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新オズの腹ペコタイガー

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第十二幕その十一

「では今からね」
「はい、このカレーを食べて」
「そしてですね」
「楽しく食べましょう」
 こう言ったのでした。
「そうしましょう」
「その時を待っていました」
「もうお腹ペコペコで」
 五人がこうオズマに言います。
「今か今かでした」
「そしてこれからですね」
「カレーを食べるんですね」
「そうよ、私も待っていたわ」
 他ならないオズマもというのです。
「だから皆でね」
「はい、食べて」
「楽しみましょう」
「ではーーです」
 チクタクも言います、見れば食べない人達も別のものを食べる人達も一緒にいてなのでした。皆が食べるお顔を見るというのです。
「皆さんーーどうぞ」
「ええ、私も食べるわ」
 ビリーナもお豆やコーンを前にしています。
「これからね」
「さて、じゃあね」
 腹ペコタイガーは舌なめずりしました。
「食べようね」
「是非ね、じゃあ」
「じゃあ皆いいわね」
 あらためて言ったオズマでした。
「カレーを食べましょう」
「はい、これから」
「皆で」
「皆で食材を集めてシェフの人達が作ってくれたカレーよ」 
 こうも言ったオズマでした。
「それを食べましょう」
「うん、じゃあ食べよう」 
 腹ペコタイガーも言います。
「これからね」
「では」
 オズマは皆に先駆けて手を合わせました。他の皆もそれに続いて。
 いただきますの後で食べるのでした、そのカレーを食べてです。
 恵梨香はにこりとしてです、こう言いました。
「こんな美味しいカレーはじめて」
「私もよ」 
 トロットも応えます。
「こんな美味しいカレーはね」
「はじめてですか」
「そうよ」
 まさにというのです。
「最高のカレーよ」
「食材を集めて」
「そして作ってくれて」
「これまでお腹も空かせていたので」
「色々あってね」 
 最高のカレーが最高の状態で食べられているからというのです。
「こんな美味しいカレーないわね」
「本当にそうですよね」
「これなら何杯でも食べられるわね」
「そうですね」
「僕もう一杯食べたよ」
 腹ペコタイガーはお皿の上のカレーを食べてしまっています。
「この通りね」
「じゃあおかわりね」
「うん、お願いするよ」
 こうジュリアにも答えます。
「早速ね」
「ええ、幾らでもあるから」
「幾らでも食べさせてもらうよ」
「一体何杯食べるつもりかしら」
 ここでこう尋ねたのは恵梨香でした。
「貴方は」
「食べられるだけだよ」
 これが腹ペコタイガーの返事でした。
「いつも通りね」
「そうなのね、じゃあ私もね」
「恵梨香も食べるんだね」
「食べられるだけね」
「じゃあこれからどれだけ食べられるか勝負する?」
 こんなことも言った腹ペコタイガーでした。
「お互いにね」
「いえ、それは止めておきましょう」 
 そのお誘いは笑顔で断った恵梨香でした。
「お互いに満足いくまでってことで」
「あっ、そうするんだ」
「だって貴方と私じゃ食べる量が全然違うから」
「そうだね、僕の方がずっと大きいからね」
「止めておきましょう」
「それがいいね」
「それではね」 
 あらためて言う恵梨香でした。
「皆それぞれ満足するまでね」
「最高のカレーを食べようね」
「皆お腹一杯になるまで食べましょう」 
 トロットもこう言います。
「最高のカレーを最高の気持ちの中でね」
「うん、そうしよう」 
 皆トロットのその言葉に笑顔で頷きました、そのうえでそれぞれ最高のカレーを楽しむのでした。楽しい夜の宴でした。


新オズの腹ペコタイガー   完


                         2015・11・12 
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