| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

FAIRY TAIL~水の滅竜魔導士~

作者:山神
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

見ないでください!!

 
前書き
こんなに異性として扱われる主人公っていないよなぁ、とか思っていたら、いました。とある漫画に。
昨日その作品を書いていた作者の現在連載中の漫画読んでいたら、モブキャラとして前作の主人公たちが出てて「そういえばこいつってシリルみたいな扱われ方してたよな」と思った。
一話目で男子生徒たちに告白され、メイド喫茶でバイトして、見た目はまんま女の子。なんだかシリルみたいだと改めて思いました。
何の作品かはわかる人にはわかります。 

 
「ミラちゃ~ん!!こっちにビール二つ!!」
「は~い!!」

マカオさんに呼ばれてビールをお盆に乗せてカウンターからそちらへと出ていくミラさん。いつもと変わらないように見える何気ない動作。しかし、今日の彼女はいつもと少し違う。
紺色のチューブ型のトップスに同色のボトムにスカーフを合わせ、その上にエプロンを被る格好をしている彼女。そう、今ミラさんはリュウゼツランドの時に見せた水着姿になっているのだ。
いや、彼女だけではない。ギルドの中を見回すと、至るところに水着姿の女性陣がその上からエプロンを重ねるというなんとも恥ずかしい格好をしている。

「シリルちゃ~ん!!」
「うっ・・・」

だが、俺はその男なら喜ぶべき状況であるにも関わらず、素直にそれをすることができない。その理由はおおよそ皆さんも分かりきっていることだろう。
そう・・・俺も同じような格好をしているからだ。

「シリルちゃん!!早く早く!!」
「う・・・うん・・・」

まだラッシュガードに男物の海パンだからなんとか許容範囲かもしれないが、ギルドの中でこんな格好をしていると考えるとすごく恥ずかしい。恥ずかしくてなんだか泣けてくる。

「シリルちゃん!!」
「わかってるってば!!」

そしてこの状況を作り出した原因である少女に呼ばれ、そちらに歩いていく。そんな俺の顔を見てニヤニヤしている銀髪の少女を見て、殺意を覚えたのはきっと俺だけじゃないはず。
なぜこんなことになっているのかというと、それは遡ること数時間前・・・
























「ここがギルドじゃ」

ようやく聞き慣れてきたフレーズと共に開かれるギルドの扉。そこから姿を現したのは四人の少女たち。

「うわっ、ホントに来ちゃった」

ウェンディと一緒にココアを飲んでいると、こちらに手を振っている一人の少女が目に入る。銀色の長くサラサラの髪をした、お人形のように可愛らしいその少女は、チョイチョイ隣に立つ同ギルドの女の子のお尻をタッチしながらギルドの中を見回していた。

「どうするウェンディ?逃げる?」
「え?さすがにそこまでしなくてもいいんじゃない?」

今日の留学でやって来たのはエルザさん以上の剣の腕を持つとさえ言われるカグラさんがいるギルド、人魚の踵(マーメイドヒール)。女性だけのギルドということで、当然のことながら留学に来たのも女の子たちのみ。その中にいる一人の少女、こちらに手を振っていたのは、大魔闘演武で友達になったセクハラっ娘、ソフィアである。
彼女は基本的に女の子が大好きだ。彼女のセクハラの被害にあったのは絶対に片手では足りないことだろう。そして、ソフィアはなぜか俺にも他の女の子のようにボディタッチをしてくる。それも妙に手つきがエロいため、恥ずかしいことこの上ない。

「シリルちゃ~ん!!ウェンディちゃ~ん!!」

彼女の魔の手から逃れるためにここから逃げ出そうかウェンディと話していると、マスターからギルドの説明が一通り終わったらしく、ソフィアがこちらに文字通り飛んでくる。

「キャッチ!!」
「うわっ!!」

飛び付いてきているのに気付いた時にはソフィアはすでに目と鼻の先。慌てた俺は咄嗟に目の前にいた樽を抱えた女性を盾にしていた。

ムニュッ

柔らかな効果音が聞こえ、閉じていた目をゆっくりと開く。そこに見えた光景を見て、申し訳ない気持ちになってきた。

「おっ!!あんたはマーメイドの」
「きゃああああ!!柔らか~い!!」

お酒がいっぱいに入っている樽を抱えているのはギルド一の大酒飲みと言われているカナさん。そんな彼女の水着のような服に覆われているふくよかな胸を、俺とウェンディに飛び付こうとしていたソフィアは気持ち良さそうに揉みしだいていた。

「ちょっ!!あんたの手つきやらしすぎだろ!!」
「いいじゃん女同士なんだし~!!」

ソフィアの餌食になっているカナさんがなんとかして彼女を引き剥がそうとしているが、そこはソフィアの執念が上回っているらしく、一切離れる様子がない。

「ふ~ん。そういうことなら・・・」

すると、何か作戦が思い付いたのか、酒樽を手放すカナさん。そして・・・

「あんたにも同じことしてやるよ!!」
「きゃっ!!」

自分の胸を揉んでいる少女の体をまさぐり始めたカナさん。その光景にギルドにいる男たちは全員釘付けである。

「へぇ、あんたも結構いい体してるじゃん」
「や・・・やめ・・・」

カナさんのセクハラを前に力が抜けてきたソフィア。彼女は掴んでいた女性の胸から手を離し、されるがままに体をいじられている。

「シリル見ちゃダメ!!」
「痛ッ!!」

目が甘くなってきたところでお約束の行動に出るウェンディ。二人の女性のやり取りを見つめている俺の目を目一杯の力で塞いでくる。

「なかなかいいケツしてんねぇ」
「ひゃっ!!中に手を入れないで!!」

目を塞がれてるからどうなっているのかわからないけど、いまだにカナさんの前にソフィアはやられっぱなしの様子。日頃の行いで天罰が下ったんだろうな、自業自得です。

「うりゃ!!」
「おわっ!!」

自身の体のしなやかさを生かして、通常ならあり得ないような体勢からカナさんを投げる銀髪の少女。投げるといっても引き剥がした程度でしかないが、彼女の魔の手から逃げるにはそれで十分である。

「うぅ・・・カナさんのエッチ」
「その言葉、そっくりそのまま返すよ」

大したことはしてないはずなのにお互いに息が上がりまくってる変態コンビ。乱れた服を直しながら、ソフィアがある提案をカナさんにする。

「カナさん・・・どうせなら勝負しない?」
「勝負?」

何の脈絡もなく不意に挑まれた勝負。挑んだ者はうなずくと、大きく両手を広げてとんでもない賭けを仕掛けてくる。

「ソフィアが勝ったら妖精の尻尾(フェアリーテイル)の女の子、今日一日全員水着でウェイトレスさせて!!」
「「「「「えぇぇぇぇぇぇ!?」」」」」

いきなりギルド全体を巻き込んだ賭けを提示してくるソフィア。それを聞いたカナさんは、動揺しまくってる女性陣とは真逆で、何やら不敵な笑みを浮かべている。

「私が勝ったら?」
「ソフィアたちが水着でウェイトレスするよ」
「乗った!!」
「「「えぇぇぇぇぇぇ!?」」」

今度は人魚の踵(マーメイドヒール)の留学生たちが絶叫する。それだけ勝手なことを彼女たちは言っているのだ。

「ソフィア()()やるの!?」
「私たちを巻き込まないでよ!!」
「いいじゃん!!ラミアでもセイバーでも勝ってるんだから!!」

どうやらソフィアはここに来るまでの二つのギルドの留学でも、同様に仲間を賭けての勝負をやって来たらしい。そりゃあ不満も溜まりますよね、いくらなんでも。

「ソフィアが勝ったらシリルちゃんの水着姿も拝めるよ!!」
「まぁ・・・」
「そういうことなら・・・」
「しょうがないな・・・」
「えぇぇぇぇぇぇ!?」

いつの間にか俺まで巻き込まれていることに驚きを隠せない。しかも向こうも了承してるし、なんなんだよこれ!!

「何で勝負するんだい?」
「カナさんが選んでいいよ」

やけに余裕があるらしく、 勝負種目を相手に委ねるソフィア。でも、それならカナさんには必勝の勝負がある!!

「カナさん!!お酒で勝負しましょう!!」
「そうよ!!それなら絶対勝てるわ!!」

意地でも水着エプロンなんかしたくないジュビアさんとリサーナさんが、俺と同じように考えたらしくそう言う。

「言われるまでもないよ!!この勝負、私が勝つ!!」
「ふふ~ん♪その余裕、いつまで持つかな?」

勝負種目も決したところでカウンターへと腰かける二人の魔導士。

「いいかい?酔い潰れた方の負けだよ」
「もちろん!!わかってるよ!!」

互いに視線を交わらせ、火花を散らす女性たち。後ろでは絶対にギルドで水着になりたくない賭けの対象たちが声援を送っている。

「どっちが勝っても!!」
「俺たちラッキー!!」
「父ちゃん・・・」

一方ただで女性たちの水着姿が拝めるとあって、男性陣は大盛り上がり。でも、この勝負はカナさんが有利なのは言うまでもない。フィオーレでは15歳から飲酒が認められているが、ソフィアは丁度その年齢にあたる。つまり、お酒に慣れていない!!きっとカナさんが勝つだろうと思いながら二人の飲み比べを見ていると、とんでもない結末になってしまった。






















「うぅ~・・・もうダメ・・・」
「「「「「カナ(さん)!?」」」」」

いつだかのバッカスさんとの飲み比べの時のように、目を回しながら床に沈んでいくカナさん。その隣では、ソフィアが勝利を確定させる最後の一杯を飲み干していた。

「イェーイ!!ウィナー、ソフィア!!」

両手を高々と上げて勝鬨をあげる銀髪の少女は、近くにいた仲間たちとハイタッチを交わしている。その顔にはお酒を飲んだ際に表れる赤みなど一切なく、圧倒的勝利だったことを物語っていた。

「カナさん」
「大丈夫ですか?」
「う~ん・・・」

一方敗者である妖精をウェンディと一緒に揺すってみるが、よほど酔いがひどいのか、目覚める様子が全くない。

「あらあら、大変ね」

その様子を笑顔で見つめているのはミラさん。いやいや、笑い事じゃないんですけど。

「それじゃあ!!ソフィアが勝ったから、妖精の尻尾(フェアリーテイル)の女の子のみんなは、水着に着替えてきてね!!」
「「「「「うっ・・・」」」」」

正直やりたくない気持ちがあるのだが、こちらに有利な戦いだったにも関わらず負けたのだから、約束を破るのはギルド的にやりたくない。なので、留学でいないルーシィさんとエルザさんを除いた女性陣+勝手に賭けの対象に入れられていた俺が水着にエプロンを着て一日ウェイトレスをすることになったのだった。




















「わぁ♪ウェンディちゃんのお尻超いい!!」
「きゃっ!!」

慣れない手つきでギルドに食事に来た街の人たちに料理を運んでいるウェンディのお尻をタッチするソフィア。突然のことで料理を運んでいた天竜はそれを落としそうになっている。

「危ない!!」

ソフィアに呼ばれていた俺は咄嗟にウェンディが落としかけていた料理をキャッチする。

「ありがとう、シリル」
「どういたしまして」

ウェンディの持っているお盆に料理を載せ直し、少女はお客さんに方へとおぼつかない足取りでそれを運んでいく。そんな彼女も水着なものだから、彼氏として周りの野郎にそんな格好を見られるのが嫌で集中できない。

「ねぇ、シリルちゃん?」
「何!?」

半ば怒鳴り気味に名前を呼ぶ少女に向き直る。元はと言えばこいつがカナさんに勝負を吹っ掛けなきゃ、こんなことにはならなかったのに・・・

「何?その格好」
「え?」

俺の格好に疑問を持っているような表情のソフィア。だけど、俺は言われた通りの水着に着替えているのだから、文句を言われる筋合いはないのだけど。

「なんでラッシュガードなんか着てるの!?露出が全然足りないよ!!」
「何!?」

ソフィアは俺がラッシュガードを着ていることに納得がいかないらしい。俺だってこんなの着たくて着てるわけじゃない。ただ。ミラさんに海パンだけじゃダメと言われたから、仕方なく着てるだけだ。

「そうですよ、シリル」
「私たちは水着にエプロンなのに」
「シリルだけ露出が少ないなんて不公平だよ!!」

すると、ジュビアさんにリサーナさん、さらには意外や意外、そんな文句を言いそうにないレビィさんまで参戦してくる。

「だってミラさんが・・・」

責められて返しが難しくなったので、それとなくミラさんに責任転嫁してみる。それを受けてミラさんが、いつも通りの笑顔でこう答えた。

「だってシリル、それしか水着ないんだって」

妖精の尻尾(フェアリーテイル)に加入する際、古くなり、使えなくなったものは極力捨ててきた。なので、水着はこの海パンにエルザさんに押し付けられたラッシュガードくらいしか持っていない。だから皆さんになんと言われようとも、この格好でいるしかないんだ。

「そっか。それならそうと最初から言ってくれればよかったのに」

ミラさんから俺の水着事情を聞いたソフィアはニタラニタラとだらしないくらい嫌な感じの笑みを浮かべている。少女は親指と人差し指でひし形を作ると、それを俺にロックする。

「げぇ!?」

その動作には覚えがある。以前やられた時は大観衆の前でやられたこともあり、大変恥ずかしかった記憶がある。ましてや今は近くにウェンディがいる。こんなところであいつの魔法を喰らったら、色々と終わる!!

「水竜の鉄拳!!」
「返し!!」
「フギャッ!!」

身を守るための正当防衛策に打って出る。しかし、それはソフィアに読まれていたらしく、どこから現れたのか理解できない足技により、あっさり跳ね返されてしまった。

「それ!!」
「しま――――」

ポフンッ

体勢を崩されたことでもはや逃げるすべがなくなってしまった。その結果、ソフィアの魔法『女の子は誰だって可愛く(笑)』を浴びてしまい、一瞬のうちに煙に包まれた。

「ゴホゴホ!!この煙なんとかならないの!?」

相変わらず意味があるのかないのかわからない白い煙を発生させるソフィア。それのせいで涙目になりながら咳き込む俺の身にもなってほしい。

「だって!!煙で隠れてた方が見えたとき興奮するでしょ!?」
「知らん!!それは知らん!!」

どうやらこの煙はソフィアの力量によっては発生させないことも可能らしい。そういえばグラシアンさんのズボンを服に変えてた時は、煙出てこなかったな。てかそれなら俺の時もそういう風にしてほしい。

「「「「「オォッ!!!!!」」」」」

しばらくすると煙が晴れ、視界が広がっていく。そしてこちらをガン見していた男たちは、一斉に歓喜の声をあげていた。

「くっ・・・一体どんな格好を・・・」

皆さんの盛り上がり方が半端じゃなかったので、相当にやばい格好にさせられていると感じ取った俺。なので視線を下げ、自らの姿を確認すると、絶句した。

「こ・・・これは・・・」

思わず腕を用いて体を隠す。俺の服は先ほどまでの虹色のボーダー柄のラッシュガードから、紺色のどこかの学校で着るような水着、いわゆるスクール水着になっている。

「ちょ・・・み・・・見ないでください!!/////」

ギルドにいる全員にそう牽制する。しかも今日はギルドに街の人たちが大勢来ている。その理由は間違いなく女性陣が水着姿でウェイトレスをしているからだろう。仲間にこんな格好を見られるだけでも恥ずかしいのに、マグノリアの人に見られるなんて、本当に恥ずかしい。穴があったら入りたいとは、まさしくこの事であろう。

「ウフフ♪シリルちゃん可愛い!!」
「ひぃぃぃぃ!!」

背後から忍び寄ってきていたソフィアが舐めるようにお尻を触ってくる。その気色の悪い触り方に鳥肌を立てながら悲鳴を上げる。

「すごいよシリルちゃん。いつもより超柔らかい♪」
「や・・・やめて・・・」

逃げられないように羽交い締めにしながら身体中をベタベタ撫で回してくるソフィア。その不様な姿をギルドにいるすべての人たちが嬉しそうに見ているため、もう恥ずかしくて悔しくて泣きそうである。

「ソフィアダメ!!」
「あぅ!!」

なおも撫で回してくるソフィアに対し、思いきり平手を咬まして救出してくれた天使が現れた。

「あ!!ごめんソフィア」
「だ・・・大丈夫・・・」

その天使はすぐに冷静さを取り戻したらしく、自分が叩いた女の子の心配をしている。優しいな、ウェンディは。

「シリルは?大丈夫?」
「大丈夫!!・・・なわけないじゃん・・・」

ソフィアが大丈夫だとわかるとすぐにこちらに飛んでくる天竜。心配して下から覗き込む少女の上目遣いに癒され、誤魔化されそうになったが、こんなの大丈夫なわけがない。俺の精神は崩壊しそうだ。

「シリル、泣かないの」
「泣いてないです!!」

ショックで肩を落としていると、後ろからジュビアさんに抱き締められる。その感触が異様に柔らかく、ちょっとドキとした。

「あらあら、なんだか姉妹みたいね」
「いいえ、親子です」
「いや、姉弟の方だと・・・」
「どれも間違ってますよ!?」

髪色が似ているからなのだろうか、ミラさんが俺とジュビアさんを見て妙なことを言うので、それに何となくで返していく。だけど、ウェンディの突っ込みが一番正しかったのは間違いないだろう。

「どうせならウェンディちゃんもスク水にしてあげよっと!!」
「え!?」

俺の慰め会になっていたところに、ウェンディの平手を喰らい倒れていたソフィアが復活し、魔法の体勢に入っている。

「そりゃ!!」

掛け声と共に煙に包まれるウェンディ。次に姿を彼女が現すと、そこには俺と同じような格好になっている天竜の姿が目に入った。

「きゃあああ!!」

すぐに悲鳴を上げて体の前で腕を交差させるウェンディ。その仕草に釘付けになっているのは、仕方ないことのはず。

「な・・・何なんですかこの格好!!」

赤面しながら俺へと抱き付いてくるウェンディ。ただ、いつもの服よりも素材が薄いからなのか、ウェンディの触感が直に伝わってきて、理性が飛びそうである。

「もういっそみんなすごい格好にしちゃおっか!!」
「「「「「やめなさい!!」」」」」
「アイタッ!!」

抱き合っている俺とウェンディを見て調子に乗ったソフィアは、他の人たちももっとマニアックな格好にしようとしていたが、エバーグリーンさんやリサーナさんといった、気の強い女性たちに頭をこ突かれていた。
だが、すでに被害にあっていた俺とウェンディの格好は元に戻されることなく、その日一日スク水にエプロンという恥ずかしすぎる姿で接客をし続けたのであった。























次の日

「何やってるんですか?マックスさん」
「うおっ!?シリル!?」

朝ギルドに着くと、マックスさんが珍しくせっせと何かを運んでいたので、気になった俺は彼に声をかけてみた。

「今何か隠しましたよね?」
「な・・・何も隠してねぇよ?」

一切目を合わせようとはせず、変な汗を浮かべながら否定するマックスさん。怪しい・・・

「あ!!ミラさんのパンチラ」
「え!?どこ!?」

彼の後ろを指さしながらデマカセを言うと、悲しいかな、引っ掛かり振り返るマックスさん。その隙に彼の手から隠していた何かを奪い取る。

「あ!!」

それに気付いた彼は奪い返そうとしてきたが、それよりも早く水の球体で彼を囲ったため、動くことができないようになっていた。

「ん?これは・・・写真?」

マックスさんが隠していたのは、何かの写真だった。そしてそこに撮されているものを見て、ぷるぷると体が震え出した。
エプロンにスカーフを合わせたチューブトップのビキニを着ているミラさんや、紫の水玉模様のビキニを着て接客しているジュビアさん、ソフィアにお尻を触られて料理を落としそうになっているウェンディ。他にもビキニやらワンピース型の水着やらを着ているギルドの女性たちが接客している写真が大多数を占めているのだ。だが、それだけならまだよかった。問題なのは・・・

「何?この写真」

スク水を着てソフィアにセクハラされている俺、ウェンディとハグして泣きそうになっている俺、その表情のままお客さんに料理を運んでいる俺等々・・・そう、こともあろうに女性陣の写真の中に俺の写真まで紛れ込んでいたのだ。

「おいマックス!!昨日のシリルとウェンディ・・・の・・・」

怒りに震えていると、バカなのでしょうか、ウォーレンさんがマックスさんに何かを買いに来た様子。だが、彼は黒いオーラを放っている俺を見て、固まっていた。

「マックスさん、ウォーレンさん、ちょっとだけいいですか?」
「「い・・・いや・・・」」
「いいですか?」
「「はい!!喜んで!!」」

有無を言わせず二人のアホをギルドの裏の湖に連れていき、レオンとやったようなバレたらあれなことをしていった俺。他にもその写真を求めに来たギルドの人に制裁を加え終えたところで、その日の留学ギルド、四つ首の番犬(クワトロケルベロス)が一日を終え、帰っていったのであった。











 
 

 
後書き
いかがだったでしょうか。
今回のお話は大魔闘演武でグラビア対決をやらなかったため、サービス回をやるためだけに作った感じです。
さすがはソフィア、自分の目的のためならカナをお酒でも上回れるということです。
そしてお約束のケルベロスさんたちはカットとなります。
次からはケモケモのストーリーの最終段階です。いまだに細かいところは決まってませんが、ゆっくりやっていきたいと思います。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

感想を書く

この話の感想を書きましょう!




 
 
全て感想を見る:感想一覧