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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第六十二話 お祭りの日その三

「うん、大阪に比べてずっと寒いんだ」
「だからミトンもなのね」
「着けた方がいいのね」
「寒さに弱いとね」
 否定出来なかった、このことは本当に。
「着けた方がいいよ、とにかく冷えるから」
「ええ、じゃあ冬になったらね」
「そのミトンも着けるわね」
「この夏はダオ達には涼しくて快適だけれど」
「その分冬が怖いしね」
「まあ神戸もね」
 美沙さんもまた言った。
「実際寒いって聞くからね」
「北海道の寒さは」
 今度は秋田生まれの詩織さんが言った。
「相当なのよね」
「そう、北海道が一番北だからね」
「日本で」
「東北よりも寒いわね」
「絶対にね」
「そうよね。ただ雪が違ってて」
 詩織さんは東北の雪のことを話した、夏祭りの日で雪の話をするということがどうにも不思議な気持ちになった。
「東北の雪はぼた雪なのよね」
「大きくて湿気が多い」
「そうなのよ」
「北海道の雪は粉雪で」
「それでよね」
「さらさらしてるのよ」
 美沙さんも雪の話に乗る、どうも二人共雪には一家言あるらしい。
「それで雪玉作ってもね」
「さらさらしてて」
「手袋も中々濡れないのよ」
「そうよね、ぼた雪だとね」
 東北でよく降るその雪はというと。
「すぐに濡れるのよ」
「水気が多いから」
「そうなのよ」
「どうしてもそうなるわね」
「こっちの雪はね」
 美沙さんは北海道の雪について詩織さんにさらに話した。
「本当にさらさらなのよね」
「その雪で雪祭りをするのよね」
「そうよ、毎年ね」
 そうだというのだ。54
「してるわ」
「自衛隊の人の協力で」
「そうなの、というかね」
「というかって?」
「自衛隊の人がいないと」
 あの人達の力がないと、というのだ。
「出来ないお祭りよ」
「何か知事さんによっては」
「自衛隊が嫌いだとね」 
 その時の北海道の知事さんがだ。
「自衛隊の協力断ったりして」
「出来なくなるの」
「大変なことになるのよ」
 開催が難しくなるというのだ。
「そうなるのよ」
「自衛隊の人がいないと」
「こうしたことも無理が出るのよ」
「そうなのね」
「そうだ、自衛隊の人達は大事だ」
 ここでこう言ったのは井上さんだった。
「不要だと言う輩こそおかしい
「というかそういう人まだいますよね」
「知り合い、年上の人でこうした人がいる」
 井上さんが美沙さんと詩織さんに話すその人はというと。
「自衛隊は災害救助は他の組織でも出来るから不要と言ってだ」
「無理ですよ」 
 美沙さんはその人を一言で否定した。 
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