをし
「これで終いや!――――ジェノサイドレイン!!」
突進してリィン達の中心地にブレードライフルのブレードの部分を突きさして大爆発を起こし、ゼノのSクラフト―――ジェノサイドレインを受けたリィン達はそれぞれ大ダメージを受けていたが全員立っていた!
「ほ~?あれを受けて立っているなんて、結構鍛えとんねんな?」
その様子を見たゼノは感心し
「グッ……!」
「チッ、トラップが厄介すぎるぜ……!」
リィンとトヴァルは身体に伝わるダメージに顔を顰めてゼノを睨んだ。
「みんな、今、回復する!」
「僕も手伝う!」
「わたくしも手伝いますわ!」
一方マキアス、エリオット、セレーネはそれぞれのクラフトや魔術でリィン達の傷を回復しようとし
「回復させる隙を与えると思っとるんか?」
それを見たゼノは3人に銃撃を放とうとした。
「せーの……!」
「な――――」
しかしその時戦場から姿を消していたフィーがゼノの背後に現れて電光石火の速さで次々と斬撃を叩き込み
「やあっ!!」
「グッ!?」
斬撃を叩き込んだ後銃撃を放ってゼノを怯ませ
「排除する。」
クラフト―――リミットサイクロンからクラフト―――クリアランスへと連携してゼノにダメージを与え続けていた。
「エナジーシェル!!」
「癒しの音色よ……―――ホーリーソング!!」
「癒しの光よ!―――キュア・プラムス!!」
フィーが攻撃している間にマキアス達はそれぞれの手段で自分達やリィンが受けた傷を完全回復した。
「みんな、ありがとう!トヴァルさん!」
「おおっ!」
「「オーバーライズ!!」」
そして傷が回復したリィンはトヴァルと共に”起動者”であるリィンのARCUSを通して発動できるようになった自動的に傷やEP等が回復し、更にはアーツを駆動無しで放てる等様々な機能を短時間だけ解放できる謎の機能――――『オーバーライズ』を発動した!
「二の型―――大雪斬!!崩した!」
「おうっ!そらっ!!」
「グッ!?」
リィンのクラフトを受けて怯んだゼノにトヴァルはスタンロッドですかさず追撃し
「こいつを喰らいな!エクス――――クルセイド!!」
「うおおおおおおおっ!?」
更にトヴァルは駆動無しで高火力のアーツを発動してゼノに大ダメージを与え
「ハァァァァ……孤影斬!!トヴァルさん!」
そこにリィンが抜刀による衝撃波を放って追撃し
「ああ!こいつも喰らっとけ!――――マイト・ハンマー!!」
「ガッ!?」
トヴァルが更に続いてスタンロッドを両手持ちにして勢いよく跳躍してスタンロッドをゼノに叩き込み
「―――これで止め!シルフィード――――ダンス!!」
「ガハッ!?やるやないか………」
そしてリィン達の攻撃が終わるとフィーがSクラフトをゼノに叩き込み、蓄積したダメージによってゼノは思わず地面に膝をついた!
「くっ、はあはあ……」
「な、なんてヤツだ……」
「ろ、6人がかりでこんなに苦戦するなんて……」
リィンは息を切らせ、マキアスとセレーネは信じられない表情でゼノを見つめ
「……しかも、まだ本気を出していない。」
「ええっ!?」
目を細めたフィーの言葉にエリオットが驚いたその時、ゼノは立ち上がった!
「ハハ、もう少し本気を出してもええみたいやな。そんじゃ、第二ラウンド、はじめよか?」
「ちっ……!やっぱり手を抜いてたか。」
平気そうなゼノを見たトヴァルは舌打ちをし
「レオ!美人のお姉さんとの戦いはどうや……った…………?――――え。」
ゼノは相棒であるレオニダスの状況を確かめようとレオニダスに視線を向けたが、血を吐いた状態で地面に倒れているレオニダスと傍にいる無傷のベルフェゴールを見て呆けた。
「ええっ!?」
「ベ、ベルフェゴール!?ま、まさか一人であの猟兵を……!?」
「うふふ、そんなに驚く事はないでしょう?当然の結果なんだし♪」
驚いているセレーネとリィンを見たベルフェゴールは微笑み
「し、しかもベルフェゴール、全然傷を負っていないようなんだけど……!?」
「お、おいおい……無傷で”西風の旅団”の隊長クラスを制圧するとか、あのお姉さん、どんだけ強いんだよ……!?」
「ま、まあベルフェゴールの”非常識”と言ってもおかしくない強さは今更ですし……」
「むしろ当然の結果ね。ただの人間がたった一人で何の準備も無しに”魔王”に……それも”魔王”の中でも最上位クラスに入る”七大罪”の一柱に勝てる訳がないでしょう?」
無傷のベルフェゴールを見たエリオットとトヴァルは表情を引き攣らせ、マキアスは疲れた表情をし、セリーヌは冷静な表情で呟き
「………………もしかして、殺したの?」
フィーは複雑そうな表情でベルフェゴールに尋ねた。
「”まだ”殺していないわよ。―――それより面白いものを見せてあげるわ♪」
フィーの問いかけに答えたベルフェゴールは目に膨大な魔力を纏わせると共に指を鳴らした。
「……………………」
するとレオニダスはまるで不死者のようにゆらりと立ち上がって、虚ろな目でゼノを見つめ
「お、おい、レオ……?どないしたんや?」
「……!」
レオニダスの様子を見たゼノは戸惑い、何かに気付いたセリーヌは目を細めた。するとその時なんとレオニダスはゼノに襲い掛かった!
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