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オワリノコトノハ

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入学編
1章
  第二話「葉桐VS保宮」

 
前書き
「こんにちは、葉桐 玲です。一話目からダメダメでしたが、今回はいいところを見せようと...」
「はいはーい!俺和樹でーす!この小説『オワリノコトノハ』では俺の輝かしい活躍が!描かれてまーす!」
「いきなり出てきてそんな事実無根な嘘つくなよ!?」
「ま、とりあえず...第二話!スタート!!」
「それ俺の台詞!!!!!」 

 
紙に書かれた組み合わせには
『葉桐 対 保宮』

俺が紙と睨めっこしていると
「お前が葉桐か...入学初日から遅刻とは底が知れてるな。」
保宮は小馬鹿にする態度をとったが、あえてこちらは落ち着いた態度で話しかけた。
「それさっきも先生に同じようなこと言われたぞ。」
「ふん...さっさと来い。」
言われるがままに訓練施設の真ん中に立った。
円状のステージで周りは観客席に囲まれている。多分、なにかしら学園祭などでも決闘のような形で使うのだろう。
「おーい!玲!せいぜい死なねーようになー!」
観客席に座っていた生徒達の中から和樹が大きな声で鼓舞してくれた。
「チッ...うるせえ外野だな...」
「まあそう怒るなよ。」
「チッ」
保宮がまた舌打ちをする。舌打ちは彼の癖なのだろう。
「おい。始めるぞ...それでは、模擬戦開始!!!」
坂城の合図で模擬戦が始まった。
まず仕掛けてきたのは保宮。拳銃...デザートイーグルとコンバットナイフを抜き、俺目掛けて走ってきた。
速い。保宮はかなりいいがたいをしているのだが、とても動きが速かった。あっという間に5mもあった間合いは1mもなくなり。
そのスピードのまま俺の目を刺すようにナイフを突き出してきた。
俺はすかさず持っていた太刀を居合の要領で抜き
『カンッ!!!』
ナイフを柄頭で弾き飛ばした。
これには保宮も驚いた表情を見せたが流石は無敗記録保持者、切り替えが早く既にデザートイーグルの引き金を引く寸前だった。
しかし俺にとってこの行動は遅すぎた。
最初からそうくる事は読めていた。俺の狙いはナイフを弾き飛ばす事だけじゃない。突き出したデザートイーグルを叩っ斬る事だ。
「ふんッ!」
『ッキン!!!!!』
ナイフを弾いた勢いでデザートイーグルを叩っ斬った。
「なっ!?」
保宮が情けない声を発したところで全身の筋肉、関節、骨、あらゆる箇所を使い回転する。
居合の勢いを殺さず、むしろ加速させるためその速度は音速を超える。
『ゴシャッ!!』
俺は柄頭を保宮の胸当てにぶつけ、粉砕する。
保宮はそのまま吹っ飛び...
10mぐらい飛び地面に横たわった。
あまりにも一瞬の事でその場にいる全員が何が起こったのか判断しきれていなかったが、横たわっている保宮を目にしてようやく坂城が
「...そ、そこまでっ!!勝者、葉桐 玲!!!」
「「「ウォォオオオオオ!!!!!!!!」」」
「すげえええぇぇえ!」
「あいつ何者だよっ!?」
俺の勝利を坂城が認めたところで観客席から驚きと興奮を混ぜ合わせたような声が湧き上がった。
「葉桐、責任を持って保宮を保健室まで運べ。多分そいつ骨がイっちまってる。」
「分かりました。」
俺は先ほど自分が吹っ飛ばした相手である保宮を背負い訓練施設を後にした。

「失礼します。怪我人を運んできたのですが...」
保健室に入ると白衣を着た女性教師がいた。
「あー、はいはい。とりあえずそこのベッドに。」
「はい。」
ベッドに保宮を寝かせるとすぐに触診を始め...
「あちゃー、これは完璧に折れてるね。折れてるっていうか砕けてるね。ま、アタシの治癒魔法でなんとかなるからいいけど...胸当ての壊れ方見る限り、その太刀の柄頭で砕いたわね。どんな力で叩けばこの胸当てが壊れるのよ...」
「いや...全力でやったつもりはなかったんですけど...」
「バカ言わないで。この胸当てはライフル弾だって弾くのよ?一体どんな馬鹿力なのよ...」
「す、すいません。」
「君、名前は?」
「葉桐 玲です。」
「葉桐ね、アタシは神崎。なにかあったらいつでもここに来なさい。とりあえずこの子はアタシが見とくから戻っていいわよ。」
「ありがとうございます。失礼しました。」
あの胸当てそんな硬いのか...でも全力の半分も使わなかったんだけどな...
そんな事を考えながら廊下を歩いていると
「おい!玲!すごかったなお前!!!なんだよあれ!!」
「大した事じゃねえよ。」
「充分大した事だろうよ!!」
「ま、まあ...ありがとよ。」
「皆もお前の事で盛り上がってるぞ!早く教室に戻ろうぜ!」
「お、おい!引っ張んなって!」
俺は和樹に腕を引かれ教室へ戻ることにした。

放課後。
帰りのホームルームが終わった後、放送で呼び出しされ俺は学園長室へ来ていた。
「失礼します。葉桐です。」
「あぁ、入ってきなさい。」
俺が扉を開けると中には見知った顔がいた。
「久しぶりだねぇ、玲。」
「学園長、お久しぶりです。」
「校内だからってそういう堅いのやめにしないか?」
「...分かったよ。義昭さん。」
「そうそう。それでいいんだよ。」
学園長...流 義昭さんと俺はかなり昔からの顔見知りだ。
俺の親父であり師匠である葉桐 遼と義昭さんが学生時代からの親友であり今でも交友がある仲で、義昭さんは自分に子供がいないため俺の事を結構可愛がってくれていた。
「それはそうと義昭さん...処分キツすぎじゃない?」
「そうか?ま、いいじゃないか。来年には適性検査をまた行うし...それに今回の処分は甘い方だ。」
これで甘い方なのかよ...と、思いたいところだが元々は自分の責任だったのであまり文句は言えない。
「それに甘くするとまた遼に怒られるしねw」
「あー、それあるね。」
親父は結構厳しい人で義昭さんとは正反対の性格だった。
親父と義昭さんで飴と鞭5割5割だ。
「ところで、玲。今日の模擬戦についてだが...あれはちょっとやりすぎじゃないか?」
「俺はあれでも手加減したつもりだよ...」
「あれで手加減か...強すぎるのも考えどころだな。」
確かにはたから見たら胸当てを壊すなんてやりすぎていると感じるだろうが、模擬戦である以上は最後までしっかりやるべきだと俺は思っている。本当の戦場に立てば命の駆け引きをするのだからこれぐらいやって当然だろう。
「まあいい、今日のところはもう帰りなさい。」
「久しぶりに顔見れてよかったよ義昭さん。それじゃ。」
初日から色んな意味でかなり疲れていた。
明日から保宮に顔を合わせづらいし、クラスの皆がかなり寄ってきそうだし...まあ、そこは適当にやりぬこう。
スマホで時間を確認し、春の割に少し冷たい風に吹かれながら俺は家路を急いだ。










 
 

 
後書き
こんにちは!エンピツ魔王です!
なにこれ主人公強すぎだろ。王道テンプレじゃねえか。
...王道テンプレいいじゃないですか!!!!
よいではないかよいではないか!!!
ということで第二話、いかがでしたか?
次巻からは他の生徒との絡みが多くなってきますので、お楽しみに〜!
それでは次回また会いましょう!
 
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