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マゾフシェの服

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第三章

「それが大事よ」
「ううん、インパクトね」
「アピールよ、つまりは」
「資本主義らしいわね」
「ポーランドもそうだしね」
 資本主義国家になったというのだ、もう共産主義国家でなくなって四半世紀経つ。今ではポーランドも完全に資本主義国家だ。
 それでだ、友人も言うのだ。
「アピールよ、インパクトよ」
「それが大事ね」
「優勝しようって思ったらね」
「何でもそうなのね」
「共産主義じゃないから」 
「目立つこと」
「それよ、やっぱり」
 ウルシュラに言う、そして。
 ウルシュラはここで考えた、そのうえでまず言った言葉は。
「物理とはまた違う問題ね」
「残念だけれどね」
「そうね、物理も難しいけれど」
「こっちの問題も難しいわね」
「ええ、相当にね」
「けれど答え出せる?」
「キュリー夫人なら出せたかしら」
 ウルシュラは尊敬するこの偉大な科学者の名前をここでも出した。
「あの人なら」
「あの人美人だったわね」
「そのままでね」
「あの頃にミスコンがあって」
 そしてキュリー夫人が出ればというのだ。
「優勝してたかもね」
「普通に出て」
「それこそ昔の服を着てね」
「あの頃のポーランドは」
 ウルシュラはここでキュリー夫人の時代のポーランドを思い出した、彼女の時代の祖国はどういったものかというと。
「ロシアとかオーストリアに占領されていて」
「そして独立していたわね」
「服は」
 それはというと。今回の課題の。
「古いわね」
「共産主義の前よ」
「昔の服ね」
「それこそ」
 ここで友人も言う。
「民族衣装もね」
「まだまだ現役ね」
「そんな頃ね」
「民族衣装ね」
 友人のその言葉にだ、ウルシュラは。
 再び考える顔になってだ、こう友人に言った。
「それいいかも」
「あら、閃いたのね」
「物理はあれよ」
 彼女が学んでいるこの学問はというと。
「九十九パーセントの努力にね」
「一パーセントの閃きね」
「それで決まるから」
「その閃きがなのね」
「今出たわ」
 まさにというのだ。
「神様が授けてくれたわ」
「それは何よりね」
「それでだけれど」
「ええ、ミスコンには」
「その閃きを持って行くわ」
「そうするのね」
「ええ、それだけれど」
 その閃きのことを言ってだ、そしてだった。
 ウルシュラはあらためてだ、友人に尋ねた。今度尋ねたことはおいうと。
「場所と時間は」
「それはね」
 友人はウルシュラに応えて自分から話してだ、ミスコンのちらしも差し出した。ウルシュラにそのちらしを見せてこうも言った。 
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