| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

天才小学生と真選組の方々。

作者:沖田
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

宴会のお誘い

 
前書き
話によって文字数が違います。今回は多めです。 

 
「おーい、恋奈ぁー」
沖田の気の抜けた声。見回りの時間だ。
「はぁーい!今行くー!」
お気に入りの赤色の傘を持ち、沖田のところへと走る。
「ごめんごめん!遅れちゃったー!」
「遅れたって言っても大遅刻でさぁ。俺の後に真選組に入ってきたくせに、生意気な事しないでくだせぃ。」
「るっさいわねー。ちょっと遅れただけじゃない。一応同い年だし、幼馴染なのよ?それに私がマイペースで自由人だって事ぐらい分かってるでしょ?ちょっとは見逃しなさいよー」
「いや、でも恋奈は一応俺のs「早く行けコルァァァァァァァァ!」あ、マヨ方がお怒りになった。早く行くぞ、恋奈」
「ほーい」
と、お怒りになったマヨ方を一人置きっぱなしにし、私と総悟は急いで屯所を出た。
でも、私と総悟のコンビ。当然、真面目に見回りするわけもなく…
「あ。ねえ総悟。あそこの団子、美味しそう。おごれ。」
「は?なんで俺がお前におごらなくちゃいけないんでさぁ。」
「別にいいじゃーん。総悟と私の仲なんだしー」
「嫌でさぁ。」
「…チッ。ケチくさい奴め。」
「うっせぇ」
まあ、これもいつもの光景。だけど、今日総悟がおごってくれないのはなんか変。
ま、いいや。
その時はそう思っていた。でも、これをきっかけに、「普通」が「異常」に変わっていくことになった。

「恋奈ぁー!!!!!!!!!!!!!」
と、遠くからかわいい声。神楽ちゃんだ。
「神楽ちゃーん!会いたかったよー!」
と、二人で抱き合う。傘がぶつかりあうけど、そんなことより神楽ちゃん!
神楽ちゃんも夜兎族。だけど私と違ってすっごいかわいい。性格は…。良いとは言えない…けど!
「恋奈ー、会いたかったネ!」
「うん、私もー!昨日もあったけどねー!」
神楽ちゃんがクリクリした目でこっちを見てくる。あーもうっ、たまらん!
「神楽ちゃーん!」
向こうから走ってくるのは神楽ちゃんと一つ屋根の下で暮らしている、志村新八くん。しっかり者なんだけど…ドルオタでちょっとうるせぇのが玉にキズ。
「神楽ちゃん、急に走り出したらダメじゃん!どこに行ったのかと…」
「ダメガネは意味ない心配しなくていいネ。もっとダメになるヨロシ。」
「何その『嘘ついたら閻魔様に舌抜かれるよ』的な教訓。」突っ込む新八くん。今日もキレキレ。
新八くんが「あ」と私たちに気がついた。
「沖田さん、如月さん、おはようございます!」
「おはよー」
総悟は黙って頭を下げる。そして私に「おい、行きまさぁ」と声をかけて、勝手に一人で歩き出す。
「もう、総悟ったら勝手なんだから。…んじゃ、またね、神楽ちゃん、新八くん!」
二人に別れを告げて、慌てて総悟の後を追う。
少し歩いて、私は総悟に話しかける。
「んね、総悟?」
「ん?」
「万事屋寄ってかない?」
「チャイナ娘にはさっきあったのに、いく必要ないでさぁ。」
「違う違う!」私は首を横にぶんぶん振る。「旦那よ、旦那!あの人、神楽ちゃんにまたお使い頼んで、自分は何やってんだか。だから、お説教しに行くのよ!」
「お説教ねぇ…別の目的だったりはしませんかぃ?」
「え?別の目的って、例えば?」
「銀さんに会いたくて会いたくてたまらない、とか?」
後ろから別の声が聞こえた。
そこにいたのは、坂田銀時、その人だった。
「だ、旦那!」
私は驚いて声を上げる。総悟はまんざらでもなさそう。
「ど、どうして旦那がここに?」
「ん?声が聞こえたから。」
「って、そんなんでいちいち外に出てくるような男じゃないだろ、お前は!」
と私は突っ込む。
「えー?なんとなくだよなんとなく。」
「嘘だぁ!旦那はそんなんで動く男じゃないですって!だって旦那m「殺すぞ」はい、すみませんでしたすみませんでしたすみませんでした」
すぐに謝罪する私。土下座までしようかと思ったけど、それはさすがにやりすぎだし、やめておいた。
何かをじっと考えこむ総悟。おもむろに口を開いた。
「もしかして、恋奈さんに会いたくて、来たとか?」
「「え」」
私と旦那の声が重なる。旦那の方を見ると顔が真っ赤。
私はジトーっとした目で旦那を見る。
「旦那…まさか……ロリコンですか?」
「ち、違う違う!本当にたまたまだって!本当!」
私と総悟は相変わらずシトーっとした目で旦那を見る。
「旦那がそんな人だったなんて…ねぇ、総悟?」
「本当でさぁ。次からは万事屋行かない方がいいでさぁ。」
「って、マジで違うからぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!」
私と総悟はシラけた目で旦那を見やりながらその場を通りすぎた。
「おい、総悟、恋奈」
また渋い声。今度は土方さんだ。
「ちょっと話したいことがあんだが、聞いてくれ」
「やーだ。土方さんの言うことなんて聞くもんですか」
「そうでぃ。そんなことしたら耳が腐っちまいやさぁ。」
「おめーら、マジで斬るぞ。マジで。」
と刀を取り出そうとする土方さんをひとまずなだめて、私と総悟は土方さんの話をきちんと聞くことにした。
「あんな、今日、源外のじーさんが、なんか新しい掘り出し物見つけたから、みんなに見て欲しいと言ってるらしい。で、今日万事屋で宴会を開くと言ってるんだが…恋奈と総悟は、行くか?」
ほうほう。なんか危ないこと起こりそうな予感。しかも万事屋。つまり…神楽ちゃんにまた会える!
「私は行く。総悟は?」
「ま、危ないこと起こりそうな予感しかしませんが、たまにはこう、パーっと騒ぐのもいいかもしれませんねぃ。」
「んじゃ、決まりだな。今夜6時からだ。じゃあな。」
私たちは土方さんに別れを告げた。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

感想を書く

この話の感想を書きましょう!




 
 
全て感想を見る:感想一覧