決戦!!天本博士VS超時空天下人ヒデヨシ
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28部分:第二十八章
第二十八章
そしてその考えで。こうも言うのだった。
「さっきも好き勝手やっておって気に入らんかったからな」
「それで電気鞭で、ですね」
「一瞬じゃった」
まさに一瞬で皆殺しにしたのである。
「最初の一人は特別に一人に電流を流してやったがのう」
「一兆ボルトの電流をですね」
「他愛もない」
人命は何とも思っていない。もっとも勝手に戦勝国民と称してやりたい放題をしていたのだから成敗されても当然と言えるが。これで後にあれこれと理由をつけて自分達を被害者と自称するのならばそれはもはや人ではなく餓鬼道に堕ちた輩のすることである。
「威張っておったのにその程度じゃった」
「その程度ですか」
「まあこのような連中のことはどうでもいい」
とりあえずこの話は終わらせることにしたのであった。
「それでじゃ」
「はい。やっぱりこの時代にも太閤がいるんですよね」
「あの男はわしとの決着を望んでおる」
博士はそのことがよくわかっているのだった。
「この時代のこの国に必ずおる」
「必ずですね」
「そうじゃ。場所は」
ここで場所についても考えを巡らせるのであった。
「あそこじゃな」
「あそこといいますと?」
「あそこといえばあそこじゃ」
これまたかなりわかりにくい表現であった。
「あそこにおるのじゃ」
「あそこだけでわかったら凄いよな」
「説明になってないよ」
ライゾウとタロの突っ込みも道理であった。
「だからあそこって何処なんだよ」
「固有名詞出してもらわないと」
「大阪城じゃよ」
そこだというのである。
「そこにおる。あ奴はな」
「大阪城ですか」
小田切君も場所を聞いて真面目な顔になった。
「そうですね。太閤といえばあそこですからね」
「あの城にはあ奴の全てがある」
博士はこうまで言うのであった。
「ならばじゃ。あそこでわしが来るのを待っておる、絶対にな」
「じゃあ今から大阪城にですね」
「うむ。早速な」
行くというのであった。
「向かうがじゃ。一緒に行くか?」
「そうですね」
小田切君は博士のその申し出を聞いてまずは考える顔になった。そうしてそのうえでまずはライゾウとタロに顔を向けて尋ねるのであった。
「どうしよう」
「いいんじゃねえのか?」
「僕もそう思うよ」
彼等は賛成の言葉を出してきた。
「もうさ。行きたいんならよ」
「行ったらいいと思うよ」
「そうじゃな。それではじゃ」
彼等は博士だけで勝手に行くと思っていたしそうあるべきだと考えていた。しかしであった。それは実に甘い考えであった。まだ博士のとんでもなさがわかっていなかったのだ。
「すぐに行くぞ、よいな」
「あれっ、すぐって」
小田切君は今の博士の言葉からあることを察したのであった。
「今の言葉の感じですと」
「君達も来るのじゃろう?」
当然だといわんばかりの言葉であった。
「大阪城に。そうじゃな」
「大阪城って言われましても」
小田切君はそれを聞いて思いきり怪訝な顔をするのだった。
「あの、そもそもここ何処なんですか?」
「そうだよな。闇市らしいけれどな」
「何処なんだろう」
ライゾウもタロもここが何処か全くわからないのだった。何しろ彼等はこの時代の日本に今来たばかりなのである。これでわかる筈もなかった。
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