ロザリオとバンパイア〜Another story〜
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第46話 御剣カイトと陽海学園
前書き
~一言~
本当に超ゆっくりですみません……。アットノベルス様の方でも読んでくださっていた皆様本当に感謝感激です。お気づきかもしれませんが、この小説を書いていた当時は、本当にかき方判ってなくて、書いた事も、読んだ事もなくて、地の文? ナニソレ 状態でした。
改めて 読み直してみると、ほんとに色々と恥ずかしかったりしたので、ちょっと改善しながら、投稿をしていきたいと思います。(これ以前の話しも、時間があれば少しずつ直す予定です)
これからも、頑張ります。
じーくw
――……ここは、どこ、なんだろう。
――オレは、……いったい何をしてるんだろう。
彼は、まるで空中に浮いているような浮遊感に捕らわれながら。そんな事を考えていた。
「そう、だ……、確か…… オレは1度死んだんだ。……似てる。その時の、感覚と……それで、確か、二次元の世界に飛ばされて………』
彼は、そこからの記憶がハッキリしなかった。
どう、表現すれば良いだろうか……。そう、まるで… 心を黒く塗りつぶされた、いや、ポッカリ穴が開いているような感覚に襲われていた。開いた穴を埋める事がどうしても出来ない。朧げには視えるモノはあるが、それでも細部が判らない。
「ぜんぶ、……夢だったのか、な? ……思い出せない……、 思い出せない…… 何か、大切なことがあった様な、気がするのに……』
判らない事が多かった。だけど、その中で、判る気持ちはあった。
それは、《護りたい》 と言う強い気持ちだった。心の底に、顕在していた。
「護り、たい……? いったい誰を?」
だが、その根幹が、どうしても 判らなかった。
そんな、自問自答している男をその遥か上から見ている者がいた。
この空間において、上下の概念は無いに等しいのだが、一先ず 上からである、と表現をしておこう。
(う~ん……。 そう、だよね。記憶、消しても 本人の想いまでは消えないんだった……。この分じゃ すぐに思い出してしまうかも……)
彼を見ている者は、彼の記憶を消し、そして この世界へ男を誘った張本人。
《女神・シェリア》だった。
(……あのコとの約束を、こんな簡単に破るわけにはいかないから。……よしっ!)
シェリアは何かを思いついたのか、男に向かって飛んでいった。
そして数秒後。
「やっほー!」
彼の背後から突然声が聞こえた。
突然の事に、驚いて振り向いてみると。
「あっ! 貴女は……確か俺が死んだときに会った……」
彼は、目の前に現れた女性の姿を見て、少し思い出す事が出来た。初めて会った衝撃はそう簡単に忘れられる筈もない。
「そういえばオレ、……確か 死んだあとに、貴女に 別世界に転生してもらって、そこから確か……」
女性の顔を見ながら、懸命に記憶の綻び。深層域を調べようとしたのだが。目の前のシェリアにそれを阻まれた。
「いやーごーめんねっっ!? 実わ! 私の手違いで、君が希望してた《ロザバン》の世界に送れなくて……、 そ、その 別次元に送っちゃってたんだよ……。 だから 君、ず~~っと、亜空間を彷徨ってたんだよ!!(嘘)」
なんか、とても ぎこちない笑顔で説明を受けた。ものすごく無理矢理感があるのだが、それが嘘である事を見抜ける訳もない。その証拠もない。
「……へ? ああ、そうなんですか。 でも…今まで何かあったような… 思い出せない夢を見ていたような……」
シェリアから、説明を受けても違和感を取り除けなかった。……その様子を見ていたシェリアは再び慌てて話し始める。
「ま、まあ! 私の手違いだったんだから深く考えないでよ! それよりさ、今度は間違いなく送ったげるよ! 何度も何度も、やり直しして、間違いなく送れる様に出来たから! さっ、準備は良い?」
最終的に、彼女に勢いで話を折られたような気がしたが、一先ずはよしとした彼は。
「……まぁ、 いっか。じゃあさ、前にも言ったけど あの世界の三大冥王と……』
希望を以前のままに伝えようとしたのだけれど、再び無理矢理遮られる。
「ああ~ ごめんそれ!! そこの時代には送れないんだ! 以前 アナタに言われてその時代に飛ばしたんだけど… さっき言ったとおり手違いで亜空間に送っちゃって…その間にその時代の話終わっちゃたんだ! 送ろうと思えば遅れないことも無いけど……、 かなり時間が掛かっちゃうよ? 時間軸は動いちゃっていたみたいだから(苦しいけど…何とか言えたかな??)」
何とか今までの事を忘れた上で、あの世界に帰って欲しいと思っているシェリアは即興の作り話を作った。
「あ…そーなんですか… 女神様でも結構できない事ってあるんですね……」
彼は、少し残念そうにため息を吐いた。その反応を見て、ぴくりと眉を動かすのはシェリア。
「(……ちょっと、腹立つけど まぁ、我慢我慢……)そーなんだよ~ ごめんね!経験不足でさ。時間的に送れるのはそうだね… 一番手っ取り早いのは… やっぱりシーズンⅠからかな?Ⅱに行きたいって言ってたけど、早くて正確に送るのならそれがベストだよ!」
(ん…冥王と顔なじみになるのが結構楽しみだったんだけどね… まあしょうがないか… その、変な空間に行くくらいなら。)
いくつか考えを張り巡らせていた時、シェリアの眼が、きらんっ! と光った気がした。
「そうそう! 変な空間にこちらとしても行ってほしくないんだよ! なんせ後処理、とっても大変なんだしっ!」
そう、この女神は、人の考えを思考を読んでしまうのだ。何を考えても筒抜けになってしまうから、隠し事はまるで無意味。
「はいはい…分かりました。じゃあ Ⅰでお願いしますよ!」
だからこそ、彼はツッコミを入れず 早々に決めた。
「おっけー! んじゃ! いーってらっしゃーーーい!!」
シェリアが、人差し指と親指を使って、ぱちんっ! と弾いたと同時に、空間が歪んだ。
「っっ!?(なんだっ!!空に吸い込まれる!!…あれこんなの前にもあったよーな…)」
と、何処か、別の記憶が蘇りそうになったが、直ぐに考えられなかった。
『って、ううわあああああぁぁーーーーーーーーーーーーーーーー』
勢いよく吸い込まれてしまうから、考える事など出来ず、ただただ大絶叫を上げていたのだった。
残されたシェリアは、ひと仕事を終えて、ほっと一息をついていた。
「ふぅ……、 まぁ とりあえずこれでいっか。後は 彼が楽しくあの世界で暮らせれれば。色々と大変だと思うけど。……でも、ここまでして、これででも 彼の記憶が戻っちゃったら……ま、仕方ないって事、でだね。 ……とりあえず、約束、ちゃんと護ったからね。アカーシャさん? これで正しかったのかどうかは判らないけどさ」
そう言いながら、シェリアは 姿を消した。
~????????~
空がぱっくりと開いたかと思えば、そこから何かが現れた。
突然現れたそれは、勢いよく、地面に激突する。
「いててて……… ん? ここは……」
衝撃と僅かな痛みに苛まれていた時、また、違和感に気づいた。
「(んんん!? やっぱり、この感覚……前にも何回かあったような気がする……。 ああもう! やっぱり わからん!)」
心に、靄が出来ているようでかなり不満だった。
いろいろ 考え事をしていた。見た感じ、ここは住宅街だ。こんな所に突然放り出されて、
『もし通行人に遭遇して、騒ぎになったらどうするんだ!』 と女神さんにクレームを入れたかったが、一先ず考えるのを止めた。
目の前に、誰かが横切ったから。
「ケケケ……、 今年は……生徒が増えそうだなぁ…… 人間の主よ…、感謝するよ……、 アーメン…」
感じる間でもない。
その訳の判らない独り事で十分だ。妖しい、そして 何処か怖い感じの男。身なりから、神父であるか? と思えるがこんな怖い神父はいて欲しくない。そして、これみよがしに、彼は、目の前を横切りなにやら落し物をしていた。
「……あれ、これって…」
その落し物は、陽海学園への入学に関するチラシだった。入学の手続きの仕方、そして その資格。別に身分証明などは必要なく、入学金なども要らない。普通であれば、有り得ない学校だが こちら側からすれば、高都合この上無い。
全くの文無しだから。
「……おお。やっぱりそうだった。 ……でも、冷静に見るとすごいな。 これ、こんな簡単に入学できるなんて。正直怪しさ以前の問題なんだけど……』
そう、遠い記憶を探る。
前世にて、好んで読んでいた御楽の1つである漫画。その主人公はこの入学案内から 陽海学園へと入学するのだ。……確か、親が無理矢理だったと思うけれど、それでも すごいと思えていた。
彼は、とりあえず、入学案内を見て、直ぐにでも入学を決めた。
一先ず、自分の着ている物も、ご都合主義、とでも言うのだろうか、制服姿だから 問題は無さそうだ。
「よし、なら早速 指定された場所を目指そうか……」
新しい世界の第一歩を、ゆっくりと踏みしめて、彼は進んでいくのだった。
~陽海学園行きバス~
それは翌日の事。
町の外は、桜の木が咲き乱れており、まさに入学シーズンだ。バスから見える景色はそれはそれは気持ちいいものだと思える。だが、まるで興味がない、と言わんばかりに、窓の外をぼーっと眺めている少年がいた。
「何もかも人並み… でも まさか高校受験に全部落っこちるなんてなぁ……」
自分の不甲斐なさを憂いている様だった。
そして、その後ろにも実は人影があった。座席をめいいっぱい倒して、睡眠を取っていたから、少年は気づいていなかったのだ。
「ふ……ぁ……(んん… あ~寝てた……ん?)っ!?」
寝ていた彼は、ゆっくりと目を開ける。
そこには、1人だけ席に座る人がいた。今まで何度かバス停に停る事はあったが、誰ひとりとして乗る者はいなかった。いつ、乗るのか、と期待していたのだが、あまりに1人で、退屈だったから、。眠ってしまったのだ。
そして、目の前には、彼がいる。
「(月、音……だよな? あれ……)っよしっ!!」
目的の人物に会えた事に喜んだ彼は、長く待っていた時の退屈など、一瞬で吹き飛び、素早く座席を前に前にと移動をして、ぼーっとしている彼の席のすぐ後ろにまで移動すると、その肩を叩いた。。
「やあっ!」
「う、うわっ!! びっくりした!!」
いきなり、肩を叩かれ、声が聞えた為、座っていた少年、月音は驚き振り返った。そこには笑顔で月音を見ている者がいた。
「君も陽海学園に入学するのか? このバス、乗る人いなくて退屈してたんだよ」
「ああ、はい。そうですが?」
「やっぱりそっか。実は俺もなんだ。今日から同級生だな? よろしく頼むよ」
「……うん。こちらこそ宜しく!(何か感じのいい人でよかった……、誰も知らないし、結構不安だったし……) あっ、俺は青野月音です。よろしく」
「ああ、うん。宜しく。オレも自己紹介しないとな。オレの名前は《御剣カイト》って言うんだ。ヨロシク』
互いに自己紹介をした後、色々と世間話に花を咲かせた。
全てが普通で、高校受験も普通に受かるものだと思っていたんだけど、ちゃっかりと落ちてしまった事など。
カイトの方は、以前の頃の記憶を頼りに、中学時代の話をして月音の話しと合わせ、中々盛り上がりを見せていた。
そんな時だ。
「……あんた達…、 話を聞く限り陽海学園に入学する生徒さんだね?」
この座席は、最前列だ。故にバスの運転手にも話しが聞こえていたのだろう。だから、話しかけてきた。
「あ はい」
「ん。そうだよ」
間違いではない為、2人は普通に返事をすると……、何故だか、運転手はニヤリと笑いだしたのだ。
「ヒヒヒ……、 だったら覚悟しておく事だ…… ヒヒヒ この長~いトンネルを抜けるとすぐ学校だ」
何故だか、判らない。 その運転手の背景におどろおどろしい、雰囲気が、オーラが見えた気がした。不穏な気配を具現化したのだ。驚かない方がおかしい。
「……はああっっ!!」
それを本能的に察したのだろう。月音は盛大に驚きの声を上げて。
「いや、ちょっと落ち着こうよ。と言うより、煩い」
突然、隣で大声を上げられたら、いい迷惑だ。
気持ちは判るし、面白いんだけど……、そこは ご愛嬌。
「ヒヒヒ…陽海学園は恐ろしい学校だぞ~~~!!」
「ええええええ!」
「へぇ~……それは楽しみだ」
月音の驚く声。心底楽しそうに、頬を緩め、良い笑顔を見せるカイト。
そう奇々怪々な学園生活が今始まったのだった。
長いトンネルを抜け、バスの運転手の言うとおり、すぐに目的地へと到着した。
そこは、もう殆ど別世界といっても過言じゃない。空や海、大地と大体の自然は揃っているのだが、殆どが自然のもの、人間の世界で言う自然のものじゃない。
明らかに空の色がおかしい。
そして、不気味なジャックオーランタンのバス停の前に停車した。
「ヒヒ……着いたぞ 少年達… では、気をつけてな…」
「ああ、送ってくれて どうもありがとう。それも無料で」
カイトだけは、運転手に礼を言った。何せ、バス代も無料なのだから、非常にありがたい。身分を証明できなければ、働く様な事も出来ないし、一からそれを全て揃えようとしたら、どれだけ大変なのかが判らないからだ。
それに、この世界ででは、自分は、存在しない筈だから。
月音は、降りた事は降りたんだけど、放心状態になっていた。
「(そりゃそうか…… こんなおどろおどろしい場所じゃ。オレにとっては、見慣れた光景だけど。……それもおかしいかな? 漫画だし……)
月音の反応をカイトは楽しそうに見ていた。逐一反応が大きく、ツッコミ易いから。
「…ちょっといいかな? 少年…」
そんな時だ。
閉まったバスのドアが再び開いたかと思えば、運転手が話しかけてきた。
「ん? オレ? 何かな』
バスの扉が閉じた時点で、もう帰っていくのだと思っていたから、また開いて、更に話しかけてきたのがとても意外だった。
「……いや 君の雰囲気が私の知る友人に似ててね… 君。《ジャック》って言う男を知らないかな? 彼は、赤みの掛かった茶髪に真紅の瞳の男なんだが…… う~ん……、顔立ちは、君に似ている気がするよ……」
運転手は、表情は見えにくいものの、雰囲気は真剣そのものだった。
カイトは少し考える。この世界には昨日来たばかりだから、何も関係ないのが普通だ。だけど、何か引っかかった気がしたから。
だけど、直ぐに返事を返した。
「ジャック…? ん……、すみませんが、 知りませんよ』
「そうかい…悪かったな、引き止めて… ヒヒヒ…じゃあ頑張ってくれ…」
「いや、其れくらい 別にいいですよ。無料に比べたら全然。……では、また』
バスを見送った後、もう一度、先程の名前を考えた。
やはり、何処か引っかかるのだ。
《ジャック》と言う名前に……。
そんな時だ。突如、頭に鈍い痛みが走った。
「(…っ!何だ…)」
その痛みは、すぐに治まったが、違和感が頭の隅に残った。
「…ジャック?」
その名前は、別に聞いた事ないことは無い。割とメジャーな名前だと認識をしているからだ。それに、外国の映画の主役ではこの名前の人物が多かったし、ゲーム等のキャラクターの名前にも使われていた筈だから。
「(なんだろう…… この感じ…、は)」
暫く考えていたのだが……、答えは何も出なかった。
「(……とりあえず 月音のとこに戻るか)
カイトは、もう考えるのをやめると、月音の方へと歩き出した。
「(あれ? 月音誰かといるな…)」
色々と運転手と話したり、考え事していたから、月音のことを見てなかった。
何やらあったらしく、倒れているので近くまでいってみると、傍に誰かがいることに気づく。
桃色長くの鮮やかな髪。引き締まった身体に大きめの胸。非常に整った顔立ち。美少女と言っても誰ひとりとして否定しないであろう女の子。
間違いない。月音以上に間違える筈がない人物。
「(……萌香、だ。おおっ! そういえばここが初めて会う場所だったっけ? 月音とモカが…)」
色々と考えて、そして今の状況を整理。
月音は、倒れた萌香の太ももに、手を宛てがっていた。
何ともまぁ、羨まし…っとと、オホンッ とても セクハラな展開だった。
「へぇ~…… 月音もいきなりでやるな。 初対面の美人にいきなりそんな事をするなんてな。プレイボーイってヤツか? 捕まったりするなよ?」
カイトは、ニヤニヤしながら 2人に近付いていった。
「い いや、これは事故で…」
カイトの言葉で、月音は、自分がしたことを思い出したのか、小さな声で『太もも触っちゃった~』っと言いながら、鼻血を出した。まさか、鼻血を出すシーンなんて、ギャグ以外で見た事無かったから、少し驚くのはカイトだ。
「(やれやれ メチャ純情っていうのかな? これで鼻血出すやつ初めてみた)」
月音のリアクションを見ながら楽しんでいると、
モカはいきなり正体を暴露しながら、月音の血を吸っていたのだ。本当に驚きの連続である。
「うぎゃあああ 血ぃーーー吸われたーーーー!! ってバンパイアーーー-- あの十字架とかにんにくが嫌いな!??」
血を首元から、勢いよく出しているのに、ちゃんと話しが出来ている所が非常にすごい。人間とは思えない程に。危ない感じはしないので、気にしなかった。
「月音。もーちょい落ち着いて話せ。こんな美人相手に落ち着けんのはわかるが いくらなんでもやかましい」
カイトは、後半は、半分呆れ顔、半分にやけ顔でそう言った。
「でもーーー 血吸われたんだよ!!」
月音は、先程のことで、パニックになっていた様だ。真面目に驚いている、と言う事だろう。
「はいっ! ごちそうさまです! あぁ……あなたの血ってすご~~くおいしいんですね! すごい…っ」
「はははは…」
モカは、本当に美味しかったのだろう。両頬を手で挟み込むと悶えていた。
「あっ! あなたも新入生ですか? はじめまして! 私は赤夜萌香って言います! こうみえてもバンパイアなんです。あなたは月音の友達ですか?」
萌香は、また正体を暴露していた。確か校則があったと思えるが、今は自己紹介が先だと判断して、カイトも返事を返した。
「あ! こちらこそ よろしく! 俺の名前は御剣カイトっていいます。後、月音とは この学園に来るバスの中で初めてあったからね。まあこれから友達に……って感じかな? 君と同じで」
「そうですか。私も1人で不安だったんです…… こんなわたしでよかったら友達になってください!」
「ああ、いいとも。と言うより、こんな美人相手に、光栄だな。こっちこそよろしく。 ……で、そろそろ落ち着いた? 月音』
挨拶を済ませると、月音の方に向いた。
萌香は、面向かって美人、と言われたので少し赤くなっているが、すぐに月音の方を向いたカイトを見て、社交辞令的なものだと、判断して 落ち着けた様だ。
「あ ああ うん…大丈夫大丈夫…こっちこそあらためてよろしくね。モカさん、カイト………(バンパイアっていったい…でもって なんで怪斗はナチュラルに会話できてるのかな?)」
月音は、正直な所、不安でいっぱいだったが、とりあえず陽海学園へと向かった。
そして、それは、その驚愕は。ほんの序章に過ぎない事を、月音はこの後、知ることになるのだった。
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