| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

歌集「春雪花」

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

157




 たれそ想う

  君のなかりき

   わが時の

  淋しさつのる

    師走なりけり



 誰を想っているのだろう…そう彼のことを考え続けてしまう私の時間は、ただ淋しさが募るだけで…。

 そうしている間に…早いもので、もう十二月も終わりに近づいた…。

 彼を想う…そんな淋しい日々はずっと続き、私は振り向いてもらえない自分に…悲歎し続けるのだろう…。



 想い続け

  春待月も

   去りにける

 涙も雪と

  なりにけるかな



 三月にこの町を去った彼を、ずっと想い続けて…気付けばもう今年も終わりになる…。

 初雪は雨に溶け、景色は未だ秋の余韻を残しているが…それも少しすれば、きっと雪が降って白く染め上げるだろう…。

 彼を想い流した私の涙も、降り積もる清い白雪のようになれば…そんな風に思い、ふと笑みを零した…。



 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

感想を書く

この話の感想を書きましょう!




 
 
全て感想を見る:感想一覧