想甲機ヴァルヴレイヴ
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第2話 高貴なるリベンジャー
前書き
・前回のあらすじ
中立国ジオールを突如襲ったドルシア軍。
彼らを蹴散らすべくヴァルヴレイヴに乗った時縞 ハルトは、ドルシア軍の兵器を蹴散らしていった。
その一方でエルエルフはハルトに復讐を誓うようになっていった。
ドルシア軍の空襲により、モジュール77内の都市はかなりボロボロになった。
その都市の生き残った人々は、また空襲が起こるだろうという恐怖におびえつつ生活を送っていた。
ヴァルヴレイヴ1つだけでドルシア軍を蹴散らせるのかと思う者もいた。
時縞 ハルト達の通う咲森学園はかなりの壊滅状態に陥っていた。
生徒教員合わせて3分の1の関係者が死に至らしめられたという。
当分の間休校になり、授業は避難所の中で行われるようになっていった。
ハルトは、ヴァルヴレイヴIを操縦してドルシア軍と戦っていたことで、世界中に話題になった。
同国人、外国人問わず自分を彼の友達候補にする者が、何千万人も出てくるほどであった。
彼をプロ野球選手にスカウトする者も出て来るほどであった。
ハルトは、避難所で咲森学園の生徒達と会ってこう言われる。
流木野 サキ「信じられないわ、あなたがあんな兵器を操縦していたなんて。」
指南 ショーコ「かけっこで負けたのが悔しくて、カッコつけたくなったの?」
野火 マリエ「ハルト…、すごい…。」
霊屋 ユウスケ「僕をあのロボットの整備士にしてくれないかな?」
そして彼らは、ジオール軍から配られた非常食を口にする。
咲森学園の女王と呼ばれる二宮 タカヒは、かなり粗末な食事に憤慨した。
タカヒ「どうしてジオールなんかで戦争が起きますの?がっかりですわ!そしてこんな食事…。」
山田 ライゾウ「贅沢言ってんじゃねえ、外人女!俺なら残飯でも食らうぜ!」
タカヒ「誰が外人女ですって?私はハーフなのですわ!」
ライゾウ「どっちでも同じようなもんじゃねえか!」
犬塚 キューマ「まあまあ2人とも。」
ドルシア軍の戦艦の中。
クリムヒルト「ジオールの軍事力、想定外のものでしたね。」
カイン「ジオールが秘密裏に所有していた人型戦闘兵器、あれを始末せねばならないな。」
戦艦内での対策会議は1時間に及んだ。
カイン「ヴァルヴレイヴ破壊作戦の指揮官は誰がいいかな?」
エルエルフ「俺にしてください!ヤツに復讐するために!」
アードライ「やめろエルエルフ。その復讐は私がやる!」
エルエルフ「アードライ…。」
アードライは、ドルシア軍特務大尉の中では最もエルエルフと共に行動していた兵士である。
アードライ「私が指揮官として活躍します!」
カイン「よかろう。アードライ。君の高貴なる作戦で、ヴァルヴレイヴを破壊に至らしめたまえ。ブリッツン・デーゲン。」
アードライ「ブリッツン・デーゲン!」
なぜアードライが高貴なる軍人と呼ばれるのか。
ドルシアは、かつては穏やかな王国だった。
だがいつしか軍事国家へと変貌し、王国としての機能は失われていった。
アードライはドルシアの王族の一人であったが、今なお王族の1人としての気高さを見せつけるようになっている。
ジオール軍は、航空式戦闘兵器・スプライサーが全滅したため当分の間休むことになった。
その代わり、ヴァルヴレイヴがジオール軍の代わりとなってドルシア軍と戦うことになったのだ。
ハルトはジオール軍から赤いパイロットスーツを貰う。
ジオール軍長官「今日からそのスーツを着てヴァルヴレイヴに乗るのだ。」
ハルト「はい。わかりました!」
ジオール軍軍人と共に、モジュール77の地下研究所の兵器格納庫に行くハルト。
そこには、4種類のヴァルヴレイヴがあった。色はそれぞれ緑、黄、青、紫である。
ジオール軍長官「君が操縦した人型ロボットは、ヴァルヴレイヴと言うのだ。そのヴァルヴレイヴは1つだけじゃない。ここらには、ご覧の通り4種類のヴァルヴレイヴがそれぞれ1機ずつ配備されている。それらのパイロットが決まったとき、VVV(スリーブイ)フォースという部隊が完成するのだ。」
ジオールの科学者「ヴァルヴレイヴは、軍人だけでなく一般人やフライト未経験者でも操縦できる、ユーザーフレンドリーに優れた兵器だ。」
その後、ジオールの科学者は、ヴァルヴレイヴ用カタパルトをハルトに紹介する。
ジオールの科学者「このカタパルトを使えば、ヴァルヴレイヴを宇宙に出すことが出来るぞ!いずれ宇宙でドルシア軍と戦うことになるだろうが、その時のために使ってくれたまえ!」
ハルト「僕、宇宙に出たことないなあ…。」
ハルトは、赤いパイロットスーツを装着してヴァルヴレイヴIに乗った。
モニターに映っている女の子・ピノは、お休み状態だった。
ヴァルヴレイヴIはモジュール外射出用カタパルトに乗り、宇宙に出た。
ちょうどその時、ドルシア軍はヴァルヴレイヴ破壊作戦を実行に移すところだった。
しかしドルシア軍はヴァルヴレイヴIを宇宙空間で目撃。
ドルシア軍軍人「ジオールの人型戦闘兵器を目撃!宇宙空間内で直ちに作戦を実行せよ!」
アードライは、ドルシア軍エージェント用パイロットスーツを装着し、イデアールに乗って多数のバッフェを率いて出撃した。
アードライの率いる戦闘部隊、通称ロイヤル・フォース。
アードライ「我らの高貴なる作戦で、ジオールの人型兵器を破壊してみせるのだ!」
バッフェのパイロット達「イエス・プリンス!」
そのパイロット達は、アードライから高度な戦術を教わっている。
ヴァルヴレイヴIとロイヤル・フォースとの戦いが始まった。
ヴァルヴレイヴIは、バッフェの群れに向かってバス・バスターを放つ。
しかしバッフェの群れは、両肩の盾でその弾を防ぐ。
バッフェは、弾による攻撃には滅法強いのだ。
そしてバッフェの群れは、両肩の盾で防御態勢を取ったまま、縦横に並んで弾を放つ。
ヴァルヴレイヴIは盾を使いつつもその攻撃に対処していく。
そしてバッフェの群れに接近し、シックルで盾を切り裂き、エッジで胴体を一刀両断にしていく。
しかしバッフェの数はかなりのもので、ヴァルヴレイヴ1つで全て捌くのには無理があった。
その為、ヴァルヴレイヴIは回避に専念するようになっていったのだ。
アードライ「我が部下の力、思い知ったか時縞ハルト。次は我がイデアールの力を思い知るがいい!」
そしてイデアールは、ヴァルヴレイヴIに向かって多数のホーミング弾を発射する。
追尾するホーミング弾から逃げ切ろうとするヴァルヴレイヴI。
そのヴァルヴレイヴIは、逃げるにつれて熱量が上がっていく。
アードライ「ヴァルヴレイヴが敵に背を向けるとは…。所詮はジオールの兵器…。」
そしてバッフェの群れの総攻撃。
ヴァルヴレイヴIはストライク・ブレイズ(正しくはストライク・ブレイス)で弾を防ぎつつ、イデアールのホーミング弾から逃げようとする。
ヴァルヴレイヴIは遂に熱量が100を超えて、動けなくなった。
そしてホーミング弾をまともに食らってしまった。
ヴァルヴレイヴIの動きが止まっているところを見たアードライ。
アードライ「オーバーヒートで動きが止まったのか…。これで破壊できる。時縞ハルト、チェックメイトだ!」
イデアールとバッフェの群れはヴァルヴレイヴIに向かって弾を発射しようとする。
だがその時、謎の艦隊が彼らを攻撃する。
その艦隊は、ジオールの友好国・ARUSの艦隊であった。
アードライ「ARUS艦隊か…。」
ドルシア艦隊はARUS艦隊の猛攻を受け、直ちに撤収する。
モジュール77の地下研究所の兵器格納庫に戻るヴァルヴレイヴI。
そこにはジオール軍の軍人だけでなくARUS軍の軍人も迎えていた。
ヴァルヴレイヴIから降りるハルト。
ARUS軍の軍人「時縞ハルト君、君を「世界と戦う少年」と呼ぶことにしよう。」
ジオール軍の軍人「いくら強い兵器を所有しているからと言って、1人だけで戦うのは危険すぎる。ヴァルヴレイヴのパイロット達を増やし、仲間の力でドルシア軍と戦ってみよう。」
ハルト「そうですね…。パイロット、増やして見せます!」
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