決戦!!天本博士VS超時空天下人ヒデヨシ
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1部分:第一章
第一章
決戦!!天本博士VS超時空天下人ヒデヨシ
その時小田切君は大阪にいた。大阪の難波でたこ焼きを食べていた。
「いや、やっぱりたこ焼きは大阪ですよね」
「そうじゃのう」
その隣に白いタキシードに黒いマントのやたらと背の高い異様な老人がいた。靴は白エナメルで尚且つ右手には乗馬鞭のようなものもある。見るからに異様な老人である。
難波は今日も活気に満ちている。なんばグランド花月の前は客で溢れている。その前の本屋にも多くの人が出入りしているのが見える。
「まあ大阪は食べ物がいいからのう」
「ですよね。やっぱり大阪はね」
「しかしじゃ」
ところがここで博士は面白くなさそうな声を出すのだった。
「わしは大阪にただ遊びに来たのではないぞ」
「ああ、そういえばそうだったんでしたっけ」
小田切君はたこ焼きをはふはふと食べながら博士の言葉に応える。
「用事があってここに来たんですよね、僕達」
「そうじゃ。大阪城じゃ」
言わずと知れた大阪のシンボルである。
「そこに行き大阪城を改造してやろうぞ」
「改造ってどうするんですか?」
またまたとんでもない博士の考えにとりあえず突っ込みを入れる小田切君だった。
「天守閣を改造するんでしたらもう前にやった人がいましたよ」
「安心せよ、それはせんわ」
博士はそれはないと言うのだった。
「それよりも面白いことじゃ」
「面白いこととは?」
「大阪城に巨大な基地を作ってやる」
こんなことを言い出すのだった。
「巨大なな」
「巨大な基地とは?」
「つまりじゃ。ブラックホールを自由に放てる基地をじゃ」
作るというのである。
「作ってやろうぞ」
「またどうしてそんなの作るんですか?」
「面白そうだからじゃ」
相変わらずとんでもない理由で大事をしようという博士であった。
「だからやるのじゃよ」
「はあ、そうですか」
「おい、あれ天本博士ちゃうんか」
「警察呼べ警察」
博士を見て大阪府民達が顔を顰めさせている。博士は大阪においても極めて評判の悪い人物であった。悪いどころではないのだが。
「それではじゃ。たこ焼きを食い終わったらじゃ」
「大阪城ですね」
「うむ。では小田切君よ」
あらためて小田切君に声をかけるのだった。
「大阪城に向かうぞ」
「まだ何か食べたいんですけれど」
しかしここで小田切君はこんなことを言い行こうとはしないのだった。
「駄目ですか?」
「食べたいとは何をじゃ?」
「だから折角大阪に来たんじゃないですか」
まだたこ焼きを食べながら言う小田切君だった。
「食い倒れですよ食い倒れ」
「大阪は食い物の街じゃな。確かに」
「だったら食べないと」
意外と食い気に五月蝿い小田切君だった。彼にしては珍しく粘る。
「ほら、たこ焼きの他にもお好み焼きにきつねうどんに名物カレーに夫婦善哉」
「炭水化物ばかりではないのか?」
「そうですか?まあいいじゃないですか」
しかもそれでもいいという態度だった。
「他にも色々とあるじゃないですか」
「まあそうじゃな。何しろ大阪じゃ」
「だったら食べないと。お寿司も天麩羅も美味しいですし」
結構色々と好きなものが多いようである。
「大阪に来たんですから」
「ふむ。そうじゃな」
そして博士も珍しく物分りがいいようである。
「わしも少し食べたくなってきたのう」
「ですから行きましょうよ」
小田切君は博士が話に乗ってきたと見て早速さらに誘うのだった。
「とりあえずは何処に行きます?」
「まずは金龍ラーメンかのう」
大阪難波の至る場所にあるチェーン店のラーメン屋だ。今二人がいるそのなんばグランド花月のところにもある。他にもあちこちにあるのだ。
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