異世界系暗殺者
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肝試しの時間(2016/05/16 加筆修正)
前書き
こんばんは、おはようございます。そして、こんにちは。作者の沙羅双樹です。
約半年振りの更新で、読者の皆さんを大変お待たせしたと思います。
今回はヌルヌル肝試しの回です。イッキが誰と組むかは本編を読んでのお楽しみということで。(笑)
追伸
今年の3月後半に今まで投稿していた全ての話を部分的に修正しました。
(特に鷹岡初登場時の話はかなり加筆修正してみたので、是非とも読み直してみて下さい。(笑))
【視点:樹】
椚ヶ丘中学特別夏期講習終了まであと半日。残り僅かの時間だが南国リゾートを楽しもうという女子一同(1名除外)の意見に賛同し、俺を含む男子一同(1名除外)もホテル完備の更衣室で水着に着替え、日が暮れるまで南国の海を楽しんだ。
ちなみに除外された女子――茅野は女子の中でただ1人出遅れはしたものの、一応水着に着替えて渚や有希子達とビーチで砂のしr――いや、あれはプリンだったか?サンドアートプリン、略してサンドプリンを作って南国の浜辺を楽しんでいた。
サンドプリン完成直後、一緒にサンドプリンを作っていた渚や有希子達の見せた「何でこうなった?」的な顔が印象的だったな。まぁ、サンドアートは歴とした芸術。芸術は楽しんでなんぼだ。茅野が楽しめたなら問題ない、と思いたい。
茅野はカナヅチだからな。旧校舎のプールでも浮き輪使わないと入れないし、こういう場ではサンドアートくらいしか楽しめるものが無かったんだろう。
………よくよく考えると、南国の砂浜でサンドプリンを作るしか楽しむことがないって、かなり可哀想な奴な気がする。いや、これ以上深く考えるのは止めておこう。
茅野は基本的にアホの子ではあるが、無駄に勘がいいところもある上、意外と恨み深い所もある。巨乳への憎悪に近い嫉妬とかその典型だしな。
あっ!茅野といえば、ついでだから水着についても語っておくか。茅野の水着は一応ビキニタイプなんだが、本人が幼児体型ということもあって小学生が大人びようとしてしている様にしか見えなかったりする。
当人が中学生であるという事実を知っているだけあって、悪い意味での見た目のギャップから正直涙を誘う。水着の形状については、リリカルな●はVivid2巻のヴィヴィオの水着を参照ということで……。
………さて、女子側の除外者を語った以上、男子側の除外者も語らなければ不公平だな。ってか、男子側の除外者は大体想像できていると思う。
南国の海を堪能していた女子に真っ裸で突撃をかまし、女子+俺にフルボッコされた岡島だ。女子+俺によってフルボッコにされた岡島はそのまま首から下をビーチに埋められた。
というか俺が率先して埋めた。ぶっちゃけ、必殺超●ツコDXを叩き込んで「ひでぶ」りたかったけど、我慢した。
で、「ひでぶ」の代わりに同室に泊まってる寺坂に岡島の水着(何故かブーメランパンツ型)を持って来て貰い、砂浜から出ている顔に被せる刑だけに止めておいた。
その後、その岡島の姿に何かしらのインスピレーションが湧いたのか、不破がサンドアートでスリングショットを着た体を作り、その場にいる者を爆笑させる大作を完成させた。作名は変●仮面だ。
ぶっちゃけ、変態終末期にはお似合いの姿だと思った。こいつ、真夜中の校舎を裸ネクタイで突っ走ってそうなくらいの変態だしな。
取り敢えず、こんな感じでそれぞれがそれぞれなりに南国の海を楽しんだ。そして、日が完全に落ち切ったということもあって、全員でホテルに戻ろうとすると、いきなり殺センセーから待ったが掛けられたんだ。
殺センセーが待ったを掛けた理由。それはクラス全員参加の肝試しを行う為だ。殺センセーは御得意の早着替えでアロハシャツから死装束に着替え、「納涼!!ヌルヌル暗殺肝試し」と書かれたプラカードを持っていた。
場所は海底洞窟。しかも、ホテルのルームメイトとは基本的に別の男女ペアで水着のまま肝試しを行うことになった。ちなみに、男女ペアは殺センセーが御得意のマッハ行動で用意した籤を使って決まった。
海底洞窟の長さは300m程。殺センセー曰く、その間に色んなイベントを用意しているらしい。あと、肝試しルールで5分置きに1組ずつ海底洞窟に入ることになっている。
まぁ、イベントが用意されている割には俺達が入った時点で肝試し開始から既に30分が経過しているのに、先に海底洞窟に入った6組のペアの悲鳴が一切聞こえてこない訳なんだが……。
「これ、本当に肝試しか?先に入っていった奴らの悲鳴すら聞こえてこねぇんだけど?普通、肝試しって悲鳴の1つや2つは聞こえてくるもんじゃねぇの?」
「さぁ?私、あまりこの手のイベントに参加したこと無いから分からない。けど、確かに肝試しっぽくはないかもね」
俺がついつい思っていることを口にすると、ペアの相手が律儀にも答えてくれた。あっ、言い忘れてたけど俺のペアは速水だ。
ついでだから、他のペアについても話しておこうか。他のペアは渚&茅野、カルマ&奥田さん、悠馬&片岡、陽斗&岡野、友人&有希子、龍之介&矢田、正義&倉橋、菅谷&中村、三村&不破、寺坂&挟間、吉田&律、竹林&原ってなっている。
ペアから外れた村松と岡島は殺センセーと一緒に脅かせ担当。ってか、何組かがルームメイトペアと同一だけど、その辺りはツッコまないでくれ。多分、殺センセーが仕組んだことだろうから、ツッコむだけ無駄だ。
ってか、速水と2人だけで会話したこととか、殆どないから間がもたねぇーーー!!どうすりゃいい?どうすりゃいい!?
「………イッキ」
「!!?お、おう!何だ、速水!?」
会話を長持ちさせる方法を考えている最中にいきなり声を掛けられたこともあって、俺はどもりながら返事をしてしまった。有希子との会話でもどもったことねぇのに……。
「………何どもってんの?」
「……どもってねぇし。ってか、何?」
「………肩、大丈夫?」
「肩?…………あぁ!ホテルでの怪我のことか?弾は掠っただけだし、ゾル家体質の恩恵で痛みも気にならない程度だからな。別に大したことねぇよ」
「けど、傷は塞がってないんだよね?」
「んにゃ、カスデブが炎の試作型疑似玉璽で蹴り回してくれたからな。ホイールの摩擦熱で傷口が焼塞がれてたから、一応掠り傷は塞がってる。まぁ、代わりに新しく火傷痕ができたけどな」
掠り傷とはいえ、銃創になるのか?取り敢えず、肩の傷のことを気にしてる速水の質問に苦笑しながら答えると―――
「笑い事じゃないでしょ……」
「そうか?女なら確かに笑い事にはできねぇけど、男だったら馬鹿やって体に傷残すなんてよくある話だろ?この傷もその延長線って考えりゃ笑い事で済むと思うけどな」
「…………あんたが怪我するのって、いつも誰かを守って戦おうとする時なのよね」
「そうだったか?」
「そうよ。鷹岡がE組に赴任した時も、あいつの恐怖支配から皆を守る為に戦って頭に怪我したし―――」
「あれはある意味自業自得だったけどな」
「銃使いの時も私を銃弾から守る為に怪我したし―――」
「銃使いの狙いが分かってたら、俺以外でも誰かが動いてたと思うけど?」
「ホテルの屋上でも感染組の皆の為、鷹岡に一方的に蹴られてたし―――」
「結果的にはブチ切れてカスデブを再起不能にしたみたいだけどな」
「………いちいち変な茶々入れないで。それに鷹岡を再起不能にしたのも、神崎だけじゃなくて私も含めたクラスの女子全員を守る為でしょ?」
「………まぁ、これでも一応フェミニストを自称してるからな。それに同じクラスの仲間なんだ。守って当然だろ?まぁ、うちのクラスの女子が本校舎のカス共やカスデブの同類なら見捨ててただろうけどな」
「守って当然、か………。っていうか、本校舎の奴らや鷹岡の同類とか例えでも言われたくないんだけど」
「悪ぃ。確かに、例えでも不愉快極まりないよな。兎に角、現時点で俺や烏間先生はお前らよりスペック的な意味で力が上なんだ。お前らが俺や烏間先生に守られることで負い目を感じることなんて全く無ぇんだよ」
「でも、それって対等な立場の仲間じゃなくて、保護者と被保護者みたいな関係よね。私達があんたや烏間先生より弱いから、守って貰うのが当然とか―――」
「ああ、もう!お前は色々と気にし過ぎなんだよ!!守って貰って当然って考えが嫌なら、足りない部分を補って貰ってるって考えろ!!で、くだらねぇことで悩む時間を少しでも強くなる為、足りない部分を埋める為の時間に使え。
今回の暗殺計画だってクラス全員の足りない部分を補って、協力し合ったからこそ、殺センセーに切り札の1つであるタコ焼きモードを使わせることができたんだろう。
少なくとも俺は半日足らずで準備できたのはクラス全員の協力があったからだと思ってる。俺1人じゃ、殺センセーに感付かれず、半日で準備を済ますなんてできねぇからな。
個人のスペックがどれだけ高くても、状況次第じゃ第三者の力が必要になることもある。そういう時に自然と手を取り合えるのが本当の仲間ってもんなんじゃねぇの。殺センセーも似た様なこと言ってただろ?」
と、柄にもなく真面目な会話――しかも、速水と2人でそこそこの長話をしている間にチェックポイントらしき場所に辿り着いた。
「………あれ何?」
「何って、ベンチ?」
「いや、ベンチなのは分かる。俺が言いたいのは、何でハートマークだけで形成されたベンチが肝試しのチェックポイントにあるかってことだ」
「確かに、場違いにも程があるね」
ついさっきまで俺と速水はクソ真面目な雰囲気だったのに、その雰囲気が場違いなベンチのせいで一気に壊れちまった。
「ヌルフフフ。その椅子はかつて琉球で起こった内乱で落ち延びた夫婦が寄り添いながら死んだ曰く付の椅子。この先に進む為には椅子の所で男が女に5分間膝枕をして貰わなければいけません。さもなくば夫婦の霊に呪殺されます」
「………いや、肝試しの霊の設定は古代琉球だったよな?古代琉球にこんなハートをあしらったベンチが存在する訳ねぇだろ」
「ヌルフフフ。現実は小説より奇なり。実際はありました」
「さらっと嘘吐いてんじゃねぇ!タコ野郎!!」
何処からともなく聞こえてくるタコ先に対して俺が罵声を浴びせていると、いつの間にか速水がベンチに座っていた。
「……あの、速水さん?何でベンチに座ってるんッスか?」
「殺センセーのことだから、言われた通りしないと先に進めないでしょ?」
「いや、だからってただのクラスメイトに5分間も膝枕とか嫌だろ?」
「ただのクラスメイトじゃないし。シロの策略から1回、鷹岡に3回、銃使いから1回助けて貰ってる。恩人とまで言わなかったとしても、ただのクラスメイトでもないでしょ?」
「鷹岡から3回も助けたっけ?1回は鷹岡追放の件で、もう1回がホテルの屋上の件だって分かるけど。あと、シロの策略?」
「3回よ。もう1回は矢田と一緒に鷹岡に絡まれた時、助けてくれたでしょ?それも合わせて3回。シロの策略は寺坂がE組のプールを爆破した時の――」
「ああ、あれか。それに寺坂が馬鹿やって皆が流された時のな。あれ?主犯の名前ってポチじゃなかったっけ?」
「シロよ。ポチって呼んでるのはあんただけ。そんなことより、さっさと来なさいよ。先に進めないでしょ?」
「………分かったよ」
速水が梃子でも動かなそうだったので、俺は大人しく膝枕されることにした。そして、5分という時間は意外と長く、暇潰しなのか速水は膝枕をしている間、俺の頭――というか髪を撫で続けていた。
俺の様な癖のある髪を撫でて何が楽しかったのか、5分後の速水は何故かご満悦な様子だった。膝枕されている側の俺はというと、心の中で有希子に謝罪しながらも男の性なのか、膝枕を堪能してしまった。正直、有希子と甲乙つけ難かいというのが感想だ。
チェックポイントでのイベントをクリアし、先に進んだ俺達を待っていたのは、人面鰻犬に仮装した岡島と何故か河童に仮装した村松だった。
その姿が面白過ぎて、俺だけでなく速水も思わず爆笑してしまったが、これもある意味大切な夏の思い出となるだろう。こうして、俺と速水の肝試しは終了した。
そういえば、肝試しのゴールに辿り着くと先に着いていた友人が地面に両膝と手を付いた状態で灰になりそうな位落ち込んでいて、その周囲にはゴールした男子が集まっていた。
友人の落ち込んだ理由は分かっているが、友人の名誉の為にも語らないでおこうと思う。あと、俺は慰めには行かなかった。俺が行ったら傷口に塩ではなく、山葵を塗り込むことになることが分かっていたからだ。
後書き
という訳で、イッキのペアは速水凛香ちゃんでした!
本文中では助けられた回数が5回(内4回は他のクラスメイト含む)となってますが、正確には6回助けられていることになります。(笑)
それは毒使いの細菌トロピカルジュース回避です。原作で感染していなかったので、飲んでいても感染していなかった可能性はありますが、完全回避ができたのはイッキの忠告のお蔭なので、含まれるかと……。
そう考えるとイッキに助けられた率がダントツの1位になります。(笑)
(有希ちゃんは修学旅行での個人救出が1回、鷹岡追放による恐怖支配回避で1回、毒トロピカルジュース回避で1回、ホテル屋上の件で1回と助けられた回数は4回と凛香ちゃんより少なかったりします。
メインヒロインの筈なのに、どうしてこうなったのやら……)
大体の方は察していると思いますが、凜香ちゃんもヒロインに加わります。
(ぶっちゃけ、吊り橋効果と言えなくもないんですが、そんなこと言い出したら有希ちゃんとの馴れ初めも吊り橋効果になるので、気にしないで頂けると助かります。)
そして、主人公への愛に目覚めた凜香ちゃんは暴風族として急成長を!!(するといいな~と思ってます。(笑))
それでは次話更新までまた少し間が空くかもしれませんが、これからもよろしくお願いします!
追記
最近、Fate/Zero×オーバーロードを妄想していたりします。(笑)
もし雁夜おじさんがランスロットではなく、アインズ(モモンガ)様を召喚していたら?的な話です。(笑)
この場合、アインズ様のステータスは以下な感じになります。(笑)
筋力:B、耐久:B+、敏捷性:B、魔力:A++、幸運:B+、宝具:A++
宝具には当然、世界級アイテムが含まれ、それ以外にはナザリック地下大墳墓をNPC諸共召喚可能な固有結界ありという出鱈目っぷりです。
雁夜おじさんに召喚されてこのステータスなので、切嗣や時臣に召喚されていたら魔力ステータスがEXになってたかもしれません。(笑)
しかも、アインズ様には超位魔法『星に願いを』があるので、桜と雁夜おじさんの救済と、臓硯の消滅が余裕な仕様。(笑)
私自身、執筆する余裕がないのですが、誰か代わりに書いてくれないかな~?(←超棒読み(笑))
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