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新オズの腹ペコタイガー

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第十一幕その六

「ラブ=マグネットもあるから」
「あの人達にしても」
「僕達に何も不愉快なことはしてこないよ」
「本当にまずいことになったらね」
 アンに今言ったのは腹ペコタイガーでした。
「僕が何とかするから」
「虎の貴方が」
「安心して行こうね」
「ええ、皆がそう言ってくれるし」
 それならと言ったアンでした。
「それならね」
「ええ、行きましょう」
 トロットはアンの背中を押す様にして言いました、そしてでした。
 クルマーと別れて皆で道をさらに進んでいきました。その道をどんどん進んでいって時々食事を摂ったりして休んで、です。
 徐々に進んでいきました、その中で。
 恵梨香は朝御飯のパンを食べつつです、腹ペコタイガーに言いました。そのパンは食パンでジャムがたっぷりと塗られています。
「薔薇のジャムもあったわね」
「あっ、そうだね」 
 言われてです、腹ペコタイガーも応えます。
「ジャムも色々でね」
「そう、私は今は苺のジャムを食べてるけれどね」
「薔薇のジャムもあるね」
「あのジャムも今度食べたいわ」
「今日出したらよかったわね」
 ここでこう言ったのはトロットでした。
「薔薇のジャムを」
「いえ、今日は」
「苺のジャムを食べたくて」
「これを出させてもらいました」
 見ればサラダもあります、そしてハムエッグもです。腹ペコタイガーはそのサラダとハムエッグを食パンに挟んだサンドイッチを食べています。
「私ジャムは苺が一番好きなので」
「それでなのね」
「はい」
 その通りだというのです。
「そうさせてもらいました」
「そうなのね、けれどね」
「けれど?」
「薔薇のジャムは確かに美味しいわ」
 こうも言ったトロットでした。
「そしてその薔薇から摂った蜂蜜もね」
「これから私達が行く薔薇の国のですね」
「そう、美味しいから」
 だからというのです。
「楽しみにしていてね」
「カレーに入れてもですね」
「美味しいからね」
「じゃあ本当に楽しみにさせてもらいます」
「蜂蜜と林檎はね」
 アンは牛乳を飲んでいます、朝のデザートの無花果を食べた後で。
「最高の組み合わせなのは確かね」
「そうでしょ、カレーの隠し味としてもね」
「凄くいいわね」
「そしてその蜂蜜の仲でもね」
「あの国の蜂蜜なのね」
「それで行くのよ」
「それで今あの国に行っても」
 またこのことを言うアンでした。
「安心していいのね」
「そうよ、何度も言うけれどね」
「でjはいざ、なのね」
「ええ、行きましょう」
 その薔薇の国にとお話してです、そしてでした。 
 一行は朝食の後で薔薇の国にまた向かうのでした、煉瓦の道はとても歩きやすくて移動には何の問題もありませんでした。
 そして薔薇達が見えてきたところで。
 トトがお鼻をくんくんとさせてです、こう皆に言いました。
「いよいよね」
「ええ、薔薇の香りがよね」
「凄くなってきたよ」 
 恵梨香にこう言うのでした。 
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