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決戦!!天本博士VS超時空天下人ヒデヨシ

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23部分:第二十三章


第二十三章

「当時で最高の素材のね」
「絹って燃えるよな」
「やっぱり服の生地だから」
「うん、燃えるよ」
 またはっきりと答える小田切君だった。
「それもかなりね」
「けれどよ。太閤さんよ」
「全然燃えないけれど」
「それがわからないんだよね。何でかな」
 やはり小田切君にもどうしてもわからないのだった。
「あれかな。力で炎が自分を燃やすのを防いでいるのかな」
「何かそれ聞いただけで物凄い力だよな」
「伊達に時空を自由に行き来できるんじゃないんだね」
 やはりそういうことだった。
「それだけのものがあるんだ」
「そういうことだね。とにかくあの人は平気だよ」
 燃えないしその熱気にも平気で火の鳥の背に座している。その姿は神々しくすらある。神に見えないこともない。かなり異質の神ではあるが。
「全くね」
「そしてそれに対するのは」
「あの博士だね」
「さて、どうかな」
 小田切君はここで何度目かの難しい顔を見せるのだった。
「それこそ八千度位はある炎だから。下手な温度じゃ対抗できないけれどね」
「炎には氷みたいだけれどな」
「それだけかな。果たして」
「博士だからね」
 殆ど説明不要といわんばかりの小田切君の今の言葉だった。
「氷だけじゃないかもね」
「じゃあ何を仕掛けてくるんだろうな」
「何かな」
「そうだね。火といえば」
 小田切君はまだ考えはじめた。
「あれかな」
「あれって?」
「まさかそれって」
「うん、あれね」
 今はあえてその単語を出さないかのようだった。
「あれを出すかなって思うんだけれど」
「そういえばそうだよな」
「火が相手だしね」
 ライゾウもタロもそれで納得するのだった。
「何かどちらにしろな」
「また壮絶な戦いになるみたいだね」
「そうだね。コロシアム本当に大丈夫かな」
 小田切君はそれがかなり不安になってきたのだった。
「本当に破壊されなかったらいいけれど」
「何でそんなにコロシアムにこだわるんだい?」
「何かあるの?」
 彼等は困った顔をする小田切君に対して尋ねた。
「ここってそんなに大事な場所なのかよ」
「ただイベントとかをする場所じゃなかったっけ」
「確かに大事だしイベントをする場所だよ」
 彼等の言葉をそれぞれ認める言葉だった。
「けれどね。それだけじゃないんだ、ここはね」
「それだけじゃないって」
「やっぱり何かあるんだ」
「言い伝えだけれど」
 こう前置きはする。
「あれなんだ。コロシアムある限りローマは存在する」
 この言葉を彼等に述べるのだった。
「そう言われてるんだよね」
「コロシアムがある限りローマは存在する」
「そんな言葉があるんだ」
「そうなんだ。そうした言葉があるからね」
「ふうん、だったら若しコロシアムがここで潰れたら」
「若しかしたらローマも」
「言われてるだけだよ」
 決め付けは避けている。しかしそれでもであった。小田切君の言葉にはそうした歯切れの悪い、何か混ざったようなものがあるのも確かであった。
 そしてその歯切れの悪い混ざったような言葉で。また言うのだった。
「それでも。気になる言葉だよね」
「だよなあ。何か」
「預言みたいな」
「預言は預言だけれど」
 この預言についても否定はするのだった。
「僕は信じない方だけれど」
「不安にはなるよな」
「そうだね」
 所謂預言というものの厄介な点である。例え信じていなくとも不安にさせたりもする。やはり心の何処かに引っ掛かるものが生じてしまうからである。預言もそれはそれで毒があるのである。
 
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