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ディアンドル

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第二章

「けれどね」
「どうしてもっていうのね」
「僕はね」
「全く、考えることはあなたのいいところでも」
 それでもというのだ。
「もっとね」
「はっきりとだね」
「決めないと嫌よ」
「そうだね、優柔不断はね」
「いざっていう時に」
「咄嗟に決めないといけない時に」
「走っていて迷わないでしょ」
 ジークフリートが部活で楽しんでいるその競技もというのだ。
「そうでしょ」
「うん、全然ね」
「やれば出来るから」
「僕もだね」
「しっかりね」
「そうするよ」
「そういうことでね、それでね」
 ワルトラウテはここでだ、話題を変えた。今度の話題は。
「もうそろそろ十月で」
「フェスタだね」
「その時にね」
 スパゲティを食べつつだ、ジークフリートに話すのだった。
「服を選んで欲しいけれど」
「フェスタの時に着る」
「その時にどの服がいいか」
「選んで欲しいだね」
「そうなの、何といってもね」
 それこそというのだ。
「フェスタの時は晴れ着を着ないとね」
「やっぱり女の子はね」
「そう、だからね」
 それでというのだった。
「服選んでね」
「それじゃあね」
 こう話してだ、そしてだった。
 この時は二人でピザとスパゲティを食べてだ、その後のデートも楽しんだ。デートはワルトラウテがリードしたものだった。
 ワルトラウテはジークフリートの優柔不断さが歯痒かった、だが。
 友人達にはだ、こう言うのだった。
「性格もいいし」
「ただ迷うだけで」
「他はっていうのね」
「問題ないっていうのね」
「そうなの、最高の彼氏よ」 
 例え優柔不断でもというのだ。
「ジークフリートはね」
「そうなのね」
「いつも言う通り」
「そうだっていうのね」
「ええ、それにその優柔不断もね」
 それもというのだ。
「いざっていう時はね」
「決めてるっていうのね」
「ちゃんと」
「陸上で走ったり跳ぶ時は」
 まさにそうした時はというのだ。
「思いきりいいから」
「そうしてるから」
「だからなのね」
「ジークフリートはいざって時は決める」
「そうした子なのね」
「そうよ、だから今度はね」
 そのフェスタの時はというのだ。
「しっかりとね」
「決めてもらうのね」
「どの服がいいか」
「そのことを」
「絶対にね」
 しっかりとした口調での言葉だった。 
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