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FAIRY TAIL~水の滅竜魔導士~

作者:山神
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怒る天竜

 
前書き
今週のFAIRYTAILの簡易ネタバレ読んで、ウェンディたちピンチ!!今のところの予定では、アルバレスのあるオリキャラ倒すのに天空シスターズの三人の力が必要なのに~!!とか思ってたら、あることを思い出した。
当初の予定でレオンがシリルと戦うときに使う予定だった三つの秘術のうちの一つを応用すれば・・・なんとかなる!!
本当は二人の戦いが長すぎたからお蔵入りしようかと思ったけど、これは使える!!
とか勝手なことを考えてみた。実際どうするかはもう少し考えよう。
というか、そんな先の心配するより今の心配をしなくては・・・ 

 
シリルside

「行くぞぉ!!ドラゴン狩りだぁ!!」

ナツさんのその声で意気消沈気味だった俺たちに活気が戻ってくる。確かにアトラスフレイムに今まで俺たちがやって来た攻撃はほとんど効いていない。だがそれは、少しは効いているとも捉えることができる。そしてそのダメージを与えた時に攻撃していたのは、俺たち滅竜魔導士(ドラゴンスレイヤー)だ。

「よし!!行くか!!」

気合いを入れようとそう叫ぶ。

「エルフ兄ちゃん」
「なんだありゃ」

俺がドラゴンに突っ込もうとした時、リサーナさんとエルフマンさんがナツさんが乗っているドラゴンを見上げている。俺もそちらに注意を向けてみると、そこには卵のようなものが降ってきているのが見てとれる。

「危ねぇ!!」
「きゃっ!!」

俺たちの周囲に大量に落下してきた白い楕円形の卵。グレイさんが近くにいたジュビアさんを守るように抱き締めているのを見て茶化したいところだったけど、今はそれどころじゃないとグッと堪える。

「ねぇエルフ兄ちゃん・・・あの卵って・・・」
「あいつが産み落としたってことはよぉ・・・」

嫌な予感を感じているリサーナさんたちの不安をさらに掻き立てるように、卵たちにヒビが入っていく。そしてその中から、小型のドラゴンたちが姿を現した。

「おいおい・・・マジかよ」
「敵は、九体だけというわけにはいかなくなりましたね」

周囲を完全に囲まれてしまい、焦りを募らせている皆さん。俺たちを囲んである小さなドラゴンたちは、翼とかはなく、7年前に戦ったことのあるリザードマンに近い印象を受ける。

「なんだアレ!?」
「化け物が増えやがった!!」
「ドラゴンだけでもキツイってのに・・・」

ジェットさんとドロイさん、そしてカナさんがそう言う。ナツさんのおかげで士気が上がったのに、ここで下がってしまったら意味がない!!

「水竜の・・・咆哮!!」
「ぐぅ!!」

皆さんの不安を取り除くために、俺がアトラスフレイムに全開のブレスをお見舞いする。さっきまではあまり効いてるような感じはなかったが、気持ちの問題だったのか、今回のはかなりダメージを与えた気がするぞ。

「こいつは俺が倒します!!皆さんはその小型ドラゴンを!!」
「一人じゃ無理だ!!」

俺がドラゴンに一人で挑もうとしていることにロメオが反論する。俺は彼の言葉を否定するように、へその前に手首を合わせた形で両手を持ってくる。

「雲竜水!!」

勢いよく放たれたそれは、敵の顔面を見事に撃ち抜き、一瞬ではあるがアトラスフレイムはふらついていた。

「これでも無理って言えるか?」

ニッと余裕な笑みを見せてやる。ロメオはそれで納得したのか、同じように笑顔で親指を立てた右手をこちらに向けてくれた。

「ナツの声を聞きましたね?ドラゴンを倒せるのは滅竜魔導士(ドラゴンスレイヤー)だけです。ここはシリルに任せます」
「はい!!」

背中越しに初代の声を聞いた俺は彼女に聞こえるように返事をする。

「ガジルとラクサスは他のドラゴンを」
「「オウ!!」」
「他のメンバーは小型の撃破を」
「「「「「オウ!!」」」」」

初代の指示を受け、他の皆さんは一斉に自分たちがやるべき行動へと動き出す。しばらくすると、この場に残されたのは俺とアトラスフレイムの二人だけ。

「小娘。たった一人で挑んでくるとはいい度胸をしている」
「小娘じゃねぇ!!俺は男だ!!」
「何!?」

俺の言葉に今日一番の驚いた声を上げているアトラスフレイム。ドラゴンにまで性別を間違えられるとは・・・なんかムカついてきたな、おい。

「調子に乗ってられるのも今のうちですよ。俺は水の滅竜魔導士(ドラゴンスレイヤー)。あなたの最も苦手とする魔導士ですよ」

間違えられた仕返しと言わんばかりに挑発してやる。それを聞いたアトラスフレイムは怒ったのか、先程よりも声のトーンを下げて話してくる。

「小娘・・・貴様の水程度で我の炎を消せると思うなよ?」

そう言うと、彼の左の前足が少し浮いたのがわかる。わずかにだけど、俺の目があればその一瞬の動きに反応することなど造作もない。

「散れぇ!!」

全体重をかけて俺を踏み潰そうとしているドラゴン。だが、すでに動きが見えていた俺には当然のように交わされ、ただ地面に亀裂を入れただけとなった。

「そのスピードなら、いくらでも対応できる!!」

大魔闘演武でとんでもない奴と戦ったことで、いつの間にか動体視力がより良くなった気がする。俺は素早く敵の真後ろに回り込むと、右足に水を纏わせ、高々とジャンプする。

「水竜の・・・鉤爪!!」

胴体の部分に足が入り、アトラスフレイムの体がしなる。

「くっ!!」

相当効いているようで、痛みに耐えているのが声を聞いてわかる。

「ナツさんの声が、俺たちに勇気をくれたんだ」

強大な敵に立ち向かう勇気。それも確かにある。だけどそれだけじゃない。もっと別に、そして重要なものがある。

「皆さんを守るって勇気を」

今このドラゴンを倒せるのは俺だけ。もしこれに負けたら世界が支配されかねないこの状況。絶対に勝たなければならないこの戦いを制する。それが、今の俺の役割だ!!




















第三者side

「ぐわっはははは!!マザーグレアに乗っかってる奴が何か吠えているようだなぁ」

一方その頃、三つのギルドが共闘しているこの場所では、余裕を振り撒いている岩のドラゴンの前に、皆難しい表情をしていた。

「なるほど・・・滅神魔法だと厳しいが、滅竜魔法なら確かに・・・」

最前線で戦っていたリオンがナツの声を聞いて、レオンの魔法が通用していなかった理由と、ドラゴンを倒す方法の認識を改めていた。

「あぁ。だが、大きな問題もある」

その隣に立つカグラが、抜刀した刀を構えながら先程の話に対してある問題が浮上していることに気付いていた。それは・・・

「僕たちのギルドには、滅竜魔導士(ドラゴンスレイヤー)がいないよ」

今この場にドラゴンを倒せる滅竜魔導士(ドラゴンスレイヤー)が、誰一人いないことである。

「まずいね。対抗する手立てがない」
「なんでいねぇんだよ、クソ」
「お色気作戦なんて効かないわよね?」

ジェニーがスカートの間からチラチラと太ももを見せるが、ドラゴンは全く気にした様子がない。周りの男たちが色目で見ていただけで、全く戦況に影響を与えていなかった。

「どうする?リオンくん。俺がとりあえずなんとかしておこうか?」

まともに対抗できているのはレオンだけ。ただ、彼の使う魔法は滅竜魔法ではないため、多少効果が落ちてしまっているのも事実。

「だが、ここはやはりお前しかいないか・・・」

この場に滅竜魔導士(ドラゴンスレイヤー)がいない以上、、パワーで互角であるレオンを使うしかない。そう考えたリオンが彼に指示を出そうとした。

「待ちたまえ」

だが、その後ろからこの男がそれを遮る。

「一夜?」
「どうしたの?急に」

リオンとレオンが一夜の方を向く。彼の手には何やら一本の瓶が握られていた。

「ここは私の、秘蔵の香り(パルファム)を喰らうがいい!!」

そう言った彼の小瓶から強烈な臭い・・・悪臭が周囲に振り撒かれている。

「ぐっ!?」
「な・・・なんだこれ!?」
「お・・・お鼻が・・・」
「これは・・・一体・・・」

そのあまりの臭いに周囲にいたすべての人間が顔をしかめる。彼の放った香り(パルファム)。それは、皆の度肝を抜いた。

「私の脇の香り(パルファム)♪」
「「「「「なーっ!?」」」」」

決め顔で、ポーズまでかっこよく決めているにも関わらず、どこか自虐的なネタに走っているとも感じられる一夜の魔法(?)その臭いをもろに嗅いでしまった青い天馬(ブルーペガサス)のトライメンズとジェニー、そしてタクトは称賛の声を発しながらも、地面に伏せてしまっていた。

「がははははは!!ドラゴンは皆鼻が良い。だがワシには鼻がない」
「ウソーン!!」

一夜はドラゴンの嗅覚の良さを逆手に取ろうとしていたのだが、それは失敗に終わってしまった。おまけに、自分たちの戦力を低下させてしまうという失策までつけて。

「何百年経とうが愚かな種族よ、人間というものは!!」

岩のドラゴンは足を上げ、倒れている魔導士たちを踏み潰そうとする。

「まずいぞ!!今あれを喰らったら・・・」
「レオン!!受け止めて!!」
「今は無理!!」

ソフィアの懇願をあっさり返すレオン。彼も一夜の香り(パルファム)にやられてしまった一人なのだから。

「君たちは下がりたまえ」

すると、一夜が全員を制するように前に出る。彼はドラゴンの攻撃を一人でなんとかしようとしていた。だが、

ドガァン

「ぐわぁ!!」

彼が次なる一手を繰り出すよりも早く、何かがドラゴンに攻撃を加える。

「聴こえる」
「「「「「!?」」」」」

ドラゴンに次々に撃ち込まれていく毒の拳。その男の声を聞いた魔導士たちのうち、数人が聞き覚えのあるその声に驚いていた。

「あの声・・・」
「あいつは・・・」
「メェーン。我々は知っている。我々は、あの声を知っている」

七年前に連合軍を組んだ際にその男と激闘したメンバーたちはそう言う。その声の正体を知らない他のメンバーたちは、彼らがドラゴンに攻撃を加えている男とどんな関係なのかわからず、呆けてしまっていたが。

「聴こえるぞ。混乱と絶望の悲鳴が!!いい音だ」

囚われていた鬱憤を晴らすことに成功したのか、その男は一度拳に纏わせていた魔力を解く。

「退いてろ、色物」
「色物!?」
「なんと失礼な言葉使い!!」

色物扱いされたことに機嫌を悪くした一夜とニチヤ。だが、彼らの後ろにいるこの魔導士たちは、それどころではない。

「あいつは・・・六魔将軍(オラシオンセイス)のコブラか!?」
「毒の滅竜魔導士(ドラゴンスレイヤー)がなぜここに!?」
「誰?」
「さぁ?」

リオンとジュラがそう言い、後ろにいたソフィアとラウルが初めて見るコブラが誰なのかわからず、指をさして名前の確認をしていた。

「メェーン。しかしどういうことだ?彼は独房の中だったと思うのだが」

数ヵ月前に無限時計の一件で脱獄していた彼は、まだ刑期を終えてはいない。それなのにこの場所にいるのは、一万のドラゴンに対抗すべく、ジェラールが彼の一時釈放を評議院のラハールとドランバルトに申し出たからだった。

「おめぇらは邪魔だ。とっとと失せな」

ドラゴンから降りて地面に降り立つコブラ。彼を見たレオンたちは、視線を交わして意思の疎通を図る。

「ドラゴンは滅竜魔導士(ドラゴンスレイヤー)に任せよう」
「私たちは・・・」

後ろを振り返り刀を振るうカグラ。彼女の刀が通ったその場所には、真っ二つにされている小型のドラゴンがいた。

「こいつらを全滅させるぞ!!」
「「「「「オオッ!!」」」」」

未来のローグの指示でマザーグレアが産み落とした卵。それからは次々と小型が誕生し、街を襲っている。彼らはコブラの登場により、ドラゴンの相手をする必要がなくなったことで、自分たちを取り囲んでいたそいつらの相手をすることにしたのだった。

「!!」

すると、小型と戦おうとしていたこの少年が、何かに気付いてどこか遠くを見つめる。

「レオン?」
「どうしたの?」

その少年の不審な動きが気になったラウルとシェリアが彼に声をかける。

「シェリア、ラウル。ちょっとついてきてくれるか?」
「「??」」

二人はレオンが何をしたいのかわからず、首を傾げていた。だが、すぐに気を取り直して少年を見ると、小さくうなずく。
三人の蛇姫は、レオンが何かを感じ取ったその方角へと走り出した。


























「あーはっはっはっ!!さぁて、どいつから食ってやろうか?どれどれ」

皆が戦っている頃、エクリプスの扉が置いてあるこの場所では、ジルコニスが自身の餌にする人間を決めるべく、キョロキョロと彼らの様子を見ていた。

「若い姉ちゃんもうまそうじゃのぉ。ん?猫もたまには良いな、あっはっはっ!!」

ルーシィやユキノ、シャルルやセシリーを見て大口を開けて笑っているジルコニス。彼は王国兵たちを一瞥すると、誰から食らおうか髭を触りながら頭を悩ませる。

「ジルコニス・・・私たちと話したの、覚えてないの?」
「ん?かわええ嬢ちゃんだのぉ。お前から食ってやろうか?」

ウェンディが一昨日ドラゴンの墓場で話したことを思い出してもらおうと声をかけるが、ジルコニスはそれには何も答えずにそう言う。

「無駄よ、ウェンディ」
「僕たちが話したのは“ジルコニスの亡霊”だもん~!!覚えてるわけないよ~」

彼女の後ろからシャルルとセシリーが声をかける。現在ここにいるのは400年前の世界からやって来たジルコニス。つまり、亡霊となる前の存在であるため、ウェンディたちと話したことなど覚えているわけがないのだ。

「でも・・・」
「ナツの声、聞いたでしょ!!ドラゴンを倒せるのは、滅竜魔導士(ドラゴンスレイヤー)だけ」
「今ここにいる滅竜魔導士(ドラゴンスレイヤー)はウェンディだけなんだよ~!!」
「しっかりしなさい!!」

ドラゴンは九頭。滅竜魔導士(ドラゴンスレイヤー)は九人。つまり、一頭に付き一人の滅竜魔導士(ドラゴンスレイヤー)が相手をしなくてはならない。この場にいるジルコニスを倒すことができるのはウェンディただ一人。だから、シャルルとセシリーが彼女に奮起してもらおうとするが、ウェンディはなかなか踏ん切りがつかない様子。亡霊とはいえ、面識がある相手と戦うのは、勇気がいることなのかもしれない。

「決~めた!!全員纏めて食ってやる!!」

ジルコニスは好物である人間がたくさんいることで楽しくなってきたのか、一度に大量に食らおうと考えた。

「ちょっ!?」
「いけない!!皆さん!!待避してください!!」

ルーシィが焦り、ユキノが王国兵たちにそう言う。大臣はアルカディオスに守られているヒスイのことを守ろうと、彼女とアルカディオスに下がるようにお願い出るが、ヒスイは後退しようとしない。
そうしてる間に、ジルコニスは口から淡い桃色のブレスを吐き出した。

「「「「「!!」」」」」

それにいち早く反応したウェンディたち魔導士は、かがんでそれを回避した。しかし、気付くのが遅れてしまった王国兵たちは、一瞬のうちにそのブレスを浴びてしまっていた。

「「「「「うわああああああ!!」」」」」
「ひどい!!」
「言ってることとやってることが違うではないか!!」

悲鳴を上げる兵隊たち。ハッピーとリリーが言動が一致しないジルコニスに対してそう言う。
ジルコニスの攻撃が終わったからなのか、徐々に光が引いていく。ウェンディたちは心配になり、そちらに視線を向ける。だが、煙が晴れていくのを見た彼女たちは、思わず目を点にする。

「「「「!?」」」」

その光景に目を見開きながらも、じっと見てしまっている女性陣。彼らの視界には、服がすべて消えてしまった王国兵の男たちがいた。

「ひどい!!」
「いかん・・・吐き気が・・・」

ハッピーとリリーがあまりの惨状に顔面蒼白。その近くにいるセシリーとシャルルは唖然とし、顔を赤らめていた。

「人間はうまいが服はまずいのだ。だから消してやったぞ」

ドヤ顔でそう言うジルコニス。全裸にされてしまった男たちは、動揺しすぎており、前を隠すことも忘れてその場でバタバタと駆け回っている。

「こんなひどい光景・・・初めて見るわ」
「そ・・・そうですね・・・」

男たちの裸体に視線が釘付けのミラジェーンとウェンディ。この時、ウェンディは頭の中であることを考えていた。

(これ・・・私たちが浴びてたらどうなってたんだろう・・・)

危機一髪とはまさにこのこと。彼女は頭の中でジルコニスのブレスを受けた自分たちを想像してみる。
今の王国兵たちのような格好にされたことできっとルーシィやミラジェーンのようなスタイルのいい女性たちはガン見されることだろう。だが、自分はどうなるのだろうか。見られたら見られたで恥ずかしいことに変わりないが。もし見向きもされなかったらそれはそれで悲しい。

(それに・・・シリルはどっちを真っ先に見ちゃうのかな?)

彼女の最愛の男性であるシリル。見た目はなんとも言えないが、中身はれっきとした男である彼なら、最初に自分を見てくれるのだろうか。胸に手を当てながら、彼女は不安な気持ちになっていた。

「私・・・頑張って大きくなります・・・」
「どうしてこの流れでその言葉が出てくるのかしら?」

涙ながらに宣言するウェンディ。なぜこの状況を見てそのような言葉が出てきたのか理解できないルーシィたちは、彼女を泣き止ましながら額に変な汗を浮かべていた。

「退却だぁ!!」
「裸じゃ戦えねぇ!!」
「つーか恥ずかしい!!」

大急ぎで撤退していく王国兵。ジルコニスは彼らを追いかけるのかと思いきや、何かを考えているようで空を見上げている。

「よく考えたら男はまずいんだよなぁ」

彼はそう言うと、胸を隠しているルーシィを見る。

「女だ!!我は女を食おう!!」
「ひぃぃぃ!!」

指をさされたことで標的にされたことに気づいたルーシィは、顔を青くさせる。

「姫は食えんぞ!!男だからな!!」
「いやでも姫って!!」

アルカディオスによって守られていたヒスイは服を消されずに済んだようだ。彼はヒスイを食物の対象とされないように嘘をついていたが、格好と呼び方でジルコニスにバレているのは言うまでもない。

「今の、魔法ですか?」

ようやく立ち直ったウェンディがジルコニスに先程の攻撃について質問する。

「そうだ。ドラゴンは皆、魔法を使える」
「何なのよ!!服を消す魔法って!!」

ウェンディの言葉を肯定するジルコニスに突っ込みを入れるルーシィ。すると、ジルコニスはルーシィをじっと見つめ、ブレスを発射する。

「きゃああああああ!!」
「すっぽんぽん!!」
「!!」

ジルコニスの魔法によって服をかき消されたルーシィ。彼女はトマトのように真っ赤になり、見えてはいけない箇所を必死に隠していた。そんな彼女に釘付けになっていたアルカディオスの目を、ヒスイが叩くように塞く。

「我も魔法を使う。そう、人間の尊厳を奪う類いのな」

ニッと口角を上げ、不敵な笑みを浮かべるジルコニス。そんな彼を見た藍髪の少女の怒りはついに・・・頂点に達した。

「私の使う魔法は、あなたを倒す魔法です!!」

小さな天竜が巨大な竜へと挑む。さぁ、ドラゴン狩りの開始だ。















 
 

 
後書き
いかがだったでしょうか。
珍しくタイトルを原作とは違くしてみた今回。
ドラゴンとの戦いはやりたいことあるからちょっとバトルを展開させてやってみたいと思います。
シリルvs.レオンみたいな不完全燃焼の結末にならないようにしなくては・・・ 
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