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機動戦士ガンダム0091宇宙の念

作者:むらたく
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宇宙編
邂逅編
  第21話 専用機2

 
前書き
AMX-107FF バウ改フーバー専用機

バウをグワンバンの整備班が独自に改修した機体。同艦で解体中だったハンマハンマ(メアリー機)のサイコミュを下半身に移植し、バックパック部にガトリングを装備したワンオフ機。分離時のナッターの操縦が正確になるだけでなく、合体時にサイコミュを起動することで反応速度が劇的に向上する。 

 
「見つからないんですか?」
「ああ、落としたらしい」
母親の形見の懐中時計。
どうやらあのコロニーの騒動のときに落としたらしい。
「まぁ、仕方ない。物資搬入の時間は?」
「もうすぐ……あ!来ました!」
モニターに映し出された小さな点。次第に拡大されて、やがて連邦軍の宇宙戦艦の形を映し出す。
コロンブス級補給戦艦。
一年戦争から運用されている旧式艦だ。
「俺のデルタガンダムのパーツもあそこか…」
不意に背後から声を聞き、振り返る。
「フラン!もう大丈夫なのか?」
「ああ、心配かけちまったな。もう大丈夫!完全復活だぜ!」
いつものノリで、フランは返す。
「やはり、少尉とルシオンさんは一緒じゃなければ!」
「ん?ルシオンさん?おいルシオン、ナナちゃんと俺がいない間にどういう関係に⁉︎」
「ん⁉︎な、なんでもねーよ⁉︎」
こんな平和が、いつまでも続けばいいと思っていた。
しかし、此処は戦場。殺し合いの宇宙というコロシアムの中では、彼らに安らぎはない。戦士は血を血で洗い流すしかない…

レーモ7宙域ー
「よし、ミノフスキー粒子が薄いから、聞こえてるな」
グワンバンからの通信。
「はい、大丈夫です」
「じゃあまず、サイコミュレバーの前のスイッチで安全装置を解除、デブリから離れて開けた場所で分離開始だ」
「了解」
機体を加速させて、宇宙の障害物、デブリの間を縫うように進む。
すると、宙域を抜け、虚無を少しの星の光が照らす宇宙に飛び出した。
「オールクリアー。フェイズ移行、分離開始!」
ゆっくりと機体が二つに分かれ、それぞれが平べったいフォルムの戦闘機に変形した。
「よし!サイコミュオン!」
「サイコミュオン!」
レバーを引いた瞬間、微量の頭痛が頭を横切った。
「切り替え完了しました」
「次からが本題だ。バウ・ナッターを動かすイメージを浮かべるんだ。何気なく、当たり前のように」
何気なく、当たり前のように。
頭にそう念じると、緑の物体が自機の周りを旋回し始めた。
「ナッターがアタッカーの周りを旋回している…これはデータ入力されていない動きだ!フーバー!サイコミュは正常に作動している!」
「ということは…」
「お前はニュータイプだ!」
俺がニュータイプ。
フーバーはその時、快感に近い喜びを感じていた。
まるで自分が宇宙と一体化したかのような、開放感と頭の冴え。
「すごい…思い通りに動かせる!」
興奮する感情を抑えつつ、機体をグワンバンに向ける。
「アイラが言っていたのは、こういう気分のことだったのか…」
フーバーのニュータイプ能力は、徐々に覚醒してきていた。
同刻、フィンドラ級戦艦内にて。
「少佐、作戦実行の全ての準備が完了しました。」
綺麗なすらりとした顔立ち。彼女の声は、複雑な感情を殺し、目的に向かいひたすらに冷徹な自分と感謝の念に溢れたもう一人の自分を引きずりだした。
「そうか、ありがとう、ジゼル。ここまで来ることができたのも、君のおかげだ」
「いえ、私は貴方に仕えることが自分の使命と心得ています。何よりの至福です」
表情一つ変えずに彼女は言ったが、これは本音だ。長年付き合ってきた俺ならわかる。
「君は微妙にマゾヒストな所があるからな。戦いでそれはよせよ」
「…はい」
「では、行ってくる。もうドーベン・ウルフの出撃準備は完了してるだろう?」
「ええ、行ってらっしゃいませ、少佐」
愛機のコックピットに乗り込み、一人呟く。
「あの言い方はあんまり…だな」
「グレイブ少佐、発進どうぞ」
オペレーターの声により、カタパルトが動き出す。
「ドーベン・ウルフ、行くぞ」
宇宙に獄狼が放たれ、激闘の幕が今上がった。
 
 

 
後書き
邂逅編は以上です。次回から月決戦編に入ります。ちなみにあまり出番のなかったメイソン少佐のことも思い出してあげてくださいねw←お前が言うな。
次回に続きます! 
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