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おぢばにおかえり

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第十八話 プールですその十

「食べてはいるんでしょ?」
「ええ」
「豆乳も飲んでるわよね」
「それもかなりね」
 毎日飲んでます。牛乳もですけれど。背が大きくなって胸も大きくなるって聞いて。けれど何か全然変わらないような。健康にはいいのは間違いないんでしょうけれど。
「それでも。やっぱり」
「遺伝はねえ」
「どうしようもないから」
 また遺伝です。
「けれどあれじゃない?ちっちのお肌って」
「そういうの飲んでるせいか」
「何?」 
 皆の言葉が変わってきました。今度は結構いい感じです。
「奇麗よね」
「色凄く白いし」
「お肌は昔から白いって言われるけれど」
 そういえば何かそれで中学生の頃お母さんと一緒にスーパー銭湯に行ったら知らない女の子から凄い奇麗な身体だって言われたことが。聞き間違いと思っていましたけれど。
「憎いまでに白いのよね」
「本当。それで男の子ちっちを見てたのよ」
「お肌が白くて」
「雪みたいじゃない」
 雪とまで言われました。
「その白さ、罪よ」
「よっ、この男殺し」
「男殺しって何よ、男殺しって」 
 今の言葉は聞き捨てなりません。男殺しどころかまだ男の人とお付き合いしたこともないのに。どうしてそうなるんでしょうか。
「私はね、そういうことは」
「ないの?」
「ないわよ」
 少しムキになって言い返しました。
「お肌が白いのもお母さんやお婆ちゃんからだし」
「いい遺伝ね」
「そうね」
「これはいい遺伝なの」
 こんなことを言われたのははじめてです。
「だってねえ。色の白いのは七難隠すっていうし」
「ちっち位に白いとそりゃもう」
「そんなに」
 凄い褒められてるんですけれど。私のお肌が。
「日焼けしてもすぐ元に戻るの?」
「ええ」
 その通りです。本当に。
「すぐ白くなるの。赤から」
「そのかわり日焼けした時真っ赤になりそうね」
「もう凄いわよ」
 その時のことを思い出しただけでお肌に痛みを感じます。いつも海に行って日焼け止めクリームを忘れた時なんかはもう。部活の時だって。
「真っ赤になってとても痛くて」
「災難ね、それはまた」
「だから夏は日焼け止めクリームが欠かせないのよ」
 そうなんです。私は。
「そろそろ必要になってくるし」
「それでもちっちのお肌って」
「やっぱり白いわよねえ」
 皆まじまじと私のお肌を見ます。
「そこまで白いと何だか」
「取り替えたくなるわ」
「止めてよ」
 思わず言い返しました。
「それだけは。痛いから」
「いや、痛いって問題じゃないと思うけれど」
「これはねえ」
 逆にこう言われました。何か墓穴を掘っちゃったみたいです。
「冗談に決まってるじゃない」
「ちっちってこういうのに変に引っ掛かるんだから」
「そうだったの」 
 言われてやっと気付きます。そういうことだったんですか。何か気付いてみると自分のこの馬鹿さ加減にうんざりです。いつもこうですし。 
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