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アントリアン=プク

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第四章

「ここの髪飾りだから」
「そうなのね、けれどこの飾りもね」
「同じ色ね」
「もうどっちがどっちかね」
「全然わからないわね」
「お母さんにはわかるわよ」
 鏡合わせの様な娘達に言った。
「どっちがオルガでどっちがロッタかね」
「あとお父さんはわかるのよね」
「親だから」
「けれど他の誰もわからないのよ」
「お兄ちゃんでさえ」
「だからこの服の時もね」
「見分けつかないからね」
 それでとだ、二人は言う。
「どうしたものかしら」
「この服の時も」
「一体ね」
「どうして区別つけるべきかしら」
「それじゃあそのシュケロとエプロンでしたら?」
 母は悩む二人にこう提案した。
「エプロンはどっちかが赤くしたりシュケロの色も変えてね」
「あっ、そうしたらいいの」
「そうしたら」
「お母さんの知り合いのお店でそうしてくれるから」
 色を染めてくれるからだというのだ。
「そうしたら?」
「ううん、じゃあね」
「それじゃあそうする?」
「お兄ちゃんですらわからないしね」
「同じ服着てたら」
「それじゃあね」
「お願いするわ」
 二人で母に言った、そしてだった。
 母は実際に娘達からそのシュケロとエプロンを受け取ってだ、それを店に持っていった。そうして暫くしてだった。
 娘達はシュケロとエプロンを受け取ってだ、笑顔になって二人で言った。
「うん、これでいいね」
「皆も私達がどっちかわかってくれるわ」
「私がオルガってね」
「私がロッタってね」
 二人で話す、しかし。
 笑顔の二人にだ、母はまた言った。
「お母さんとお父さんはわかってるわよ」
「だから他の人はわかってくれないの」
「お兄ちゃんですらね」
「ずっと一緒に住んでるお兄ちゃんもなのよ」
「ましてやお友達はよ」
 どちらがどちらかわからないというのだ。
「だからよ」
「ここは色で分けるから」
「ゲームの敵キャラじゃないけれど」
「そうするから」
「まあ親じゃないとわからないことあるからね」 
 子供達のことはとだ、母も言う。
「それならね」
「うん、じゃあね」
「この色分けでお祭りに行くわね」
「これで皆もわかってくれるわね」
「無事に」
「そうなるわね、じゃあその服でお祭りに行ってね」
 母は笑顔になる娘達に自分も笑顔を贈った、そして。
 二人はアントリアン=プクを着てシュケロも被って祭りに出た、その二人の姿を見てだった。ヘルデンも友人達も言った。
「まあ何とかな」
「どっちがどっちかわかるわ」
「着ているj服の色が違うから」
「それでね」
「そうでしょ、この通りね」
「色分けしたのよ」 
 二人はそのアントリアン=プクの姿で言う、見ればだ。
 エプロンの色が違う、一人は白地だがもう一人は緑だ。頭のシュケロもだ。 
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