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スクマーン

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第六章

「スラブにイスラムも入ってるね」
「名前も確かに」
「スクマーンっていうと」
「そうだね、名前はね」
 ニコラエはその名前の雰囲気についても答えた。
「イスラム的だね」
「何かブルガリアの文化って」
「色々入ってるのね」
「一体どんなのかしら」
「この服についても知りたいし」
「じゃあね」
 内心来たと思いつつだ、ニコラエは友人達に話した。
「ブルガリアの文化のこと、このスクマーンのことも話していいかな」
「それじゃあ」
「よかったら」
「話させてもらうね」
 ニコラエはにこりと笑って日本の友人達に話した、そのスクマーンのことをさらにそしてブルガリアの風俗習慣それに文化のことを。
 そしてだ、家族に笑顔でだ。次の休暇の時にことの成り行きを話した。そして。
 リビングのテーブルでブルガリアの薔薇の花を入れたヨーグルトを食べつつだ、こう言ったのだった。
「薔薇とヨーグルトだけじゃない」
「我が国はな」
「そのことを知ってもらったのね」
「うん、よかったよ」
 こう両親に言うのだった。
「本当にね」
「私の言った通りになったわね」
 カテリナも言って来た、彼の横から。
「スクマーンの写真を見せて正解だったわね」
「うん、ただね」
「今もっていうのね」
「ジーンズなんだな」
「だって動きやすいから」 
 返事は前と全く同じだった。
「だからね」
「御前のスクマーン姿人気なんだけれど」
「けれどよ」
 人気なのは嬉しいが、というのだ。
「これが一番楽だから」
「今もジーンズなんだな」
「スクマーンの写真は幾らでも見せていいわよ」
 そちらは喜んでと答えたカテリナだった。
 そしてだ、彼女も薔薇の葉が入ったヨーグルトを食べながら言った。
「ブルガリアのことを日本の人達にもっと知ってもらう為にね」
「じゃあこれからも写真を見せていくから」
「是非ね」
 笑って言うカテリナだった、口にした薔薇はかぐわしい香りだけでなく蜜の中に漬けていたので甘さもかなりのものだった。ブルガリアの蜂蜜の味も非常に心地よかった。


スクマーン   完


                          2016・2・28 
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