オワリノコトノハ
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
入学編
1章
第一話「底辺になりました」
前書き
2050年。
世界が指名手配組織「オルフェノク」と激しい戦争を繰り返す最中、日本で創設された組織「紅魔連合」。
紅魔連合に属する者はエクソシストと呼ばれ、オルフェノクとの死闘を繰り広げてきた。
これはエクソシストを目指すとある青年の物語である。
「葉桐ィ...入学初日から遅刻とはいい度胸してんなぁ...お前」
「す、すいません...」
ここは天楼学園の職員室。
そして今目の前でオフィスチェアに腰掛けながら説教をしているのは俺の担任である坂城京子だ。
第一印象は美人。
美人だからこそ、この荒っぽい話し方が残念だと思える。
「....聞いているのか?」
「え、あ、すいません...」
「さっきから人の顔をジロジロと...お前、自分の立場分かっているのか?人が説教をしてる時に考え事とは本当にいい度胸をしてるな...まあ、いい。ところで何故遅刻した?」
「登校途中の道で重い荷物を持ったおばあさんがいまして...運ぶのを手伝っていたら遅刻してしまいまして...」
嘘ではない。生来困っている人を見ると助けたくなってしまう性格なのだ。
しかし、そのせいで適性検査をすっぽかしてしまった。
「そうか、それはご苦労なことだ。しかし、遅刻したことは事実。しかも入学式にだ。」
「そうですね...自分の責任です。」
「素直でよろしい。だが、貴様の処分はすでに学園長が決定なさっている。」
「は、はあ...」
「お前はこの1年間、実力関係なくランクDになった。これは学園長の決定であるため抗議は許可しない。いいな?」
「はい。すいませんでした。」
「以上だ。教室に戻れ。」
「失礼しました。」
俺は職員室をあとにした。
「はあ...ランクDか...これはキツイな...」
天楼学園の他にもエクソシスト志願者達に教育や訓練を施す機関は世界中にあるのだが、その機関にはランク制度というものがある。このランク制度は生徒達の意欲向上などを目的とし主に戦闘から見出される実力でSからDに認定されるのだが...俺はその中のDランク。つまり底辺になってしまったのだ。
「2年生でどうにかランクを上げなくちゃならないな。」
重い気持ちで教室のドアを開ける。
すると情報がもう行き渡っているのか、他の生徒達の注目が俺に集まった。
少し恥ずかしい気持ちになりながら席につくと、左隣の席の男子に声をかけられた。
「よう、隣の席の雨宮 和樹だ。朝は大変だったな。」
「まったくだ...おかげでランクDになるわ、悪い意味で名前は広がるわ...雨宮はランクは?」
「Bだよ。てか、雨宮なんて堅苦しく苗字で呼ぶなよー。和樹でいいぜ。」
とてもフレンドリーでいい奴っぽい。ツンツン頭で男気あるれる男子だ。
「ごめん、和樹...でいいんだな?」
「ああ、よろしくな玲!」
やっぱり名前はもう知られてるようだ。
当然だろう。何せ大事なランク分けの適性検査をすっぽかしたんだから。
「先が思いやられるな...」
「あ、あのぉ...」
不意に右から女子の声がする。
「え?」
「あの...私、万葉里といいます。万葉里沙知です。よろしくお願いしますね、葉桐君!」
「うん。よろしくね万葉里さん。」
とても笑顔が可愛い美少女。神は俺を見捨ててはいなかった。サンキュー神。グッジョブ神。
「と、ところでランクは?」
「Aですよ。」
「...マジで?」
「はい。マジですよ?」
驚いた。
綺麗な瞳に透き通った肌。少しブラウンの入った絹のような髪からは微かに花の香りがし、華奢な肩に細い手足。
こんなまるで女神のような女の子のどこにそんな実力が隠されているのか想像もつかなかった。
和樹がヒソヒソと耳打ちしてきた。
「おい、あの子Dはあるぞ。お前とお揃いだな。」
「和樹。お前後でグーパンな。」
「ひでぇっ!?」
当たり前だ。こんな可憐な女の子に対してそんな下衆い事を考える時点で犯罪だ。
「どうかされましたか?」
「あ、いや。なんでもないよなんでも。」
「??」
首を傾げる姿も子犬のようでとても可愛らしかった。
「あ、先生が来ましたよ。」
「あ、本当だ。」
教壇にはさっき顔を合わせた坂城が立っていた。
「全員揃ったな。よし、じゃあ今から校内にある訓練施設へ移動する。各自、自分の装備を持って集合しろ。」
訓練施設への移動中。
「おい玲見ろよ。あの背の高い奴。」
隣を歩いていた和樹が少し前にいた男子を指差した。
「あいつがどうかしたのか?」
「お前知らないのか?有名だぞ結構。」
「どう有名なんだよ?」
「中学時代の模擬戦、公式戦、決闘で無敗なんだぜ。名前は保宮、拳銃使いだってよ。まあ戦うなら相当な覚悟が必要だぜ。」
中学時代無敗か。すごいなそれは。
「どうせ戦うことなんてないだろうから大丈夫だろ。」
俺はそう言い切った。
「今から2人ペアで模擬戦を行ってもらう。使っていいのは所有する武器だけだ。基本的に関節技、投げ技、締め技なんでもありだ。もちろん急所を狙っても構わない。さらに模擬戦ではこの二式装備を着てやってくれ。以上だ。」
なんでもありだな。まあ、ここにいる生徒は中学から訓練を受けてる人間だから問題はない。
渡された二式装備は簡易的な物で胸当てや脛のプロテクターなどが付いていた。
「この紙に組み合わせが書いてあるから各自目を通せ。」
坂城が配った紙に目を通すと
『葉桐 対 保宮』
笑えなかった。
後書き
初めまして!エンピツ魔王です!
オワリノコトノハ第一話どうでしたか?
底辺になっちゃった玲。ついてないですねぇw
次回はついに葉桐VS保宮!!!
これからどうなるのか作者もとても楽しみです!
また小説初心者ですので、何か誤字や文におかしな所がありましたらコメント欄にお書きくださるとありがたいです。
評価していただければ光栄に思いますのでよろしくお願いします!
それではまた次回にお会いしましょう!
ページ上へ戻る