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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第六十一話 神仏はその八

「だからなんだ」
「ないのね」
「どうしてもね」
「そうなのね、じゃあね」
「納得してくれたかな」
「ええ、これでね。じゃあ焼きそば楽しみにしてるわ」
 実はラブポーンさんの好物の一つだ、ソース焼きそばでそこに鰹節や糊、紅生姜をたっぷりと入れたものがだ。
「それをね」
「焼きそばは絶対にあるよ」
「夜店には」
「もう定番の一つだから」
 僕は自信を以て答えた。
「ない筈がないよ」
「そこまでの定番なのね」
「たこ焼き、お好み焼きもね」
 僕はこちらも挙げた。
「絶対にあるから」
「お好み焼きは大阪ね」
「関西だからね」
 この神戸がだ。
「それもだよ」
「ならいいわ」
「納得してくれたかな」
「充分にね。ただお好み焼きは最近」
「どうしたの?」
「私広島の方もよくなってきたわ」
「ああ、広島焼きも」
 関西ではこう呼ぶ。どうもお好み焼きについてはお互いに譲れないものがある、小夜子さんはこっちのお好み焼きを大阪焼きと呼んでいる。
「あれもいいね」
「味自体はね」
「ただね」
「お好み焼きと呼ぶにはなのね」
「やっぱり引けないよ」 
 ラブポーンさんにもこう言った。
「どうしても」
「お好み焼きは二つあるのね」
「大阪と広島で」
「そこはそれぞれってことね」
「うん、そうなんだ」
「じゃあもんじゃは」
 ラブポーンさんはこちらも出してきた。
「どうなの?」
「ああ、あれね」
「何かどうでもいい感じね」
「実際もんじゃはね」
 関西ではだ、勿論僕自身もだ。
「食べないからね」
「もんじゃのお店もないわね」
「ないよ、というか見たことないよ」
 それこそ関西では一軒もだ。
「全部お好み焼きだよ」
「この町の商店街でもそうよね」
「この町は商店街二つあるけれどね」
 どちらも八条グループの所謂城下町でだ、いつも賑わっている。
「どっちにもないね」
「あるのはお好み焼き屋さんね」
「それはあっても」 
 あとたこ焼き屋さんだ、あるのは。そこでは明石焼きも売っている。
「もんじゃはね」
「メニューにも置いてないわね」
「ないね、学生食堂にはあっても」
「関東の人用ね」
「うん、関東から来てる人もいるから」
 日本中どころか全世界から生徒も教職員の人も集まる学校だからだ、もんじゃ焼き以外にも色々と置いてある。
「そっちにはあるけれど」
「商店街のお店にはないわね」
「うん、だからね」
「食べようと思っても」
「ないよ、勿論夜店にもね」
 その屋台にもだ。 
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