歌集「春雪花」
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
220
想いても
叶わぬ恋に
見上げしは
葉桜滲む
春半ばかな
愛しく想い、共に在りたいと切に望んでも…それは叶わぬ願い…。
寂しくうつろいゆく時に見上げれば、緑の葉を繁らせた桜が…ただただ風に揺れていた…。
なぜか滲んだように見えたのは…空が雨雲に覆われているからか、はたまた私の瞳が潤んだのか…。
ここにはいない彼を想う、静かなる春の半ば…。
心あらず
恋しき君の
影もなく
虚したりける
今日も明日も
彼の心があるわけではない…彼の姿があるわけでもない…。
私は独り…待つしか出来ないこの世界で、何をしたら良いのだろうか…。
きっと…それは延々と続いてゆくのだろう…。
今日を乗り越えたとしても…明日も同じことの繰り返しなのだから…。
ページ上へ戻る