ハイスクールD×D~黒衣の神皇帝~ 再編集版
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一誠SOS
次期次期当主訪問(2)
「一応聞くが、お前ら何しているんだ?俺が外に行ってる間に勝負を始めるなと言ったはずだが?」
「一誠が外に行った後、コイツらから挑発を受けたのさ。一誠抜きだと勝てると偉くそう言ったんで、俺らヴァーリチームだけでやる事となった。幸い白音と朱乃は知っているので、残りの者らで模擬戦を開始した。『騎士』はアーサーの一振りで終わってしまい『戦車』は美猴の近接格闘術と持ってる如意棒で、一振りしたら瞬殺しちまったようだ。そんで残ったリアスとミリキャス相手は俺がしたんだが、相手に触れず半減の能力を使った後に軽く手刀でやったら今に至るという状態だ」
「報告ご苦労さんヴァーリ、それで?グレイフィアはこういう状況になっちまったが、どう責任取ってくれるんだ?」
「申し訳ありません一誠様!リアス様達が目覚めたらきつくお説教をさせて頂きますので、今回はお許しを!」
「まあ今回はそちらが悪いけど、ヴァーリ達もだぞ?軽い挑発でこの有様だ。お前らの力は既に最上級悪魔を越えているんだから、すぐ売り言葉を買ってどうするんだ?」
「すまない、俺達の力は最早別次元だと再確認した。俺達こそ申し訳ない事をした、なのでこうやってグレモリー眷属+ミリキャスを回復させている」
「まあ過ぎた事はしょうがないがグレイフィア、しばらくここにいてくれないか?今暇なのであればの話だが『大丈夫でございます』ならコイツらが目を覚ましたら説教は任せた。俺達は地上に戻るが、黒歌達は回復を続けてくれ。すぐに目を覚ますだろう、ヴァーリチームとソーナ達は始末書を書いてもらうぞ?」
そう言って俺達は地上へ戻って、ヴァーリ達全員に始末書を書かせたのだった。内容的には、軽い挑発に乗ってしまい売り言葉を買い言葉として言い放ち、俺達黒神眷属の力を乱用したので二度としません的なのをな。俺達の力は、最早どの勢力にも負けない力と技術を持っている。それで書き終わったのを見た後、今後の教訓として力は公にしない事を改めて誓った。
回復が終わったらしく、グレモリー眷属+ミリキャスをお説教中との事なので先に地上に上がってきた黒歌達とグレモリー眷属の『僧侶』と朱乃と白音。俺達の力を熟知しているから、意外にもギャスパーが止めようとしたらしい。数時間後に地上へ上がってきたリアス達とグレイフィアで、暗い顔をしながらだったが二度としませんと正座をして謝罪してきた。一言『許す』と言ってから、俺達は紅茶を飲んでいた。
「そんで?リアス達にミリキャスはヴァーリ達は太刀打ちできなかったんだろ?」
「はい。話を聞いただけでも、最早一誠様のお力は規格外と申し上げる始末でございます」
「俺は半減一回で下級までランクダウンする事は知っていたが、消滅の魔力や他の魔力に関して防御無しで防いだからな。アルビオンが加減調整無しでやってくれたし、赤龍帝の力を使ったドラゴンブラスターを放ったがそれだけで終わってしまったよ」
「それに関しては既に覚えさせたからな、アルビオンも加減調整した事で歴代最強とも言われてしまうさ。俺もだが倍加も何十倍となってしまうし、互いの力も使えるからある意味でよかったよな。ドライグ」
『私が現役以上の力を発揮したし、ドライグの力も使えた事でバリエーションが増えた』
『だよなアルビオン、俺も半減を使えるようになったからか相棒の攻撃バリエーションが増えた』
加減調整については既にやっていたので、俺ら付近にいたドライグとアルビオン。後程ヴァーリに力の封印をさせた方が良さそうだなと思い、今後の鍛錬メニューに加えようとしたら家内放送にて魔法陣で弾き返した者達が来たそうだ。メイドに確認させた所、俺らはとても驚いた。
「ご主人様。ただいま確認した所ルシファー眷属の皆様方がここに来られたようですが、如何致しましょうか?」
「はあ!何でここにグレイフィア以外のが来るんだよ?グレイフィア、何か知っているか?」
「い、いえ。私も初めて知りました、私以外の者達までここに来たという事は何かあったのでしょうか?とりあえずお通ししても構いませんでしょうか」
「響子、とりあえず関所の方に行ってこちらまでご案内させろと関所に方に言っとけ」
「畏まりましたご主人様」
おいおい、何でここにルシファー眷属が来んだよ?グレイフィアがこっちに来たから追ってきたのか、それとも何らかの用で来たのか。訪問理由がさっぱりだ、とりあえずここまで連れて来いと言っといたが、リアス達も固まっていたがそりゃそうか。特に祐斗の元々の師範はアイツだし、すると団体さんがこちらに来るのが見えたので俺が立ち上がった。
「何でお前らまで来んだよ?総司」
「急に来てしまい申し訳ない、とそこにおりますのはグレイフィア様ではないですか!」
「総司さん、なぜ貴方達までこちらに来たのですか?私は一誠様に呼ばれてきたのですが」
「ハハハッ、まさかここに姐さんもいるとは驚きでっせ『姐さんは呼ばないでと何度言えば分かるのですか?セカンド』ってぇぇぇぇ!流石一誠様譲りのハリセンだ」
「そんでお前らの用件は何だ?まさかグレイフィアを追ってきたのか?」
「いえいえ、単にお会いしたかっただけなのです。それと一応の事ですから、ミリキャス様の護衛として参られたのですが何かありましたか?『コイツらがヴァーリチームに喧嘩売ったんで、軽く模擬戦をしたら『僧侶』と朱乃と白音以外のグレモリー眷属とミリキャスが倒れていた』何と!姫、無敵眷属である一誠様に立ち向かったのですか!何と無謀な事をしたのですか!」
最初に総司が言った後、セカンドがグレイフィアのハリセンで叩かれてマグレガーが、先程の状況を簡潔に言ったら怒っていた。まあ俺達の力は既に対ドウター戦で知っているし、超巨大ゼットンと大量のドウター出現で倒せなかったのを一瞬で片付けたと聞く。俺達黒神眷属に立ち向かったのが、無謀な事態だと言う事はコイツらも敵対したくない程だとな。
マグレガーが第二の説教を始めそうなので、冷静になれとハリセンで叩いた俺だった。ここにルシファー眷属集合って、中々見れないレア物だぞ!有事の時以外は早々集まらないと聞いたが、サーゼクスが居ればルシファー眷属が勢揃いするな。
あ、でもバハムートと炎駒はいないな。流石に空気ぐらいは読んだに違いない。名のある上位悪魔は、眷属に歴史上の人物を入れているケースがあるようで転生者はチェス発祥・・・・起源以降の歴史上の人物が主である。人間界の歴史上にチェスが生まれ『悪魔の駒』も誕生して、その辺から偉人と言う事になる。
「で、セカンドに聞くがどうしてここに来た理由を言え」
「急な訪問で悪いとは思っていんだけどよ、『たまには眷属で集まってどっか行かねえか』となってな。坊ちゃんの護衛とついでに姫さんの顔を見に来たって訳よ。ま、流石にバハムートと炎駒の野郎は別件で用事があると言ってたんでな。でもここにグレイフィア様がいる事に関しては、流石の俺らでも驚きってもんよ」
そんな理由でここに来るとか、頭可笑しいんじゃねえのかコイツらは。まあここに歴史上の人物がいるのか、それともルシファー眷属が揃っているからなのか。リアス達も揃っているのは中々ない光景のようだ。
朱乃も同じ事を言うが、こうやって一同揃っている事自体がレアな光景となっている。だが俺としては冥界に行くと必ずコイツらに呼ばれて酒飲んでるし、随分前にルシファー眷属全員揃った光景があったな。模擬戦相手しているが、剣術だと達人級だし全体的な模擬戦でも俺が最終的に勝つけどな。
「全員改めて紹介させてやる、まずコイツはサーゼクス唯一の『騎士』である沖田総司だ。祐斗の剣の師範である、皆も歴史の教科書で見た事あるだろう?新撰組のあの沖田総司だ」
「一誠様から紹介させられると緊張をしますが、当時病で戦線を離脱していてましてね。死の病を回避する為、様々な魔の儀式に手を出していたら何故か分かりませんがサーゼクス様を呼び出してしまったのですよ。偶然なのか奇跡なのかは未だに知りませんが、当時のサーゼクス様はまだ魔王ではなかったのです。そこにサーゼクス様と一緒に召喚された一誠様のお力により、私は延命処置を受けたのですよ。戦争後『悪魔の駒』が生まれた時、私はサーゼクス様の願いにより快く承諾して転生悪魔の『騎士』として今に至ります」
「俺も驚いたぞ?サーゼクスと一緒に酒を飲んでいたら、いつの間にか転移魔法陣で飛ばされてそこには黒猫姿の総司がいたのだからな。理由を知った後、延命処置してからの戦争後は何してるか知らなかったよ」
「追加として言いますが、魔の儀式を繰り返してたので総司さんの体は魔物の巣窟となってしまいましたが」
そう言うマグレガーが追加注文として言った後に、総司の背後に鵺が現れた。俺はビビらなかったが、グレモリー眷属は鵺が出てきたから驚いた顔をしていた。総司は続けたが、魔の儀式によって一人百鬼夜行となったのか体の中には沢山の妖怪がいる。
まあ随分前に知った情報で、とある漫画にも百鬼夜行を持つヤクザもんが出てたな。一人百鬼夜行なので『騎士』の駒が二つ必要だったみたいで、大量の小型ドウターを葬ったのは総司の妖怪達の活躍をしていたと聞く。
「祐斗の剣の腕は、総司から学んだそうだ。教えられたのは流派ではなく、剣の扱い方や戦いの姿勢をコイツから習ったらしい。天然理心流という訳ではないのだよ」
「私でも一誠様には勝てませんよ?剣の腕は私よりも達人なのですからね、何せサーゼクス様の剣の師と聞いてます。あの大太刀を見せてもらいましたが、あれ程素晴らしい剣は今まで見た事がありませんでしたよ!」
「アレは唯一俺が手作りした剣でもあるが、ちなみに総司は『騎士』の駒が二個必要だったからな。小型ドウターを大量に葬っていたり、随分前の対ドウター戦でも大活躍した程だ。総司の紹介はここまでにするけど、次は『僧侶』を紹介したいと思う。デザインが凝った紅色のローブ着ている男性は、マグレガー・メイザースと言って近代西洋魔術の使い手としてあの『黄金の夜明け団』の創立者の一人とされている。七十二柱の本を編集して、翻訳までしたのが有名な話だったか」
『黄金の夜明け団』と言うキーワードに同じ魔法使いのルフェイは元同じ所属だったので、それは知っている事だが教会コンビであるアーシアとゼノヴィアは心底驚愕した顔をしていた。イリナは俺らの家に住み始めてから、一応の知識として教えといた。歳は見た目だと総司と同様だが、切れ長の目元と薄い微笑が妖艶に出ているし金髪と黒髪が混じった髪は長くて軽くウェーブがかかっている。
「魔術関係の偉人じゃないか!」
「す、凄いです!私、教会で習いましたよ!」
二人の驚きようだったが、黒神眷属の面々は既に知っている情報なので余り驚かないリアクションをしていた。無論ソーナ達もな、こういう情報は知っておいて損はないからだ。魔法を使う者にとって有名人なのだが、ルフェイもゲオルグも認知済みだからな。
「ふふっ、一誠様からの紹介を受ける事はとても光栄に思えますが、黒神眷属の皆さんはまるで知っているかのような顔をしていますね」
「当たり前、お前らの情報については既に知っているからな。ちなみにサーゼクス唯一の『僧侶』で、総司と同じく駒二個消費となったからマグレガーがただの魔法使いではない事を証明している。あの時の対ドウター戦では小型ドウターを魔法で葬ったと聞いている」
するとロスヴァイセは、一度でいいから魔法について話し合ってみたいと言っていた。まあ同じ魔法を使うロスヴァイセにとっては、とても興味津々の様子だけどそれはルフェイとゲオルグも同じ気持ちである。
「さてと最後にコイツの紹介をするけど、別に紹介はいらんだろ『ちょっ!一誠様、そりゃないぜ』冗談だ。コイツの名はスルト・セカンド、サーゼクスの『戦車』の一人としているが、俺としては使い所を間違えると肝心な所で役に立たないバカだ」
「一誠様!俺だけ酷い紹介の仕方じゃないか、もっとあるだろう?『何を言っているんですか?セカンド。貴方は肝心な時に役に立たないでしょうに』そ、それはまあ確かに事実だが、俺は役に立つ所はあるぞ?」
「追加情報として北欧神話に登場する炎の巨人スルトのコピー体だ、ラグナロクに巨人の大隊引き連れて世界樹ユグドラシルに火をつけると予言されたあのスルトだ。コイツは北欧の神々がスルトのコピー体を作ったまでよかったが、暴走をしてしまいコピー体が手を付けられない程だったので廃棄処分しようとした。そこにサーゼクス登場で『戦車』の『変異の駒』で眷属にした。コピー体故に『セカンド』と名付けられたんで、スルト・セカンドと名乗るようになったとか」
全くルシファー眷属が化け物揃いと聞いたら、一瞬冗談だろ?と思ったが冗談ではなかった。歴史上の人物に神獣とかを眷属にしているからか、人数的には少ないけど最強の眷属と言える。まあ俺達もある意味では化け物以上の強さを持っている、セカンドの容姿は三十代のオッサンにしか見えないがこれがスルトのコピー体とは思えない。肝心な所で後退するからな。
「一誠様の言う通りだが、北欧のバカ共に廃棄処分というレッテルを貼られた後、自らの炎で燃え尽きる所をサーゼクスの旦那が救ってくれたのさ。お陰で俺は炎の扱い方を完全に覚えて、冥界最強の『戦車』として旦那に付いて行く事が出来たんだけどな。まあ今現在最強なのは黒神眷属のヘラクレスかもしれない。最強という二文字がありそうなぐらいの体格だしな」
恋が拾いもんをしたみたいに、連れてきては可愛がるようにセカンドもサーゼクスに救われたのでサーゼクスに敬愛が含まれている部分がある。ルシファー眷属の最強と言うのは、『女王』『騎士』『僧侶』『戦車』なのだろうと思う。俺らの仲間であるヘラクレスの名が出てきたが、恐らくこの前のレーティングゲームで強さを知ったのだろうなー。
「コイツは冥界最強の『戦車』だが、対ドウター戦で開幕直後に巨大化して本気の炎をバカスカ無駄に使ったからか、勝手にガス欠となり終盤戦に参加できなかった。それと小型ドウターを相手していたらしいが、余りにも強すぎて後退したとな。対ドウター戦では既に習っているとばかり思っていたが、俺らの増援が来てから倒すのに時間はかからなかった。ペース配分を全く考えずにパワーを一気に使い果たしてしまう為だから、俺はホントに使い物になるのか?とサーゼクスに進言しといた」
「そんな一誠様!やれる時はやる時が旦那の『戦車』ってもんだと思っているでさー!『同じ「戦車」のバハムートは、終始役に立っていたと聞くが?』そ、それはですね・・・・あんな魚と一緒にしねぇでくだせえ、一誠様」
まあコントみたいになったが、全員を紹介し終えたが何か忘れているような。ここにいない者だと『戦車』バハムートに『兵士』炎駒とべオウルフがいたような気がするけど、するとまた家内放送にて関所にベオウルフと名乗っている者がいるとの事で置いてかれたようだ。
なのでベオウルフをここに連れて来いとメイドに指示を飛ばしたが、ここにいる総司達は『あ、そういえば忘れていた』と酷い事を言っていた。メイドに連れて来られたベオウルフは、息が上がっていた茶髪のスーツ姿をしていた男性。
「またお前は忘れ去られたのか?ベオウルフ」
「やっと追いついた・・・・申し訳ありません一誠様。セカンドがこれを持てアレを持てと言われた後、いつの間にジャンプしていたので少々遅くなりました」
「どうせアレだろ?人間界の土産物を全部冥界に転送後に置いてかれたのだろ?『当たりです、一誠様』やっぱりか、おいセカンド。余りコイツをパシリ扱いするな、と前々から言ってるだろうが」
とまあこんな奴もルシファー眷属の『兵士』なのだが、ルシファー眷属ではパシリ扱いにされている。
「紹介が遅れたが『兵士』ベオウルフで、英雄ベオウルフの子孫でサーゼクスと戦いに挑んで惨敗してそのまま眷属となった。それとルシファー眷属ではパシリ扱いとなっているから、皆に厳重注意していたのに再三に渡ってセカンドはパシリ扱いだ。同じ炎駒には何も言わんが、ベオウルフには無茶振りを言い付ける事が多い」
「一誠様に紹介を受けるとは、何と光栄な事なのです!」
ここにいるルシファー眷属の紹介を終えたが、ベオウルフは冥界『兵士』の中では五指に入る程の有名人だ。見た目で判断出来ない程の強者で、転生前にサーゼクスと一騎打ちして手傷を負わせる程の実力者。
軽く説教を受けたセカンドは、ベオウルフと喧嘩始めたので無言の笑みを浮かべると静かにしてくれた。ルシファー眷属勢揃いだが、肝心のサーゼクスが居ない事で何処で何をしているんだ?
「ルシファー眷属は『女王』グレイフィア『戦車』スルト・セカンドとバハムート『僧侶』マグレガー『騎士』総司『兵士』炎駒とベオウルフ・・・・サーゼクスが居れば勢揃いとなるが、肝心のサーゼクスは一体どこにいるんだ?グレイフィアがここに来た時点で、魔王オフなのだろう」
「はい。今日は魔王職をオフにしてどこかに出掛けて行きましたが、どこに行くまでは聞いておりません」
「あのー・・・・私らなら知っていますが」
総司が意味深な事を言ったので、ここにいるグレイフィア以外のルシファー眷属が顔を合わせていた。総司の話によるとミリキャスがここに来る前に遡る。ミリキャスと親子の時間を楽しんでいたサーゼクスは、不意に息子であるミリキャスに聞いたようだ。
『今度、休日が取れそうだ。ミリキャス、私とサタンレッドで遊ぼうか?』
魔王戦隊サタンレンジャー、あれまだやっていたのか。サタンレッドであるサーゼクスだからか、息子と遊ぶのを何よりの楽しみにしていたサーゼクスであったがミリキャスはこう返事をしたという。
『いえ、父様。今度の休日はリアス姉様の元に行きます!人間界での悪魔の暮らしにとても興味がありますので、出来れば一誠様の家での暮らしぶりを見学したいのです』
『それは有意義な事だな、ちょっと待ちたまえ。今から一誠君に聞いてみるよ』
それがあの時来た電話だったらしく、リアスは既に知っていたので残りは俺に許可を求めての電話だったらしい。そして電話が終えると、俺の許可が降りた事で喜んでいたミリキャスだった。すると何を思ったのか、一つの質問をしたらしいな。
『明日からしばらく一誠君のお世話になるといい、ところでミリキャスに聞きたい事がある。サタンレッドと黒鐵様、どちらが好きかな?』
『どちらかと言うと黒鐵様です!赤い鎧といい金色の御姿といい、第二の御姿とバリエーションがあってとても格好良いです!特に第二の御姿である黒鐵様の玩具は、とてもリアルでよく出来ていると思います!』
『・・・・・』
元気にハキハキ答えるミリキャスの姿と笑顔のまま凍り付いたサーゼクスの姿が、容易に想像出来るが実際の映像と一致した事で俺は何となく理解してしまうな。ミリキャスがこっちに来てから、サーゼクスはオフを使って出かけているようだが何処に行くかまでは知らない様子を見せるルシファー眷属。
それと黒鐵が大人気な事は知っているが、各神話や三大勢力の子供達から絶大な人気を誇っている。最も『黒衣の神皇帝』にて、冥界でやっている特撮番組と同等の人気がある『マジカル☆レヴィアたん』とはライバルのような感じだ。
「だからグレイフィアや総司達も気掛かりな訳か」
「はい。サーゼクスがどこに行ったのか、私も把握しておりませんから」
「我らルシファー眷属も、もしかしたらこちらに来ているのでは?と思ったので来てみたのですが」
すると何やらサーゼクスの気配を感じ取ったのか、グレモリー眷属とルシファー眷属以外の者は人間界本家の庭方向を見ると不審人物を発見した。グレイフィアすら気付かない程なので、そりゃ気配遮断しているから気付かない訳だよな。
俺だけ行ってみたのだが、無論気配消してだけど近付くとサタンレッドの格好をしたサーゼクス。そんで小さな声で何か言っていたが、小さな声だったので風の精霊により聞いた。
「・・・・ミリキャス・・・・サタンレッドよりも黒鐵様の方が好きなんだね・・・・」
声と存在感は悲哀に満ちていた事で、俺は気配と姿を見せた後ハリセンを振り下ろした事でやっと気付いたグレイフィア達。全員庭方向を見ると俺が何か引き摺っているのが見えたし、首根っこを引き摺りながらそのままグレイフィアがいるリビングに到着してから放り込んだ。
「全くコイツと来たらとんだバカ野郎だ、俺もようやく気配を感じ取れたが一体何していたのか知っている者がいるなら話せ」
「恐らくですが、ミリキャス君を一誠様に取られたと思ったのかと。ミリキャス君が来てから、何らかの視線を感じ取りましたが敵意ではなくミリキャス君と仲良くしていた事による羨望の眼差し」
「旦那、これは黒鐵様と決するしかないと思うが敗北は決まったようなもんだぜ」
「マスター・サーゼクス、先に謝るのでしたら一誠様よりグレイフィア様かと」
「サーゼクス様、オフを利用してまでそのような格好でこの町に来ているとは・・・・納得のいく説明をお願い致します。ちなみに私は一誠様に呼ばれましたし、総司さんらもこちらに来た事に関しては既に許しています。ミリキャス様の護衛はグレモリーと黒神だけで充分ですからね」
レイヴェルの冷静な分析とセカンドとマグレガーは謝罪をした方が良いと言うが、静かな怒りを含めたグレイフィアの声音と共に俺の隣にいた。サタンレッドの格好をしているサーゼクスで、正体を知らないグレモリー眷属らは誰?と言う感じである。俺とグレイフィアらの会話を聞いた事で正体を知り、二人を前にして対峙となるが跪いて屈した。
「すまない、私が悪かった」
「母様が一番強いと思いますが、やはり黒鐵様が一番かと思います」
最強の魔王が妻に屈したが、その前に師範に屈した事でミリキャスの満面の笑顔を見た全員がその言葉に頷いた。サーゼクスを連行するグレイフィアだったが、俺も一緒に説教をと頼まれたので一緒に冥界へ行く事となった。俺がいない間、一時的に当主代理をシーグヴァイラとヴァーリに任せる事となった。
「そんじゃ諸君、引き続きミリキャスの事を頼んだ。俺はコイツを少々絞るのでな」
「一誠様の言う通りでございますがミリキャス様、明後日の帰還まで皆様にご迷惑をかけませんように。いいですね?」
「はい!」
サーゼクスの首根っこを持つ俺だったが、元気よく返す息子の姿にグレイフィアもいつもの感じに戻ってきた。微笑む姿を余り見ないが、母親の顔となっていたので貴重な場面だなと全員思ったに違いない。魔法陣の転移の光に消える俺らを見送った後、ルシファー眷属はしばらく人間界に居るがミリキャスの帰還と一緒との事だった。
「貴方達は冥界の重要な存在なのですから、ミリキャス様と一緒に帰還して下さいね。一誠様の家だから良かったですが、他の家だとこんな所に居る場合ではありません」
俺らがいなくなってから、ルシファー眷属も人間界本家に泊まる事となったのでゲストルームに案内後日本を満喫する事となった。俺が戻ってきた頃には、人間界では夜となっていたので相当時間経過したのか~と思った俺。俺とグレイフィアがいなくなった事で硬直していたルシファー眷属で、ラフな感じとなっていたがやはりグレイフィアは怖い存在なのだと。
「姐御がいなくなったから、息が詰まりかけたぜ・・・・にしても旦那があのような格好でいるならそりゃお怒りだよな。姐御だけでなく一誠様も加わると相当説教時間が経過しそうだ」
「我が主も困った行動でしたね、サタンレッドよりも黒鐵様がいいと言った直後にこれですか。余程ショックのようでしたね」
「ま、一誠様はサーゼクス様の師範でもありますからね。余程の事がない限り怒らないと聞きますが、我々も許可が下りた事で満喫しましょうか」
と言う会話だったが、俺が戻るまでミリキャスと楽しく過ごしていた。戻ってきてから日本食を作って食べさせてから、デパートに行って買い物もした。玩具に夢中な姿は年相応だなと思ったけど、ロスヴァイセと人間界でのマナー等を学んでいた。
風呂も入ったが、ルシファー眷属らと模擬戦をしたがやはり俺が全勝だったな。剣術と体術と魔法も上な俺だけど、人間界本家の玄関にて集合写真を撮ってから冥界限定の玩具をプレゼントした。
「こ、これは!冥界にて限定発売されていて、すぐに売り切れた車から変形する黒鐵様とサイン色紙じゃないですか!」
「ミリキャスは『黒衣の神皇帝』のファンだとグレイフィアから聞いてな、忙しいミリキャスの為にわざわざ作ってもらった。これを受け取ってほしい、ミリキャス」
本来ならここでスキーズブラズニルと言う北欧に伝わる空飛ぶ魔法の帆船を受け取る主人公だ、生きる飛行船とも言われていて雷神トールが持つミョルニルを創ったイーヴァルディ一族作の逸品。とある案件でセカンドが入手したらしいが、相当なレアな逸品で手で数える程しか存在しないブツだ。北欧神話発祥の帆船で、主のオーラを糧に様々な進化をする使い魔的存在。
「と言う事でまた来いよ、俺達はいつでも歓迎してやるからよ」
「お世話になりました。凄く楽しかったですし、また遊びに来ます!」
「今度はここではなく京都に案内してやるが、無論ルシファー眷属にも来てもらおうか。何心配無用だ、俺の頼みならばグレイフィアも頷いてくれるだろうから」
「一誠様には感謝で一杯でございますが、またお会いする日を楽しみにしています。それとまた冥界に来られた時には、お酒を飲みながら我らの愚痴を聞いてもらえれば幸いかと」
ルシファー眷属代表として総司が挨拶後に魔法陣の光にて去って行くミリキャスとルシファー眷属だったが、グレモリー眷属もそれぞれ家に帰った後に俺らは静かになった人間界本家。
最強の魔王であるサーゼクスだが、最強の妻と師範の前では屈した姿を見た事もレアな光景だったのでデータとして残した。ソーナ達もだが、ヴァーリチームと英雄チームには鍛錬メニューを増やすか減るかの調整をしてから明日に備えたのだった。
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