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転生者の輝き(仮)

作者:霧織 隆穂
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武力介入

 
前書き
お気に入り登録してくださった方、感想を書いて下さった方、ありがとうございます。
読んでくださる方がいるという事が分かったので、続けることにします。

どうぞこれからもよろしくお願いします。 

 
 游弥(あそび)side


 白騎士事件、あれが起こったのも三年前だ。現代兵器を凌駕する兵器(・・)として現れたIS(それ)に世界は飛びつき、その高性能さに驚き、シンガポール条約を作り、宇宙での利用や軍事転用を禁止し、スポーツとすることが決定された。それが原因だったのかはわからないが、篠ノ乃束は467個目のISコアを製作後に失踪した。一年たった今世界は血眼になって探しているが、見つかっていない。

「ヴェーダ、篠ノ乃束の居場所を探してくれ」

【了解、----太平洋海中】

 ……どう反応したらいいのだろうか、太平洋は地球上でもっとも広い場所だろ? しかも最大で一〇〇〇〇メートル以上深い所があるんだぞ、見つけられるわけないだろ。

「もっと絞れないか?」

【不能】

 目の前のホログラムにはその文字が出るだけだった。そうなると俺にはどうする事も出来ないので、諦めるしかない。

「そうか。ここ最近で不合法な活動は確認できたか?」

【ドイツブロッケン研究所、アメリカロッキー基地、中国大慶IS研究所の、三ヶ所にて確認】

「多いな、ここ最近は一つもない時が多かったのに、やっぱり先週のモンド・グロッソ……が原因、つまりValkyrie(ヴァルキリー) Trace(トレース) System(システム)の開発が始まったって事か?」

 そう、先週IS最大のイベントモンド・グロッソが日本で行われたのだ。そのために開拓した土地がIS学園の建設地であり、世界唯一のISを学べる学校となる。

「次開かれるのはドイツで四年後、原作の時系列とほぼ合致する。ヴェーダ、その三つの不合法活動はモンド・グロッソ関連か?」

【肯定】

 ヴェーダは静かに肯定した。

「VTシステムが開発されてるとみて間違いないか、ここは00お得意の武力介入かな。……エクシア、目標を破壊する」

 別世界の主人公機を身にまとった游弥は、あの時と同じように蒼穹に飛び立った。


 side out


 中国大慶IS研究所side


「どうだ、研究は進んでいるか?」

 白衣を着た男たちのうちの一人が強化ガラスの向こうの部屋にいる、十二歳程度の少女を見ながらそう言った。

「今のところは問題ありません、これがうまくいけば新システムも開発が出来ます」

「そうか、ヴァルキリートレースシステム、我が国で完成さ……」

 ズドン!
 唐突に嫌な衝撃が研究所を襲った。一度のみの強い衝撃、どう考えても地震ではなかった。

「なんだ今のは! ここは最重要施設だぞ!」

「あ、ISです! ISが襲撃してきました!」

「なっ……IS部隊を展開しろ! 何としても研究データを取らせるな!」

 突然の事に一瞬反応が遅れてしまったが、軍に居た事のある人間がすぐに正気に戻り、指示を飛ばす。

「所長! 早く研究データを持ってシェルターに行きましょう」

「待て、あと一分であれにデータが書き込まれる」

「また探せばいいじゃないですか! それよりも……」

 ドガァン!
 爆発音とともに電源がショートした。

「何!? 緊急電源は何故はいらない!」

「所長! シェルターに!」

 所長と呼ばれた初老の男性は少しだけうなったが、今までの研究データを手に取りシェルターに向かう事にした。
 しかし……

 ズガン!
 曲がり角を曲がろうとしたとき、目の前に大きな、とても人間にはもてない大きさの剣が現れ、通路をふさぐように反対の壁に刺さる。
 そして、翠色の粒子がちらちらと見え、その正体を現す。

「責任者は何処だ」

 機械ボイスのその声に、研究データを手に持った所長は言葉にならない言葉を吐きながら崩れ落ちた。


 side out


 游弥side


 三ヶ所、まずアメリカに飛び、次にドイツ、そして最後にこの中国だ。流石に地球一周の旅をエクシアで送るのはきついので、太平洋や大西洋、ユーラシア大陸を移動する時はキュリオスの巡航形態で移動した。そうやって日本を出て二十三時間ほどでやっと最終目標の大慶に到着する。

「エクシアにモードチェンジ。ヴェーダ、バックアップを頼む」

【了解】

 イグニッション・ブーストを使い大慶IS研究所に突っ込む、ギリギリのところで体勢を立て直し屋上に遠慮なく着地する。
 若干凹んだが、抜ける事もなく頑丈なつくりをしていた。まるで重要なものを隠している金庫の様に。

「ヴェーダ、建物をスキャンした後重要区画を割り出せ」

 返事を見る前にGNソードをライフルモードで構え、迎撃に来るであろうISを待ち構える。だが、待つまでもなくすぐに来てくれた。

「お前は何処の所属だ! 何をしにここへ来た! 早く答えろ!」

 三機のISに囲まれた、しかし俺の相手ではない。

「ISを解除してこちらに投降しろ、さもなくば……っ!」

 まったく言う事を聞く気がないと思ったのか、最後まで言うことなく襲い掛かって来た。
 だが、その距離ならGNソードのライフルモードがある。游弥は相手の近接ブレードめがけてビームを飛ばす。

「何っ! 工学兵器だと!? まだ研究中のはずのものがなぜここに」

 三機は俺から距離を取り、盾を持っていた一機を前に防御をするような体制をとった。
 まぁ、それでも打ち抜くんだけどな!
 再び引き金を引きビームを浴びせる、すると盾は熱で溶けはじめ、盾としての仕事をこなさずに消えて行った。

「くっ、援軍を呼べ! それまで私が抑えこ……あぁぁああ!」

 最後まで言うことなくビームをくらい、ISの絶対防御を発動させ気絶した。命に別状はないだろうが、ISにまた乗りたいとは思わないだろう。

「貴様ぁ!」

 頭に血の上がった二人が襲い掛かってくる。しかし、俺はGNシールドとGNソードの盾で攻撃を流し、逆にGNソードで反撃をする。まずは近接ブレードを切り落とし、次にライフルの銃身を切り落とす、反撃する事の出来なくなったところを、絶対防御をギリギリ貫通しない強さの斬撃で気絶させる。

「あとは研究データだけだ。重要区画までナビをしてくれ」

 目の前に矢印が現れ、重要区画までの道案内をする。
 まずたどり着いたのは発電区画だ、ここら辺はいまだ未開拓状態で電線を引っ張ってくるよりもその場で発電した方が対費用効果もよく、短期的にも長期的にもこっちの方が都合がよかったのだろう、秘匿と言う意味でも。
 発電機を破壊し、近くにあった予備発電機を破壊しておく。これで多少は混乱するだろう。

「ヴェーダ次だ」

 先ほどと同じように矢印が現れ、そんの場所まで俺を導く。途中で非武装の研究員っぽい人と出会ったが、片腕を切り落とし気絶させて先を急いだ。
 そして向こうに曲がり角が見えた時、熱を探知したためGNソードを投げて道をふさぐようにする、それから相手の姿を確認してから聞いた。

「責任者は何処だ」

 その問いには誰も答えるまでもなくわかってしまった。
 紙の束を持った初老の男が崩れ落ち、それを見た中年の男が「所ちょ」と言ったのだ。ある意味では中年の男が答えているが、確認するまでもないことは確かだった。

「此処の目的は何だ」

「わ、私は上に指示されただけだ! 悪くない、私は悪ぐぎゃが」

「ひぃっ!」

 今度は中年の男に向く。

「此処の目的は何だ」

「……こっ、この研究所は、IS操縦者の、量産のためひっ! つ、つ作られた」

「そうか」

 俺はそう言い中年の男に背中を向ける。男は安心したのか安堵のため息をついたが、それが最後の息となった。
 グシャ。
 この三年で幾度となく聞いてきた肉が裂け、弾け、骨が砕かれ、血が飛び散る音。どうしてもなれる事は出来ない、不快な音だ。

「ヴェーダ、生命反応はあとどのぐらいある」

【百六十二の反応を確認、地下シェルターへ避難した模様】

 一気に消すチャンスと言えるだろう、俺は研究所の外へ出るとISをヴァ―チェモードへ変更させバズーカモードで研究所を一薙して跡形なく吹き飛ばす。

「はぁ、キュリオスモード、巡航形態で日本に帰る」


 side out




















 篠ノ乃束side


 真っ暗な海の中、篠ノ乃束は自らが持てる技術を結集させて作った移動式ラボの中から、アメリカ、ドイツ、中国の三国で起こった破壊活動の映像を見ていた。
「やっと見つけた。ガンダム……」
 ラボには束の笑い声と、ピコピコと動くうさ耳カチューシャの音のみが響いた。
 
 

 
後書き
戦闘描写ではなく、蹂躙描写ですね、それも下手な。
まぁ、徐々に上手くなれるはずですのでご容赦ください。

次回の投稿は来年になると思います、見捨てずに見守ってくれれば幸いです。
因みに、感想は常時受け付けております、誤字脱字、ここの文章は直した方がいいなどありましたら、いつでもどうぞ。 
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