Blue Rose
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第一話 植物園でその十一
「徹底的に調べるらしいな」
「結核とかやばいからな」
「今も時々あるらしいしな」
「糖尿は流石に俺達の歳だとあまり、にしても」
「なってる奴もいるしな」
「あと癌もらしいな」
龍馬はこの病気の名前も出した。
「中尉してるらしいな」
「若年性の癌か?」
「あれ滅多にないだろ」
「それこそ結核以上に」
「それでもなる人はなるらしいからな」
だからだというのだ。
「検査するらしいな」
「身長体重だけじゃなくてか」
「歯も調べて骨格とか内蔵もか」
「調べるんだな」
「そうみたいだな」
龍馬はまたクラスメイト達に話した。
「本当に全部な」
「若いうちから検査か」
「うちの学校こういうの結構細かいよな」
「校風は自由でもな」
「身体検査とかはな」
「結核とかだとあれだろ」
龍馬がまたクラスメイト達に言う。
「伝染病だからな」
「ああ、感染してるとな」
「皆にいくからな」
「だから結核って怖いんだよな」
「あの病気にしても」
「確かに死ぬ人は減ったにしても」
今でも結核で死ぬ人はいる、戦前までは死病であり今はその恐怖はかなり薄らいだがそれでも死の危険がある病気であることは事実だ。
「怖い病気だよな」
「自分だけじゃないから」
「それでか」
「うちの学校もチェック厳しいんだな」
「そうだろ、結核だけじゃないしな」
怖い病気はというのだ。
「だからだよ」
「それでだな」
「健康診断で細かくチェックするんだな」
「そういうことか」
「そうだろうな、まあとにかくな」
あらためてだ、龍馬は上半身を脱ぎつつ言った。
「診察受けような」
「今日は授業もないしな」
「診察を受けて終わりだしな」
「じゃあゆっくり受けるか」
「そうしようか」
クラスメイト達も頷いてだ、彼等も上半身裸になり。
その上で健康診断を受けた、それは優花も同じでだ。
診察を受けていった、身長体重に視力聴覚、色彩も調べられ。
血液検査にそれにだった、レントゲンも受けて。
そしてだ、そうしたものが全て終わってだった。
彼は他の生徒達と同じく下校した、この時は龍馬も一緒でだ。隣にいる龍馬に対してこうしたことを問うた。
「今日は部活ないんだね」
「ああ、色々検査受けたってことでな」
「そういえばどの部活もだね」
「ああ、本当にな」
それこそとだ、龍馬も応えて言う。
「全部の部活がな」
「今日は休みだね」
「御前のところもだろ」
「うん、美術部もね」
優花は美術部に所属している、そして毎日絵を描き彫刻も掘っている。その出来栄えは繊細で女性的と言われている。
「今日はお休みでね」
「家にすぐ帰るんだな」
「この通りね」
「それで帰ったらどうするんだ?」
「家に帰る前に」
顔の前に女の子の様に手をやる仕草をしてだ、優花は龍馬に答えた。
「お買いものに行かないと」
「ああ、晩御飯のか」
「今日はね」
この日作る料理の話もだ、優花は話した。
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