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リリなのinボクらの太陽サーガ

作者:海底
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エピソード2・グラウンドゼロズ

 
前書き
エピソード2開始です。原作キャラにキツい展開が多いうえ、サブタイトルからそういう事なのでエピソード1とは芸風が異なりますが、よろしくお願いします。

なお、エピソード2は1のキャラ視点ではなく三人称視点です。1と違うという意味も込めていますが、一人称視点とは異なる表現に挑んでみたいので、ご了承願います。 

 
新暦67年4月30日、第78無人世界ニブルヘイム……管理局はその極寒の地で謎の魔力反応を探知した。よって調査、および確認のため、アースラ所属の部隊が派遣される事となった。

今思えば……疑うべきだった。

だが今更後悔しても取り返しがつかない……今の高町なのはは、そう思う事すらできなかった。


・・・・・・・・・・・・・・・・


10時25分、アースラは第78無人世界に到着し、すぐさま調査部隊を派遣した。武装隊の局員が何度か雪に足を取られて進行が遅れながらも、彼女達は魔力反応が探知された遺跡へ地道に進み続ける。

「ふぅ……雪の上ってこんなに歩きづらいなんて知らなかったよ。ねぇ、ヴィータちゃん、魔力反応があった場所まであとどれくらいかかるの?」

「ちょっと待ってろ、なのは。……ん~今の進行速度から単純に計算すると大体20分ぐらいだな」

「そんなにかかるの? 飛行魔法で飛んでいけば、すぐ着くと思うんだけど」

「気持ちはわかるが、仲間を置いて行ったら駄目だろ。我慢していくしかねぇよ」

「そうだよね。こういう任務の時は本当に、バリアジャケットに防寒機能があって良かったと実感するよ」

「まあな。さて、もうひと踏ん張りだ! さっさと任務を終わらせて帰って、あったかい食い物にでもありつこうぜ!」

ヴィータの言葉に同じ隊に配属された武装局員らが賛同の声を上げる。バリアジャケットがあるとはいえ、冷えた体を温めたいという気持ちは誰だって同じだったのだ。

エターナルエースこと高町なのはと八神ヴィータを含んで編成された部隊は総勢12人と一般的な部隊より多めだが、本局の中でも選りすぐりの実力者が揃っており、例え野生の竜種と遭遇しても返り討ちにできるほどの戦力であった。なぜこれほどの戦力がまとまっているのかという理由の背景には管理局上層部の私情や都合などがあるのだが、それについては置いておく。

段々億劫としてくる気持ちに何とか気合いを入れながら、彼女達はようやく件の遺跡に到着する。遺跡といっても、かつて存在していたヴェルザンディ遺跡程の規模ではなく、せいぜい離れた数か所に小部屋が残るだけで外観などはとうに風化している、ごく小規模なものであった。そして彼女達がここに来た目的である謎の魔力反応は、遺跡の一番奥に残っていた小部屋から出ていた。

「あ、見つけた!」

なのはが見つけ出したそれは、小さな赤い結晶(レリック)であった。たどり着くのは大変だったが、目的の捜索は楽に終わった事で彼女達はほっと一安心する。これまでの雪道でかなり体力を消耗したため、早く帰りたいという気の緩みが起きたのだ。

それが命取りとなると知らずに……。

「クロノ君、謎の魔力反応の正体はこのロストロギアだったよ」

『そうか、ご苦労だった。君達のおかげで危険も無いとわかったから、このままアースラをそっちまで寄越す。着いたら帰投してくれ』

「了解!」

『あと、なのは。この任務が終わったら休暇を取ってくれ、いい加減休まないと身体を壊すぞ』

「心配してくれてありがとう。でも私は全然大丈夫だよ!」

『大丈夫なものか。君がそこまで言うなら、艦長命令として休暇を出す事もやぶさかではないからな』

「そこまでしなくても、私ならこの通り元気だってば!」

「いや、クロノの言う通りにしてくれよ。何度も言ってるけどあたしもマジで心配なんだ、せめて一日だけでもいいから何もしないで休んでくれって」

「ヴィータちゃんまで……もう皆、心配性なんだから」

『心配になるのは、なのはが頑張り過ぎだからだ。全く君という奴は……ん? エイミィ、どうした?』

『気象レーダーで前方に積乱雲を確認、かなり強い吹雪が来るよ。あの規模じゃ通信も乱れて通じなくなるし、このままアースラを進めるのは危険だと私は判断するけど……どうする?』

『そうか……やむを得ない。アースラは近くの山脈に移動、吹雪をやり過ごす。……すまないがそういう訳だから、しばらくそこで待機していてくれ。積乱雲が通り過ぎたらすぐ迎えに行く』

「わかった。いっそかまくらでも作ろうかな?」

『こらこら。吹雪をやり過ごすだけなら、遺跡の小部屋で十分だろう……』

呆れ声のクロノになのはは苦笑し、アースラとの通信を切る。そして部隊の仲間に今の通信内容を連絡、吹雪に備えて各小部屋にそれぞれ2人ずつ分散させた。なのはもヴィータと二人で小部屋に入り、外の様子を伺いながら休憩する。しばらくすると瞬く間に外は気温が下がって風も強くなり、吹雪で景色が真っ白になっていった。

「すごく吹雪いてるなぁ……今外に出たらあっという間に埋もれてしまいそう」

「視界不良なんてレベルじゃねぇな、こりゃ。あのままアースラを動かしてたら、気付いた瞬間山とか地面に突っ込んでてもおかしくねぇ」

「そうなったら目も当てられないや、クロノ君とエイミィさんの判断は正しかったんだね。……ところでちょっと気になったんだけど、今寝たら危険なの? ほら、遭難して一夜を過ごしたりする話で寝たらダメという展開がよくあるけど、今の状況でもそれって適用されるのかなぁって」

「あれは体温低下による凍死とかの事を言ってる訳だから、それなりに暖かいこの状況なら大丈夫なんじゃねぇの? 目的は果たしたとはいえ任務中に寝るのはアレだけど……なのはなら少し休んでても文句は言わないし、言わせもしねぇよ」

「いやいや!? 今のは単なる疑問だから別に寝ないってば! そ、それよりヴィータちゃん、さっきから妙に鳥肌が立つんだけど……」

「単に寒いからじゃね?」

「寒い事は確かに寒いんだけど、そうじゃない……。何と言うか……そう、落ち着かないというのかな? 今回の任務、体力は使ったけど簡単に終わってるから変な感じがするんだ」

「変な感じ? あ~言われてみればそうかもしれねぇけど……気のせいなんじゃないか? 大体楽に終わるのはむしろ良い事じゃん。ここんとこ忙しかったしさ」

「そう……かな? ……うん、ヴィータちゃんが言うならそうだろうね」

とりあえずヴィータの意見に納得したなのはは腰を下ろして一息つく。だが……後にヴィータは語る。あの時のなのはの言葉をもっと真剣に受け止めていれば、と。

吹雪が過ぎるのを待っていると、次第にうとうとしかけてきた……その時、唐突にレイジングハートからCALL音が響く。なのはは自覚していないが、日頃の疲れもあって反応が鈍い頭を何とか覚醒させて通信に出ると、それは同じ部隊の仲間からのSOSだった。

『聞こえるか皆!? 敵のしゅうげ―――――ぐぁああああ!!』

『くそっ! 敵の姿が見えない! 一体どこに―――――がはぁッ!!』

『何なんだ、一体何なんだ!! う、うわぁああああ!!!』

『グハッ! こ……こんなのと、どうやって……戦えと……!?』

『や、やめろ……やめろ……やめてくれ! ぎゃあああああ!!!』

「どうしたの!? 返事をして、皆!!」

「なんかよくわからねぇが、とにかくやべぇ! 生き残ってる奴らと一度合流するぞ!」

「わ、わかった!」

まだ外は吹雪で覆われているため視界はかなり悪いが、それでも逃げ場のない小部屋の中にいるよりはマシだとヴィータは判断した。そのためなのはとヴィータは警戒しながら、急いで吹雪が過ぎた後の合流地点と決めていた遺跡の中心地……地面の所々が少し窪んだ広場へ移動する。だがそこに、彼女達以外の部隊の生存者はいなかった。

「クソッ! 奇襲なんてふざけた真似をしやがって! 一体どこの馬鹿野郎がやりやがった!?」

「まさか……この任務そのものが罠!?」

「可能性は高い! だけど今は襲撃してきた奴を見つけねぇと……!」

その時、彼女達は吹雪の中に謎の人影を見つける、しかも複数。部隊の仲間なら十中八九走って来るはずだが、その人影はまるで幽鬼的な足取りで向かって来ていた。吹雪の中をわざわざ歩いて来ているのもそうだが、様子だけでも明らかに普通じゃない。一瞬だけ顔が見えたなのはは、見えた事でイメージした言葉を吐く。

「髑髏……?」

だがそんな事はお構いなしにヴィータはその連中に問いかける。

「おい! テメェらが襲撃犯か! 答えろ!!」

彼女の問答に対する返答はすぐに来た。だがそれは言葉ではなく……行動で示された。人影がなのは達の姿を認識した瞬間、彼らは緑色に目を光らせて何らかの粒子を防護服のように纏い、更にマシンガンやマチェットまで形成する。そしてすぐさま……ナニカを投げてきた。グレネードか何かだと思ったなのはは咄嗟にヴィータごと守れるようにプロテクションを上に展開し、そのナニカの落下を防いだが……。

ビチャッ。

「え……血? ま、まさか……!」

直後、上から降ってきた血が湿った音を立ててバリアジャケットに付着し、恐ろしい想像が浮かんだなのはは恐る恐るプロテクションの向こう……ナニカの正体を視認し、絶叫した。

「ヒッ!? いやぁああああああ!!!!!!」

生首だった。

それも同じ部隊の仲間の。

さっきまで共に行動し、他愛ない話も交わしていた人達の……首、腕、足、内臓、筋肉、皮膚……それらが刃物でバラバラに分断された死体だった。衝撃的な光景になのはは凄まじいショックを受け、ヴィータも抑えがたい怒りを抱く。だがそれを行った連中は、彼女達の精神が立て直されるまで待つような真似はしなかった。

目にも止まらぬ俊敏な動きでなのは達を包囲してきた髑髏は、マシンガンを彼女達に一斉連射する。今のなのはは精神的ダメージで動けないと思い、ヴィータは咄嗟に左腕で彼女を抱えて上空へ退避、銃弾の雨から一旦逃げようとした。だが人間業とは思えない素早い跳躍で先回りした髑髏が、彼女達の上空からマチェットを振り下ろす。

「野郎ッ!」

騎士の勘とも言える素早さでヴィータはグラーフアイゼンを握る右手を動かし、マチェットを防御、裂傷を負う事だけは避けた。しかしそのせいで動きが止まってしまい、吹雪に隠れながら他の髑髏が一斉に銃撃、もしくはマチェットで斬りかかってきた。防御魔法、騎士甲冑、それらの防御力をとにかく駆使して必死に耐え続けるヴィータだが、上にも下にも行けず、更になのはを抱えている事もあって片腕しかまともに振るえない事から、身体に徐々に傷が蓄積されていった。

「ヴィ、ヴィータちゃん……!」

「戦えねぇなら黙ってろ、なのは! 舌噛むぞ!!」

「……大丈夫、もう戦える! 戦えるから、私を放して!」

「ぐ……本当なんだな!? 嘘ついてんなら後でとっちめてやるからな!!」

「嘘じゃないってば! だから早く!」

髑髏の攻撃を対処し続けているため、なのはの顔を見る余裕が無かったヴィータだが、声の様子から恐らく大丈夫だと判断して彼女を解放する。直後、ヴィータの正面から再び髑髏が接近、マチェットが迫る。だが……、

「鉄槌の騎士をなめるんじゃねぇ!!」

激昂したヴィータはデバイスの柄でマチェットの軌道をそらし、一気に踏み込んでがら空きになった胴へ、これまでのお返しと言わんばかりにハンマーの一撃をぶち込んだ。かなり大きい反撃をもらった髑髏は、勢いのまま雪が覆う地面に叩きつけられる。すぐに態勢を立て直されて舌打ちをするヴィータだが、髑髏の身体を覆う防護服の一部は見えにくい所で少しはがれていた。

かなりダメージは蓄積してしまったものの、両腕が使えるようになったことでヴィータは本来の力が解放され、時折反撃の一撃を入れられるようになっていた。それに触発されてなのはも、遠距離からマシンガンを放ってくる髑髏に対しアクセルシューターを発射していく。吹雪に紛れているのと素早い動きのせいで命中率はそれほど高い物ではなかったが、外れても牽制になるため、相手の銃撃にも乱れが生じる。そしてマチェットで襲撃してきた髑髏にはプロテクションで防いだ直後、障壁を爆破させるバリアバーストで反撃していた。

「チクショウ! 何発か良いの当ててんのに、こいつら何ともねぇように襲ってきやがる! これじゃキリがねぇ!」

「……この感覚……もしかしてこいつらの中には!?」

「後ろだ! なのは!!」

一瞬考え込んで動きを止めてしまったなのはの後ろを見て、ヴィータが叫ぶ。しかしこの瞬間、なのはは動くことができなかった。疲労による思考及び反応速度の低下、吹雪の中の戦闘による認識不足、そして先程の精神的ショックの影響……それらが重なり合った事で彼女に致命的な隙を作らせてしまう。その結果、彼女の背後からマチェットを振りかぶる髑髏が迫り……、

ジャギンッ!!

鈍い音が発生。ヴィータが血の気が引いた表情で叫ぶ中、なのははようやく認識する。

自分の胸にマチェットが刺さっている事を。

「あ……! ……ぐふっ……!」

「な、なのはぁあああああ!!!」

大量出血で全身の力が抜け、落下していく彼女を追いかけるヴィータ。しかし別の髑髏が彼女の進行の邪魔をする。そのやり方に激怒したヴィータは力づくでも彼女の下へ駆けつけようとカートリッジをロード、ラケーテンハンマーを発動する。

「邪魔すんじゃねぇえええええ!!!!」

彼女は独楽のように回転しながら強行突破を図り、衝撃で髑髏を弾き飛ばしていく。そして雪原に落ちて大きな血だまりを作るなのはの下へ駆け付け、彼女の身体を抱えて必死の形相で呼びかける。

「おい、冗談だろなのは!? オメーはこんな所でくたばる奴じゃないだろ!? なぁ! オイ!!」

「う……あ……」

「チクショウ! アタシのせいだ……アタシが目を離したせいで! ……そ、そうだ、後悔してる場合じゃねぇ。早くアースラに通信を繋げねぇと!」

髑髏が態勢を立て直すまでの間に、ヴィータは急いでアースラのブリッジへ緊急通信を送る。吹雪のせいで映像が乱れるが、どうにか繋ぐ事に成功した。

『こちらアースラ、艦長クロノ。ヴィータ、そっちで何があった!?』

「襲撃だ! 部隊の仲間は全滅、なのはも腹部に致命傷を負った! 早く応援を寄越してくれ!!」

『何!? わかった、すぐに救援のヘリを送る! だが吹雪のせいでヘリを出せる人間も限られる、すまないがあまり多くの応援は送れそうにない。それより敵の正体はわかるか!?』

「正体はわからねぇが少なくとも魔導師じゃない、だけどかなり強ぇ。異常に素早くて滅茶苦茶頑丈なんだ! アタシらの魔法を何度も喰らってるのに平気な面してやがる!」

『強敵だな……わかった、今アースラにいる最も優秀な部下も送る。何とか切り抜けてくれ!』

「出来るだけ急げよ! この怪我じゃ手遅れになっちまうかもしれねぇ!!」

通信を切ったヴィータは襲撃を再開した髑髏を相手に、なのはを背に守りながら一人で立ち向かう。敵が次から次へと波状攻撃してくる中、唇を噛み締めてでもヴィータは耐え続ける。後ろで瀕死になっている仲間を、主の親友であり自分の戦友でもあるなのはを生かすために、彼女は不屈の意思で守り続けた。

度重なるダメージでグラーフアイゼンを握る力も無くなっていき、視界もおぼろげになっていく。もう立っている事すら厳しくなり、次にマチェットの攻撃が来たら防げない、そう自覚した直後……空から希望が訪れる。

「チッ、おせーんだよ……オメーら……!」

アースラから送られてきた応援が間に合ったのだ。任務中アースラに待機していた武装遊撃隊の仲間が、上空から一斉に髑髏へ攻撃を仕掛けていく。といってもヘリ一機分の仲間だが、吹雪の中やって来てくれただけでも、ヴィータは千の味方を得たみたいに頼もしい気持ちを抱いた。そしてその中にいる一人の女性局員……管理世界出身だが、実はなのはやはやてと同時に管理局に入った彼女が来た事も、その気持ちに拍車をかけていた。

「ムーブ!」

「酷い……! ヴィータさん、怪我の治療を……」

「待て。アタシより先に、なのはを頼む……!」

「……わかりました。なのはさんをアースラの治療室まで搬送するので、ヴィータさんもヘリに乗ってください! 肩をお貸しします!」

「すまねぇ、助かる!」

「皆さん、カバーお願いします!」

彼女とヴィータが衰弱しているなのはを抱えてヘリまで運び、遊撃隊に援護されながらヘリはすぐに飛び立った。ヘリ内で彼女はなのはの応急処置を行うべく、つたないながらも回復魔法を使用する。

「麻酔は間に合いません、無しでやらせて頂きます!」

「ぐ……あ……!」

そのまま治療と同時に冷えた体温を少しでも温めるため、防寒着を上から被せる。ヘリに乗っている間、ヴィータは息の荒いなのはの手を取って必死に祈っていた。

『こちら遊撃隊、敵の撤退を確認! 艦長、追撃しますか?』

『いや、深追いはするな。すまないが吹雪が過ぎた後、陸路でアースラまで戻って来てくれ』

『遊撃隊、了解。……なのはさんは無事ですか?』

『かなり厳しいらしいが、応急処置は行っている。アースラに到着次第、集中治療を行うから吉報を待っててくれ』

『了解!』

応援に来た遊撃隊とクロノの通信を聞いて、ヴィータ達は一応の危機は去ったと思った。……思ってしまった。故に気付けなかった……隠れ潜んでいた敵、伏兵の存在に。

ピーッ! ピピーッ! ピピピピーッ!!

「アラート音!? おい、何が!?」

「スティンガーミサイルです! 回避間に合いません!!!」

「………ッ!!」

直撃……爆発。

機関部が破壊され、炎に包まれるヘリはローターに引っ張られるように回転しながら、山脈の中腹に向かって落下していく。そのまま為すすべなく墜落、地面に叩き付けられて部品を撒き散らしながら転がっていき……岩に衝突して爆炎が立ち上る。

その後、ヘリから帰投の連絡が来ない事に違和感を感じたクロノだが、艦長という立場と吹雪のせいでどうする事も出来なかった。やがて吹雪が晴れて遊撃隊が帰還する途中に、ようやく墜落したヘリが発見される。

髑髏との戦いの場を離れてから、約3時間後の発覚であった……。
 
 

 
後書き
ニブルヘイム:極寒の地と悲劇の場所なら、この名前が適切かと思いました。
レリック:stsまでの間に一つぐらい回収しててもおかしくないと思いました。
髑髏:MGSVTPPより。設定もいくつか加わって強化されているのに、一人であれだけ戦えたヴィータさん、マジ強いです。
なのは撃墜:何気にヘリごと撃墜になってます。ちなみに”原作キャラ死亡”のタグが無い理由はストーリーに関わるので明言しませんが、”ファントム”、”閉ざされた牢獄”でそれなりに意味が通じるはずです。

エピソード2のストーリーは結構ダークに行きます。 
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