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FAIRY TAIL~水の滅竜魔導士~

作者:山神
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ウェンディの元へ

 
前書き
ふと思ったのですが、聖十大魔道の出てこない四人って、実は隣国(ボスコ)の人間なのではないかと思うんです。
だって序列上位四名が『イシュガルの四天王』ですよ?フィオーレは大陸(イシュガル)のうちの一国に過ぎませんし、フィオーレからのみ選んでいるなら『フィオーレの四天王』とかで十分なはずですからね。
たまたまフィオーレに強者が揃っているだけで、実際は近くの国からも選出されており、アルバレスに早々に隣国(ボスコ)が襲われ、そちらの出身者たちが戻って国を守ろうとして、すでにやられてしまったから東部の戦いには姿を見せなかった。そんな気がする。じゃないと出てこない聖十の人達可哀想・・・ 

 
シリルside

「雲竜水!!」
「があああああああ!!」

頭上から、俺の雲竜水を受けたことで地面へゆっくりと落ちていくアトラスフレイム。俺の攻撃が当たるようにとドラゴンの腕を掴んでいたレオンとシェリアは、それを見て素早く後方へと飛ぶように逃げていく。

ドタァンッ

力尽きたかのように地面に伏すアトラスフレイム。倒れ方も俺たち魔導士とは異なりダイナミックで、塗装された道は沈み、倒れた衝撃で周囲の建物が壊れているところがあった。

「やったか!?」
「すごいよシリル!!」

地上に降り、ハイタッチする俺とラウル。そこにレオンとシェリアも駆けてくる。

「すごいねシリル!!今のは完全に決まってたよ!!」
「さすがの一言だね」

シェリアと両手でハイタッチし、レオンとグーを合わせるように喜びを分かち合う俺。完全に勝利したと思っていた俺たちだったが、後ろからすぐに怒りに満ちた声が聞こえてくる。

「よくもやってくれたなぁ!!ガキども!!」
「「「「!!」」」」

倒したのかと思っていたアトラスフレイム。だけど、そんな簡単にやられてくれるはずもなく、翼を大きく広げ、俺たちを見下ろしていた。

「うひゃー。やっぱり防御力はケタが違うなぁ」
「絶対倒したと思ったのに・・・」

棒読みしているような話し方のレオンとまたしても立ち上がったことに驚きを隠しきれないシェリア。かくいう俺も、勝利した気分になっていたから、驚いていることには変わりないけど。

「でも、何も問題ないとも思えるな」

俺は呟くようにそう言う。確かに今ので倒せなかったのは驚いた。だけど、今の魔法はソフィアには返されているわけだし、決め切るには力が足りないと考えてもおかしくない。
それに、こっちは四人で相手は一頭。連携すれば断然こっちが有利だし、レオンと対戦したから言えることだけど、彼に比べれば奴のパワーは恐れるほどのものじゃない。
こちらが有利なのは言うまでもない事実。ただ、それはアトラスフレイムが本気で戦っている場合の話だった。

「人間に本気を出すことになるとは思ってもいなかったが・・・仕方ない。我の全力を喰らうがよい!!」

そう言うアトラスフレイムの体が・・・彼を包んでいる炎が燃え上がる。それは先ほどまでの炎を上回っており、周囲になんとか残っていた建物のうち数棟が溶け始めている。

「っ!!」
「熱!!」
「すごい温度・・・」
「レオン冷やして~!!」

あまりの高温に俺たちは顔を歪める。熱さに耐えられなかったラウルの頭にレオンが手を当てると、体が冷えたのか、ラウルは元の静かな状態に戻っていた。

「みんな注意しろ!!来るぞ!!」

レオンが熱で顔を反らしかけていた俺たちにそう言う。すると、アトラスフレイムは腕を振るい、攻撃を繰り出してくる。

「きゃっ!!」
「うわっ!!」
「ひゃっ!!」

アトラスフレイムの速度が上昇しており、シェリアと俺とラウルは避けきれずに平手打ちを喰らってしまった。

「くっ!!」

レオンは素早く腕に氷を纏わせ受け止めていたが、威力が上がっていることもあり、少々押されているように見える。

「みんな!!大丈夫!?」
「うん・・・」
「なんとか・・・」
「痛かったぁ」

レオンが俺たちに声をかけ、一先ず立ち上がることができた俺たちはそう言う。しかし、速度もパワーも格段に上がった気がするな。

「ラウル!!」
「わかった!!」

シェリアがラウルを呼ぶと、彼が少女を持ち上げ空へと飛び上がる。なるほど、何がしたいのか何となく想像ができたぞ。

「レオン!!」
「了解」

俺がレオンに合図を送り、二人揃って全速力でアトラスフレイムへと突進を試みる。

「天神の北風(ボレアス)!!」
「ぬっ!!」

まずは上空からシェリアが黒い風で攻撃をぶつける。それによりアトラスフレイムの視線がそちらに動いた。

「水竜の・・・」
「氷神・・・」

その隙に俺とレオンが敵の懐へと入り込み、拳に魔力を溜めていく。

「鉄拳!!」
「永久凍土!!」

シェリアに注意が向いていたことで俺たちの攻撃に気付いていなかったアトラスフレイム。俺たちの拳を受けた彼はわずかに浮き上がる。

「天神の舞!!」
「くおっ!!」

浮き上がったアトラスフレイムに追い討ちをかけるようにシェリアが黒い風をぶつける。それも完全に入ったため、敵は地面に叩き付けられる。

「効かんな」
「「「「!?」」」」

そう思っていたのに、アトラスフレイムは地面の寸前で急浮上すると、空へと大きく飛び上がる。

「ブレスかな?」
「それなら俺の氷の凍らせられるよ」

上空にいったということは、広範囲にブレスを放って避けられないようにするのかと思ったけど、確かにレオンの封印の氷地獄(コキュートス)なら簡単に対応できるだろう。
そう考えていたのに、アトラスフレイムは予想外の行動を取ってきた。

「燃え尽きるがよい!!」

俺たちから距離を大きく取ると、こちらに向かって猛スピードで突っ込んできたのだ。

「やべぇ!!」

思わず口からそんな声が出る。そういえばさっきも上空から突進してきたことがあったな。あの時はガード仕切れなかったけど、今回はレオンもいるし大丈―――

「避けろ!!」
「ぎゃっ!!」

てっきり魔法で相手の攻撃を受け止めるのだと思い込んでいた俺は、レオンから蹴りでアトラスフレイムの攻撃の範囲外へと出されて変な声を出してしまう。しかもあいつに蹴られたせいで脇腹痛いし、思いっきり顔から倒れたから顎も痛い。

「痛いじゃんレオン!!」
「いや、シリルが避けないからじゃね?」

怒ってそう言うと、レオンにもっともなことを言われてしまう。確かに避けなかったのは悪かったけど、せめて蹴りじゃなくて抱えて一緒に避けるとか選択肢はなかったわけ?

「うぅ・・・痛い痛い」

運良く擦りむいたりもしてないみたいだからよかった。ガジルさんもそうだったけど、俺の知ってる人ってピンチの時の助け方結構雑だよね?俺に対してだけなのかな?

「レオン!!シリル!!」
「次来るよ!!」
「「!!」」

シェリアとラウルの声が聞こえ、今の状況を思い出す。アトラスフレイムが飛んでいる方向を見ると、敵は空振りに終わった先ほどの攻撃から旋回をしつつ、もう一度体当たりを繰り出してくるみたいだ。

「諦めが悪い奴だな、あいつ」
「そんなこと言ってる場合じゃないから!!」

妙に冷静なレオンに思わず突っ込みを入れてしまう。実際は突っ込みだって入れてる時じゃないんだよ!!少しは焦れよレオン!!
俺が一人で心の中でボヤいていると、アトラスフレイムはこちらへと再度体当たりをするために突っ込んでくる。

「どうすんの?」
「受け止めよう!!」

避けることも考えたけど、それだと相手が何度でも体当たりを仕掛けてくるのは目に見えてる。そうなると大魔闘演武で疲労している俺たちの方が不利になってだろう。向こうは先手先手で技を仕掛けられるから精神的にも優位になるだろうし、数をこなしていれば必ず俺たちは捉えられてしまう。
だから今、早い段階であいつの体当たりを受け止めて流れを変えたい。
レオンもその趣旨を理解してくれたのか、一度小さく頷くと久しぶりに見る造形魔法の体勢に入っている。

水竜の盾(ウォーターシールド)!!」
「アイスメイク・・・(ウォール)!!」

俺が作り出した数枚の水の盾をレオンの氷で凍らせることで強化する。今気付いたけど、レオンは造形魔法も速度が上がってるんだな、おかげで俺との連携もスムーズにできたように思う。
俺たちが盾を作ったにも関わらず、アトラスフレイムはそのまま突進してくる。レオンと合わせ技での盾だから強度も問題ないし、保険として複数枚縦並びに作り出した。これなら絶対防げるはず・・・

なんて、甘いことを考えていた時もありました。

バリンッ

「「・・・え?」」

アトラスフレイムが衝突した氷の壁は、なんとものの見事に俺たちの目の前の氷の壁を、次から次へと破壊していく。

「ちょっ!?」
「二人とも!!避けて!!」

焦る俺にシェリアが上からそう言う。その声で方向とか関係なしに俺は横っ飛びしたが、レオンは反応が遅れたのか、その場に留まっていた。

「「「レオン!!」」」

三人の声が重なる。氷の魔導士であるレオンは炎に弱い。しかも敵は通常の炎の魔導士たちよりも遥かに強いドラゴンだ。彼がやられてしまうと考えてしまうのは無理ないことだと思う。それなのに、

「ほっ!!」

レオンは黒い冷気を纏わせた足をアトラスフレイムに向けると、彼の体当たりを受け止めようとする。

「ふぅん!!」
「おっ!?」

レオンが止めようとしていることに気付いたアトラスフレイムは力をより一層入れて彼を弾き飛ばそうとしている。レオンは足で受け止めようとしているせいで地面には片足しかついていない。いくらあいつでも、あんな体勢じゃ受け止められない!!

ガガガガガガガガ

案の定押されてしまっているレオン。懸命に勢いを殺そうとしているのだが、ドラゴンの力はやはり絶大か。
しかし、十数メートルほど押されたところで、押されていたはずのレオンが止まる。

「何!?」

ニヤリと笑みを浮かべるレオン。彼は受け止める自信があったから、わざと避けないで攻撃を受け止めていたのか。おかげで相手の連続攻撃も止めることができ、俺とシェリアは彼の視界から完全に外れている。

「「チャンス!!」」

俺とシェリアの声が被った。シェリアを抱えているラウルがアトラスフレイムの頭上に回り、俺は横から敵に正体する。

「天神の・・・」
「水竜の・・・」

右腕に黒い風を纏わせ、敵に対して体を半身にするシェリア。一方の俺は、腕を体の前でクロスさせ、敵に向かってジャンプする。

「させるか!!」
封印の氷地獄(コキュートス)!!」

俺たちが攻撃しようとしているを感じ取ったアトラスフレイム。彼がこちらに向きを変えようとした時、レオンが腕を振るう。

「ぬっ!!」

それにより地面がアトラスフレイムの足が黒い氷で覆われ、一切の動きを封じる。アトラスフレイムは懸命に逃れようとしているが、レオンの氷はなかなか壊れることがなく、ただ体力を消耗しているだけのように見える。

北風(ボレアス)!!」
「翼撃!!」

そして身動きが取れないアトラスフレイムを、上からはシェリアの黒い風が、下からは俺の水の翼が襲う。避けることも手を使って俺たちを払うこともできない敵は、ただそれを喰らうことしかできていない。

「やった!!」
「これならさすがに・・・」

一度地上に降りてきたシェリアとラウル。彼女たちは俺に並ぶように降り立つと、ガッツポーズしながら攻撃をモロに受けたドラゴンを見上げる。

「手応えは?」
「もちろん!!」
「完璧だよ!!」
「ラウもそう思うよ!!」

アトラスフレイムから距離を取ろうと、こちらに戻ってきたレオンに対してそう答える俺たち。手応えはバッチリだった。後はどれだけダメージが通じているか。

「効かぬ効かぬ!!我が炎の体はすべての攻撃を焼き消す!!」

俺たちがアトラスフレイムの方を見ると、そこにはまだまだピンピンしている炎の姿が目に入る。

「これでもダメなのか・・・」
「相性はバッチリのはずなのに・・・」

ため息にも似たような声で俺とシェリアがそう言う。相手は炎なんだから、水の滅竜魔導士(ドラゴンスレイヤー)である俺には有利な相手のはずなんだ。おまけに、パワーならドラゴン以上のレオンと総合力が高いシェリアも手伝ってくれている。それにラウルがいるおかげで空中戦もできるし、すべての状況において俺たちの方が有利なはずなんだ。
それなのに、アトラスフレイムにはほとんどキズがついていない。炎に覆われているから姿を確認できないからなのかわからないけど、燃え盛る炎は衰えているようには見えない。

「なぁ・・・思ったんだけどさぁ・・・」
「「「??」」」

なんで攻撃が通じていないのかわからず頭を抱えていると、レオンが何かに気付いたようで俺たちに話しかける。

「俺の予想なんだけどさ・・・」
「何?」
「何かわかったの?」

言いにくそうな表情のレオンに詰め寄るようにシェリアと俺が近づく。すると、彼は俺たちから目を反らしながらアトラスフレイムを指さす。

「あいつの炎でシリルの水が蒸発してるんじゃないかなぁって」
「「「・・・へ?」」」

レオンのそれを聞いて俺たちは思わず変な声を出してしまう。蒸発って・・・

「それはないでしょ?いくら何でも・・・」

さすがにそんな簡単に蒸発するほど俺の水の威力は弱くない。敵の炎がどれだけの高温であっても、蒸発することなんか・・・

「でも、それも考えられるかもね」
「え?」
「全部はダメでも少しくらいなら・・・」

俺の考えを否定するかのようにシェリアとラウルがレオンに賛同している。そんなバカな・・・

「多少は効いてるからそれなりに・・・て感じで、致命傷になってないのはそれが理由じゃないのか?」

言われてみるとそうかもしれない。認めたくはないけど、水属性で有利なはずの俺の攻撃を幾度となく受けてるのに、アトラスフレイムは倒される様子がない。

「でも・・・じゃあどうすればいいの?」

普通の相手ならレオンの力で一撃で倒せる。けど、相手はドラゴン。となると滅竜魔導士(ドラゴンスレイヤー)である俺たちの攻撃が最も効果的なわけで・・・相性的に一番対抗しやすい俺が残ったけど実はそれも意味がなかったとなると・・・なんだろう、どうすればいいのかわからない。

「ねぇねぇレオン」
「ん?」
「あの人、何してるのかな?」

突然レオンの袖を引っ張り上を見上げるように指をさすラウル。彼に続くように俺とシェリアも見上げてみる。そこには、なぜかハッピーに掴まれたナツさんがいた。

「ナツさん!?」
「なんでナツがここに!?」

俺とシェリアがそう言う。ドラゴンは九頭いる。滅竜魔導士(ドラゴンスレイヤー)も同じく九人いる。つまり、一頭につき一人が担当しているわけで、ナツさんもドラゴンと戦っていると思っていたんだけど・・・
なぜ彼がここにいるのかわからずそちらを見上げていると、ハッピーがナツさんをアトラスフレイムに向かって投下する。

「うおりゃあああああ!!」

叫びながらアトラスフレイムの頭に着地したナツさん。彼を落下させたハッピーもゆっくりと地上に向けて降りてきている。

「見つけたぞ!!炎のドラゴン!!」
「なんだ?貴様は」

自分に乗っかっているナツさんに訝しげに話しかけるアトラスフレイム。炎で包まれた体に乗っているのに、ナツさんは楽しそうに笑顔を浮かべている。

「俺はナツ!!今からお前を・・・食う!!」

ナツさんはそう言うと、アトラスフレイムの体に口をつけ、彼の炎を吸い込んでいく・・・って!!

「「「「何やってんのー!?」」」」

一瞬冷静だった自分が怖い。ナツさんが炎を食べるのはいつものことだから何もおかしいとは思ってなかったけど、彼が今食べているのはドラゴンの体。それを食べるなんてあの人何を考えてるんだ?

「我を食う?ほざきよって!!」

アトラスフレイムはナツさんを振り払おうと体を大きく揺らす。だけど必死にしがみついているナツさんはなかなか振り払えない。

「食うったら食う!!うまい炎だなぁ」

なおも食事を続行しているナツさん。アトラスフレイムは建物に突撃したり地面に衝突しながら彼を引き剥がそうとしているが、やはり振り落とすことができていない。

「さすがナツだね。こんなこと誰も思い付かないよ」

こちらにやって来たハッピーがそう言う。さすがだとは思うけど、普通なら絶対こんなことやらない。というか普通の思考ならこんなこと思い付かないよ。

「あれ?ここにナツさんがいるってことは・・・」

もしかしてあの人・・・一頭ドラゴン倒したのか!?一人で!?

「ナツさん!!ドラゴン倒したんですか!?」
「まだだ!!」

疑問に思った俺は質問をぶつけてみる。しかし、返ってきた答えは予想とは違うものだった。

「だったらなんでここにいるの!?」
「あいつを倒すためだ!!」

シェリアが次なる疑問をぶつける。すると、ナツさんは炎を頬張りながらそう答えた。

「だったら俺はどうすればいいんですか!?」

アトラスフレイムをナツさんに食べられると俺が手空きになる。そうなるとナツさんと一緒にドラゴンを倒せばいいのかな?

「城にいってくれシリル!!ウェンディを助けてくれ!!」

俺が一人で悩んでいると、ナツさんが一度食事を中断してそう言う。ウェンディ?

「そっか!!ウェンディも滅竜魔導士(ドラゴンスレイヤー)だからドラゴンと戦ってるんだ!!」
「確かに一人で戦うのは難しいかもしれないね」
「そうか?」

シェリア、ラウル、レオンがそう言う。ウェンディはお城で姫と合流してるって王国軍の人がいってたな。もしまだお姫様が近くにいるとなると守りながら戦わなくちゃいけない。それだとミラさんやルーシィさんがいてもちょっと厳しいか。

「そのドラゴンは任せていいんですか!?」
「ああ!!こいつを食ってパワーアップするんだ!!」

炎を食べることで力を増すことができるナツさん。俺の攻撃がイマイチ効いてない以上、ここは彼に任せた方がいいか。

「わかりました!!後はお願いします!!」

俺たちはナツさんにアトラスフレイムを任せると、すぐに城の方へと向かって走り出す。すると後ろからハッピーも一緒についてきてくれた。

「そうだ」

お城に向かっていると、レオンが何かを思い付いたように手をポンと叩く。、

「ハッピー、ラウル、シリルとシェリアを連れて飛んでくれ」
「え?」
「いいけど・・・レオンは?」

突然ハッピーとラウルに指示を出すレオン。空を飛んだ方が絶対早いけど、エクシードは二人しかいない。必然的に一人余ってしまう。
そう考えていると、レオンが造形魔法の体勢に入り、鷹を作り出す。

「俺はこいつでいく。これなら早くつくよ」
「「なるほど!!」」

レオンの発想力に俺とシェリアが感心する。戦った時も思ったけど、こいつは頭の回転が意外と早い。本当に色々と驚かせてくれるよ。

「じゃあ早くいこ!!ウェンディを助けるために!!」
「うん!!」
「ああ」
「わかった!!」
「OK!!」

シェリアの言葉に賛同し、ハッピーが俺を、ラウルがシェリアを掴んで空へと飛び上がる。待っててウェンディ。今援護にいくからね。







 
 

 
後書き
いかがだったでしょうか?
皆さん予想してた方もいるでしょうが、シリルとウェンディの共闘です。
シリルいろんな人と共闘しすぎですね。大魔闘演武だけでルーシィにエルザにナツにガジル。そしてここでヒロインウェンディ。
誰とでも協力して戦える。彼の一種の才能です。 
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