| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

新オズの腹ペコタイガー

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第十二幕その九

「そこで皆でね」
「バスケットですね」
「勿論ジュリア達も呼んでね」
「そしてですね」
「運動をしてお腹を空かせたらどうかしら」
「バスケットなら」
 ここで、です。ふと。
 恵梨香は四人を見回してです、こう言いました。
「皆も好きだし」
「うん、バスケットならね」
「僕達皆好きだし」
「いいね、走って身体も動かして」
「お腹も空くわね」
「そうよね、それにトロットさんも」
「ええ、私達もよ」
 トロットも笑顔で応えます。
「皆バスケが好きよ」
「それじゃあ」
「すぐに服を着てね」
 バスケットボールの服をです。
「それで体育館でしましょう」
「オズマ姫も来られますか」
「ええ、あの娘も今は午前中でお仕事が終わったから」
 それでというのです。
「時間があるわ」
「それじゃあ」
「楽しく運動をしてね」
 そしてというのです。
「楽しく遊びましょう」
「それじゃあ」
 こうしてでした、恵梨香達も楽しく汗をかいてそうしてお腹を空かせました。それが終わってからはまたお風呂に入ってです。
 すっきりとして晩御飯を待つのでした、その時に。
 恵梨香はお茶を飲んでいる時についつい傍にあったクッキーに手を伸ばしそうになったのを止めてでした。
 そのうえで、です。傍に寝そべっている腹ペコタイガーに言いました。
「危なかったわ」
「うん、食べたらね」
「その分だけね」
「お腹が膨れてね」
「カレーの美味しさが減るわね」
「そうなっていたよ、僕もね」 
 腹ペコタイガーもというのです。
「今は我慢しているんだ」
「お腹を出来るだけ空かして」
「晩御飯に備えているんだ」 
 そのカレーにというのです。
「最高のカレーを最高の状態で食べる為に」
「だからなのよね」
「いや、本当にね」
 それこそというのです。
「今僕は何でも食べたいよ」
「貴方の場合余計によね」
「そうなっているけれど」
  それでもというのです。
「必死に我慢しているんだ」
「何かそれってね」
 そのお話を聞いて言う恵梨香でした。
「相当辛そうね」
「何しろ僕は腹ペコタイガーだからね」
「他の誰よりもお腹が空くから」
「そう、だからね」
 まさにそれが為にというのです。
「今辛くて仕方ないよ」
「拷問みたいかしら」
「実際にそうだよ」
 拷問だというのです、彼にとっては。
「目が回りそうだよ」
「そうよね」
「そう、だからね」
 それでというのです。
「辛いよ、けれどね」
「我慢をしてるのね」
「晩御飯の為にね」
「拷問みたいね」
「これ以上はないまでにね」
 腹ペコタイガーにとってはです。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧