リリカルアドベンチャーGT~奇跡と優しさの軌跡~
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ディアボロモンの逆襲final
前書き
インペリアルドラモン・ファイターモードとオメガモンが奇跡を起こす。
ディアボロモンの自爆とアーマゲモンの必殺技をまともに喰らったインペリアルドラモン・ファイターモードは突風が吹けば、そのまま倒れて落下するのではないかと思わせるほどにボロボロであった。
ルカ「完敗ですね…」
ふ
アリサ「まさか、あんな手を使ってくるなんて思わなかったわ……」
賢「……ここまでか…」
大輔「いや、まだだ。諦めない。俺は最後まで諦めたりはしない。インペリアルドラモンもまだ倒れていない…俺達がこうして立っている限り…望みはある!!」
その時である。
地に落ち、今まで意識を失っていたウォーグレイモンとメタルガルルモンの双眸に再び光が戻ったのは。
その2つはゆっくりと浮上し、ウォーグレイモンとメタルガルルモンの低い声ではない、アグモンとガブモンの幼い声を発していた。
く
アグモン[そうだ、君達はいつだって諦めなかった]
ガブモン[俺達の……みんなの心を、託す……]
上を向いたままのオメガモン本体が眩い光に包まれ、一瞬瞳が煌めいたと思った瞬間、身体に宿っていた光が、真っ直ぐインペリアルドラモン・ファイターモードの元へと飛んでいった。
空中で姿を変え、デジモン文字が刻まれたそれは見覚えのある。
ヒカリ「ホーリーリング!?」
テイルモン[ええ、みんなの希望が詰まった……]
ヒカリの言葉に、テイルモンが優しい声で答えた。
一輝「奇跡は諦めない奴にだけ起こる。それはお前達にも覚えがあるはずだ」
光子郎「あ…」
そうだ。
4年前の戦いで、何度も同じような困難があった。
それでも諦めずに戦い続けた。
彼らはいつしか、流れる時の中で忘れていたのだ。
4年前の冒険で感じた悔しさ、苛立ち、非力さを。
一輝「さて、一体どんな奇跡が起きるのやら……エリオ達にも見せてやりたいもんだな」
未来に帰ってしまった弟分の息子達。
この場に彼らがいたらきっと感動していたのではないだろうか?
ホーリーリングが変化した剣…聖剣・オメガブレードは、インペリアルドラモン・ファイターモードの目の前で停止する。
インペリアルドラモン・FM[こ、これは…オメガブレード…?何故だ…アインス達がいないのに…]
オメガブレードは勇気と友情のデジメンタルとロングソード、アインスとリインがいて初めて誕生するはずなのに…。
大輔「受け取れインペリアルドラモン!!」
賢「それはオメガモンの…みんなの力が凝縮した剣だ!!」
フェイト「それを早く!!」
はやて「パラディンモードにモードチェンジするんや!!」
インペリアルドラモン・ファイターモードはオメガブレードを掴んだ。
インペリアルドラモン・FM[…インペリアルドラモンモードチェンジ、パラディンモード]
聖剣・オメガブレードの力を受け、再び姿を現したインペリアルドラモン・パラディンモード。
すずか「インペリアルドラモン・パラディンモード!!」
ユーノ「やったね!!」
スバル「キメラモンカオス・ルインモードを倒したインペリアルドラモン・パラディンモードなら…」
なのは「絶対に勝てる!!」
力尽きたアグモンとガブモンが草の上に落下した。
それが合図になったかのようにインペリアルドラモン・パラディンモードがアーマゲモンに向かって突撃した。
アーマゲモンはインペリアルドラモン・パラディンモードに向けてエネルギー弾を放った。
インペリアルドラモン・PM[スプレンダーブレード!!]
腕の爪から光の剣を発現させ、聖剣・オメガブレードとの二刀流でそれを掻き消していく。
インペリアルドラモン・PM[インペリアルクラッシャー!!!!]
アーマゲモンに強烈なパンチを喰らわせ、吹き飛ばす。
そして追い討ちをかけるように勢い良くアーマゲモンに蹴りを繰り出す。
インペリアルドラモン・PM[インペリアルキック!!!!]
強烈な蹴りを喰らったアーマゲモンは地面にめり込む。
攻撃の手を休めようとせず、アーマゲモンに何度も拳を叩き込む。
はやて「よっしゃあ!!そのままボコボコや!!」
フェイト「このままいけば勝てる!!」
勝利を確信しているフェイトとはやて。
インペリアルドラモン・PM[でりゃああああ!!!]
アーマゲモンを上空に蹴り上げると、再びボジトロンレーザー砲を胸部に接続した。
インペリアルドラモン・PM[今度こそ終わりだ!!ギガデス!!!!]
再び放たれた超破壊砲。
ファイターモード時とは比較にならない威力に今度こそはと勝利を確信したが…。
ルカ「あれは…」
アリシア「クラモン?」
ギガデスが炸裂する寸前にアーマゲモンはフルスピードで分裂していたのだ。
それでも分裂が間に合わず大半のクラモンが消滅したが。
まだ数十体のクラモンは生き残っている。
ルカ達は、その行動が何を意味するのか一番に理解していた。
クラモンを1匹でも逃がしたら終わりだ。
伊織「このままじゃまた、奴らのデータが生き延びてしまう……!!」
ギンガ「うん、早く何とかしないと」
伊織は何か打開策を見つけようと、京が膝の上に載せていたノートパソコンの画面に目を向けてクラモンを何とかする解決方法を思いついた。
伊織「……ゴミ箱!?…うん、クラモンなら戻せます……みんなの、携帯で!!」
京「ビンゴ!!」
京はそう叫び、光子郎と連絡を取るためにキーボードを打ち始めた。
その時であった。
聞き覚えのあるホイッスルの音が響いたのは。
大輔「こ、これは…」
朧気だが大輔にも聞き覚えがある。
8年前の光が丘テロの時に聞いたホイッスルの音だ。
次に響くのはハーモニカの音、これにはヤマト達が反応した。
これが合図になったかのように携帯の画面から光が溢れる。
スバルが走り出し、自分の携帯を凝視する人々の真ん中で立ち止まった。
スバル「みんなの携帯の光を、オメガブレードに向けて!!」
インペリアルドラモン・パラディンモードが、手にした聖剣・オメガブレードを天に向けた。
スバルはここにいる全ての人々に届くように叫んだ。
スバル「オメガブレードに、光を集中させて!!!!」
スバルのデジヴァイスのディスプレイから、光が聖剣・オメガブレードに向かって飛んでいく。
それは聖剣・オメガブレードに嵌め込まれている水晶のようなものに吸い込まれ、一層強い光を放つ。
レインボーブリッジから数え切れない光が放たれ、聖剣・オメガブレードに集まった。
スバルの周りにいた人々も携帯を掲げ、この場にいる全員がデジヴァイスを掲げる。
クラモンは光に飲まれていく。
一輝「携帯をデジヴァイスの代わりにして、クラモンをで電脳世界の中に送り返す…か。あのチビ、中々やるじゃないか」
光子郎「……はい、伊織くん、考えましたね……」
京からのメッセージを読みながら、光子郎が安堵の表情を浮かべてそう呟いた。
ミミ「あーんもう、これどうやって立ち上げんのよーっ!!」
遼「ああ、これはこうやって…」
先程の沈黙が嘘のように元気なミミに遼は苦笑しながら、パソコンを立ち上げた。
大輔「終わったな」
賢「ああ」
フェイト「大輔!!」
はやて「賢兄!!」
大輔、賢「「ん?」」
フェイト、はやて「「お疲れ様!!」」
満面の笑顔の労いをフェイトとはやてから受けた大輔と賢に穏やかな笑みが浮かんだ。
いずれ近いうち、桜が咲き乱れる日が来る。
春になれば、それぞれの新たな人生がまた始まるのだから。
後書き
02メンバーが殆ど空気
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