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レインボークラウン

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第三百七話

               第三百七話  やっているうちに
 亜美は塩を造る錬金術の実験を続けていた、だが失敗ばかりで一向に出来る気配はなかった。だが。
 少しずつだ、亜美の実験を観てセレニティとアルテミスが言った。
「手際がです」
「よくなってきています」
「あくまで少しずつですが」
「それでもです」
 実験のそれがというのだ。
「ですからこのままです」
「実験をしていきましょう」
「そうすればです」
「何時かはです」
「出来るっちゅうねんな」
 亜美はまた実験が失敗したところで二匹に尋ねた。
「うちも」
「そう思います」
「このままいけばです」
「既に五十回失敗していますが」
「まだいけます」
 もう少しでもというのだ。
「百回していればです」
「出来る様になるかと」
「塩が」
「一度でもです」
「五十なあ、そういえば」
 ここでだ、亜美も言った。
「先生も言うてたわ、百回やればな」
「どうした魔法もですね」
「出来る様になるとですね」
「言うてたわ」
 今田先生と今日子先生がというのだ。
「そう思うとまだ五十回やな」
「あと五十回です」
「五十回もすればです」
 そのうちにというのだ。
「出来る様になります」
「きっと」
「そういえば何か」
 微妙な顔で言った亜美だった。
「実験の仕方が慣れてきたかな」
「ではこのままやっていけば」
「そのうちです」
「出来る様になります」
「やっていきましょう」
「そやな、百回であかんでも」
 例えというのだ。
「それ以上やればええな」
「二百回でもですね」
「幾らでも」
 二匹も言う、そして彼等は亜美を応援するのだった。実験をしていく彼女を。


第三百七話   完


                  2016・1・15 
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