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新オズの腹ペコタイガー

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第七幕その五

「ですから」
「あの娘が一番冷静なのね」
「僕達五人の中では」
「そうなのね」
「慌てて失敗して」
 神宝は自分のことをお話するのでした。
「大変なことになったことがあります」
「そうなのね、言われてみればね」
 それこそとも言ったベッツイでした。
「私もそうね」
「そうなんですか、ベッツイさんも」
「焦ってね」
 それでというのです。
「大変なことになったことがあったわ」
「そうですか」
「そうなの、だから私も焦らない様にするわ」
 失敗して大変なことにならない様にというのです。
「さもないとまた同じことをするから」
「何度失敗することもあるけれど」
 それでもと言った船長さんでした。
「そこから反省することが大事だよ」
「反省しないとね」
「同じことをさらに繰り返して」
 そしてというのです。
「皆に迷惑をかけるよ」
「自分だけで済まないで」
「それはよくないよ」
 皆に迷惑をかけてはとです、船長さんは強く言いました。
「絶対にね」
「そうよね」
「愚かな人は焦った失敗を何度しても反省しないでね」
「皆に迷惑をかけるのね」
「そうなったら最悪だね」
「そうね、確かに」
 ベッツイは麻婆豆腐を食べながら船長さんの言葉に頷きました。
「周りもね」
「そうした人にならない為にも」
「忘れないことね」
「焦っての失敗もね」
「そういうことね」
「うん、だから落ち着いていこう」
 絶対にと言うのでした。
「ここはね」
「それじゃあね、後はね」
「これを食べて」
「それからだね」
「オオエさんのお家に行きましょう」
「場所はわかっているわよ」
 ビリーナは大豆を食べつつ神宝に言います。
「だから安心してね」
「うん、わかったよ」
「オオエさんのところに行けばね」
 ビリーナもこう言うのでした。
「それでお野菜が手に入るから」
「そしてそのお野菜を持ってだね」
「都に戻るのよ」
「ううん、何か今回の冒険は」
 神宝はビリーナの話を聞いて考えるお顔になって言いました。
「普通っていうか」
「平和っていうのね」
「そうかな」
「まあお野菜を貰って帰るだけだから」
 ベッツイも言います。
「いつもみたいに大冒険ではないわね」
「そうですよね」
「オズの国の冒険はいつも大冒険だけれど」
「今回はその前にカレーのお話があって」
「それで材料を集めるだけだから」
「穏やかですね」
「そうよね」
 ベッツイは炒飯を食べつつ神宝の言葉ににこりとして応えました。
「本当に」
「何か意外っていいますか」
「オズの国で冒険をして大冒険にならないことが」
「それが。本当に」
「そうかもね、けれどね」
「こうしたこともあるんですね」
「オズの国もいつも大冒険にはならないわ」
 冒険をしてもです。 
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