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新オズの腹ペコタイガー

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第十幕その二

「だから少し緊張しているわ」
「そうですか」
「ええ、けれど楽しみでもあるの」
「久しぶりに行くからですね」
「そうなの、じゃあまずはね」
「はい、ウーガブーの国に行って」
「薔薇の国に行くわよ。私達の旅が一番長いものになるわ」
 その距離から言うのでした。
「その間何があるかわからないけれど」
「それでもですね」
「気をつけながらも楽しくね」
「行くことですね」
「そうしていきましょう」
 これがトロットの言葉でした、そして。
 皆は楽しい冒険の旅をはじめてそのうえで歩き続けるのでした。
 そのまま歩いてです、お昼にです。
 皆で草腹に出てそこで御飯を食べていますと。
 煉瓦の道を通ってでした、何とトトが来ました。恵梨香はそのトトを見て目を丸くしてそのうえで言ったのでした。
「あれっ、どうしてここに?」
「うん、実はドロシーとお話をしてね」
 トトは恵梨香の前に来て言いました。
「冒険に出たすぐその時に」
「それでなの」
「そう、トロット達の冒険は長いものになるから」
 だからというのです。
「一緒に行くメンバーは多い方がいいってなってね」
「貴方が来たのね」
「いつもはドロシーと一緒でね」
 実際に今回も最初はその予定でした。
「旅をしているけれど」
「今回はなのね」
「そうしようってなってね」
 それでというのです。
「トロット達の後を追いかけてきたんだ」
「そうだったのね」
「そういうことで宜しくね」
「ここに来られたのは」
 モジャボロは御飯のパンを食べつつ言います。
「煉瓦の僕達の匂いを嗅いでだね」
「そうしながら追い掛けてきたんだ」
「流石は犬だね」
「うん、犬のお鼻だとね」
 このことは誇らしげに言うトトでした。
「もう何でも嗅げて嗅ぎ分けられるから」
「ここまで来られたね」
「こうしてね」
「今聞いたことだけれど」
 それでもと言うモジャボロでした。
「リーダーのトロットはどう思うかな」
「そうね、トトは嘘を言わないし」
 このことから言うトロットでした。
「ドロシーが決めたことなら」
「それならだね」
「私はそれでいいわ」
 異論はないというのです。
「それでね」
「それじゃあね」
「トト、お願いするわ」
 トロットはにこりと笑ってトトに言いました。
「一緒に行きましょう」
「それじゃあね」
「トトも一緒だとね」
 腹ペコタイガーは山の様なシェラスコのお肉をどんどん食べながら言います。
「頼りになるね」
「僕のお鼻がだね」
「そうなの、だからね」
 それでと言うのでした。
「一緒に行こうね」
「それじゃあね」
「じゃあ貴方もね」
 トロットはあらためてトトに声をかけました。
「一緒にお昼を食べましょう」
「うん、実はここに来るまで何も食べてなくて」
 それでと答えたトトでした。 
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