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fate/EX=zero

作者:zeron
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天才少女の月旅行
  予選



「・・・い・・・・せい・・・・センセイ?」

私とよく似た白衣を制服の上に着用している少女の声で意識がはっきりとする


月海原学園 保健委員の確か名前は・・・間桐 桜 だったか
国語教師の間桐 雁夜の親戚という設定だったはずだ・・・設定?


「これでOK、保健委員が倒れるなんてどうしたの?桜ちゃん」

そう、校門入口で倒れていた桜を私が見つけて保健室へ運んだのだ

私が養護教諭という設定だから

「本当すみません」

よく謝る生徒だ

「とりあえず頭は大丈夫みたいだし、あれだったら少しベット使う?」

倒れていた時は驚いたが保健室に連れてったらすぐに体調が良くなったので問題はない

病は気から始まるようにその逆もあるのだろう

医療は気から


「すみませーん、絆創膏ください」

男子生徒の声が聞こえる

机から絆創膏を取り出し男子生徒に手渡す

怪我しているようには見えなかったけどな

嬉しそうに保健室を去っていく男子生徒を見送り桜の方を見る

「………」

ん?なんか今一瞬だけ桜の顔が怖くなったような・・・

「どうかした?」

「いえ、みなさん怪我もしてないのにセンセイに会いたいからって保健室に来ることがありますから」

・・・?私なんかに会ってどうするんだ?

「みんなセンセイのことが好きなんですよ、保健室の天使とか呼ばれてるんですよ、センセイはその、お綺麗ですから」


(身長が低くて子供っぽいから)可愛いねと言われることは何度かあるが綺麗と言われることは初めてだ


「綺麗?私が?ちょっと疲れてるみたいね、ベットに入るといいよ、私は職員室に行ってくる」

桜をベットへ入れて職員室へ向かう、職員室には遠坂時臣と葛木宗一郎の2人が居た遠坂時臣と仲の悪い間桐雁夜は生物部の顧問という設定だからこの時間には居ない


ちなみに桜は間桐雁夜の親戚とかいう設定だが遠坂時臣と学校の優等生遠坂凛は特にそういう設定はないことに少し違和感を感じる



設定?なんだか最近日常がおかしい

ああ、そうか・・・そもそも日常なんて存在していないんだった。



































今日も学校へと登校する生徒に生徒会長の柳洞一成が制服のチェックをしているのがわかる

今日も?今日は?今日だけ?昨日も?昨日なんてあったか?

「おはようございます!佐々野先生!今日もお美しいですね!」

毎日のように世辞をいう柳洞一成に一言述べて校内へ入る


「佐々野先生、おはようございます」

無表情なまま挨拶をしてきたのはラニ=VIIIだ

眼鏡と褐色の肌が特徴的でほとんどの生徒の顔を把握していない私だがこの子は知っている
挨拶を返そうとしたとき運命のいたずらか強い風が吹きラニのスカートがめくれ上がる


「ぐぶっひょ!」

ここ数十年は出したことのないような声が喉から出る

なんということだ・・・この女 ラニ 間違いない!


ぱんつ はいて ない

「…………」
「…………」

それは1秒か100年か永遠のような沈黙は意外な人物によって終了した


「おはようございますラ二さん、佐々野先生」
太陽のような笑みを浮かべるのは学校一番のイケメンにしてお金持ち西欧財閥の王子様レオナルド・ビスタリオ・ハーウェイ

レオと呼ばれる生徒だ

いけ好かない男だが今だけは感謝できる

「あら、レオ君おはよう」

今度ラニは保健室に来てもらおう、仕事に対する熱意は皆無だがさすがに生徒があんな趣味を持っていたら相談をするしかない

一択の選択肢に意味はあるのか?






ん?西欧財閥……レオ

そうか、彼が私の魔術回路を錆びつかせた者達のトップか

ん?魔術回路?何の話だ?


いや、違う


これが予選か!!

記憶はまだ曖昧だ

だがこの予選を通過してサーヴァントと契約する場所へ行くためのヒントは頭に入っている


校内を回ってみるとしよう



どこかの教室か?


教会か?


購買?


あえてのトイレとか?













ふむ、どうにも見当たらない


あと残ってる場所は

「1階か屋上だな」



屋上へ行くと遠坂凛が男子生徒に告白されているのが見えた
思い出した、遠坂凛

西欧財閥と敵対するテロリスト

遠坂時臣の実の娘だ
まぁ、娘と言っても遠坂時臣とは敵対関係にあるようだが



魔術貴族の生き残り
遠坂 間桐 アインツベルンは西欧財閥と敵対している

ただしテロリストの協力をしているわけではない

あくまで自分達の……本人は魔術と言い張っているがコードキャストの研究をしているだけだ
なんだっけ?根源とかいうのを目指しているようだが詳しくは知らないな


西欧財閥に居る時に少し聞いただけだし


告白は男子生徒の失敗に終わったようだ、遠坂凛も降りていく
あれ?今遠坂凛が何か落としたような・・・?


「うっわ、不用心だな」

遠坂凛の落としたポーチの中には宝石が詰まっていた

宝石を利用する消費型コードキャストを使う遠坂凛

このポーチをこのままネコババしたらコードキャストは使えなくなるだろう
実力者が1人消えるのはこちらとしても都合がいい


「って鬼か私は!!」

予選を遠坂凛が通過したら渡してあげることにしよう


屋上でもないようだ、私の直感がどうにも裏目に出る













1階を見て回るがそれらしいものは見つからない
恐らく隠されているのだろうけれどそこら辺のヒントはわからない




「仕方がないな、コードキャストを使うか」

私が体に刻み込んだコードキャスト『operation(future)』

使用することによって普段使われない脳の機能を演算能力へ回し未来予測をする能力
敵の行動を完全に読むことができるがそれだけでなく日常における問題解決にだって使用できる
元から身体への影響が出るコードキャストをさらに体の中に入れてしまっているので術者への影響はかなり大きい
しかも厄介なことにどんな悪影響が出ているか自分でも把握していないのだ

他にも感覚の強化等にも使うことができるが多用はできない

代償はあるが強力

それがインストール型のコードキャストだ


この学校で見てきたすべての光景が脳裏をよぎり私の思考は答えを算出する



「……………そこの壁か」

1階にある壁・・・先ほどまではただの壁だったが今は扉へとその姿を変えている


扉を開き中に入ると1体の人形が置いてあるだけの何もない部屋そしてその奥にもうひとつ扉が見える


「君が最初のマスター候補か」

どこからともなく声が聞こえる
周囲を見渡すが私と人形以外に人型のものは存在しない


「チュートリアルは必要かね?」

チュートリアルなんてあるのか……予選に必要な知識は先ほど使用したコードキャスト『operation(future)』
で頭に入ったが受けておいて損はないだろう

とはいえ知っていることを言われるのもめんどくさい

「戦闘についてのチュートリアルとサーヴァントに関する詳細を教えてくれ」

少しの間がしてまた声が聞こえる

「サーヴァントについては実際に試してみるといいだろう、そこの人形を引き連れて奥へ来るといい」


魔力を紡ぎ人形を立たせる


言うことを聞くか不安だったが人形は想像以上に操作が快適だ


下手に人格があるよりこういう従順なやつのほうが使いやすい

契約するサーヴァントもそんなのだといいな















 
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