転生とらぶる
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Fate/stay night
1180話
乖離剣エア。それは、俺の原作知識がある限りでは最強の宝具だ。
宝具というのは、幾つも種類がある。
対人、対軍、対城……その他諸々。
それらの種類の中で、更にEからEXまでのランクがある。
その中で乖離剣エアというのは、対界宝具という最強の種類の宝具であり、ランクもEX。
正に、目の前で握っている金ぴかには似合わない程の宝具だ。
更に驚きなのは、この乖離剣エアに限ってはこの金ぴかが担い手であるという事か。
つまり、真名解放が出来るという事になる。
尚、乖離剣エアと同等ランクの宝具としては、他にセイバーの結界宝具である全て遠き理想郷、前回の聖杯戦争のライダーが持つ対軍宝具の王の軍勢がある。
このうち、前者は不老不死の効果を持ち、真名解放をすればその名前の通りに最強の防御手段となる。何気に結構欲しい代物だが……セイバーが自分の宝具をそう簡単に渡すとは思えないしな。
いや、今は衛宮の身体に入ってるんだったか。
なら何とか入手は可能か? 桜の治療についての報酬も貰ってないし。
後者は、サーヴァントを無数に召喚する固有結界だ。
これは、宝具は宝具でも能力の1つという形に近いので、欲しくても入手する事は出来ない。
そもそも第4次聖杯戦争は既に終わっているし。
そんな中、ランクEXという最高のランクを持ち、同時に対界宝具という種別としても最高級の乖離剣エアは、その持ち主がこの金ぴかという事もあり、最も奪いやすい代物であると言えた。
「雑種……我にエアを抜かせた事、その不敬は永遠の責め苦を以て償え」
「はっ、良く言う。確かにお前が持っているその宝具は大した物なんだろうな。それは、こうして見ているだけでも分かる」
「ほう、雑種にしては見る目があるな。だが、今更何を言ったとて……」
そんな風に呟く金ぴかの言葉を遮るように言葉を発する。
「だがな、幾ら強力な武器でも使い手が三流、四流の愚物である以上は対して脅威じゃないんだよ。それこそ、それはお前程度の男が持つには勿体ない宝具だ。俺に献上すれば、お前の命くらいは助けてやってもいいぞ?」
ヒクリ、と。金ぴかの頬が痙攣するように揺れる。
「雑種……貴様……」
「ただ、そうだな」
再び金ぴかの言葉に割り込む。
自分の言葉に2回連続で割り込まれたのが気にくわなかったのだろう。それでも反射的にこっちに攻撃をしてこないのは、金ぴかの攻撃手段が、今持っている乖離剣エア以外は宝具の射出くらいしかないからか。
宝具を射出すれば俺に奪われるし、乖離剣エアに関しては使用すればあっさりと決着が付く。……と、少なくても金ぴかは思っている。
ここまで虚仮にされた以上、金ぴかとしては俺に決定的な敗北感を与えてから勝ちたいと、そう考えているのだろう。
「丁度いいから、俺の宝具も見せてやる。お前のその乖離剣エアと同じく、ランクEXの対界宝具をな」
「……何?」
訝しげな表情を浮かべる金ぴかに対し、俺は口を開く。
「ニーズヘッグ」
その一言と共に現れたのは、俺の愛機。……いや、もう1つの分身と呼んでもいい機体。
その力は、正に一騎当千、万夫不当。
俺以外には乗りこなせない、正真正銘の意味で俺の専用機。
嘲笑する虐殺者の名前を持つその機体は、俺のすぐ横に姿を現していた。
いきなり現れたニーズヘッグの姿に唖然としている金ぴか。
まぁ、宝具の中には空飛ぶ船とかもあったが、さすがにこのニーズヘッグは異様と言ってもいいだろう。
そもそも凛曰く、科学は未来に向かい、魔術は過去へと向かう。
そんな相反する2つが融合したのが、このニーズヘッグ。
……見るからにラスボス系の機体だが、その辺はニーズヘッグという名前に相応しいと言えるだろう。
空中を飛び、そのままニーズヘッグのコックピットへと入って念動力の認証によって機体を起動。
そのまま右手を金ぴかの方へと向けて外部スピーカーで声を出す。
「どうした? 自分の身の程を理解したのか? それならお前が手に持っている乖離剣エアをその場に置いてとっとと立ち去れ。お前程度の男を殺しても何の得にもならないんだし、見逃してやるよ」
『ぬかせぇっ! 我がエアがそのような機械人形如きにどうにか出来ると思っているのか! 貴様こそ、その命……ただで消える事が出来ると思うなよ!』
その言葉と共に、乖離剣エアの刀身を構成している3つのパーツがそれぞれ回転を始める。
「T-LINKシステム、フルコンタクト! トロニウム・エンジン、フルドライブ!」
T-LINKシステムとのリンクレベルが跳ね上がり、同時にトロニウム・エンジンがフルドライブして出力が高いレベルで安定する。T-LINKフレームによって形作られている装甲が赤く輝き、同時に機体各所から真紅の粒子が放出される。
「バリオン創出ヘイロウ、起動」
その言葉と共に、ニーズヘッグの背中に装備されているバリオン創出ヘイロウが起動して桁違いのエネルギーを生み出し、ブラックホールエンジン、トロニウム・エンジン、魔力、念動力といったエネルギーが生み出され、ブラックホールランチャーの砲身へと注ぎ込まれる。
システムXNの機能が封印されている状態にも関わらず、このニーズヘッグが対界宝具という扱いを受けている理由。
それは、俺がこれから使うこの武器……いや、技が理由の1つなのは間違いない。
もう1つの理由は、多分フレイヤなんだろうけど。
あれも空間に作用する武器だし。
それをここで使わない理由としては、効果範囲の広さ故だ。
ある程度の調整は利くにしても、金ぴか諸共に消滅してしまっては意味がない。
何だって俺がここまで金ぴかを挑発してきたのか、それが分からなくなる。
映像モニタに映し出されている金ぴかの顔に浮かんでいるのは、嗜虐的な笑み。
自分の宝具が負ける筈はないと……このニーズヘッグにも勝てると、確信しているのだろう。……いや、金ぴかだから、確信じゃなくて慢心か。
『天地乖離す……』
真名解放により、乖離剣エアから放たれる大量の魔力が溢れ出る。
それを見ながら、俺もまた最後の言葉を発し、トリガーのロックを解除する為に口を開く。
「嘲笑する虐殺者の名の下、神々の黄昏をここに」
その言葉と共にトリガーのロックが外され……
『開闢の星!』
「ラグナロク、発射!」
金ぴかの真名解放が終了すると同時に、ラグナロクのトリガーもまた引かれる。
乖離剣エアが振るわれるのと同時に、空間その物が斬り裂かれたように時空断層とでも呼ぶべき現象が起き……だが、同時にそこへとブラックホールランチャーから放たれた極小規模の重量の塊が、空間を斬り裂かれたその中心地点へと命中する。
同時に極限まで圧縮された重力の塊は、時空断層をそれ以上起こさせずに留め、やがて重力崩壊を引き起こす。
その重力崩壊により、時空断層そのものを破壊するという光景を俺は見る事になる。
重力崩壊が引き起こした破壊が周囲に広がる寸前にトロニウム・エンジンの最大駆動によって作り出された莫大なエネルギーが放たれ、時空断層を飲み込みつつあった重力崩壊している場所に着弾。重力崩壊を一時的に押し留め、その代償として重力崩壊とエネルギーが融合し、結果的に更に凶悪な破壊力を生み出す。このままでは周囲へと広がるその破壊エネルギーをT-LINKシステムによって増幅された俺の念動力が包み込み、周囲への影響を遮断する。
重力崩壊の時点で時空断層その物が完全に消滅していたのだが、念動力の結界と呼ぶべきものが存在する中で行き場のなくなった重力崩壊と莫大なエネルギーはより圧縮され、濃縮され、破壊力を二乗倍にしていく。次にその念動力の結界そのものをグレートグランドマスターキーによって生み出された魔力で覆い隠して周囲から完全に隔絶する。
こうしてかなり威力を弱めて発射したラグナロクが消滅した後……そこには何も変わっていない光景のみが広がっていた。
そう、乖離剣エアの真名解放とニーズヘッグ最大にして最強――かなり出力を絞ってはいたが――の攻撃方法でもあるラグナロクが空中でぶつかったのに、地面に落ちていた枯れ枝の1本すら折れてはおらず、ぶつかり合った衝撃で地面に亀裂が起こったりもせず、森に生えている木が何の被害もないままにそこに存在している。
何が起こっているのかといえば、答えはそう難しくない。
時空断層と重力崩壊がぶつかりあった場所を包み込んだ念動力と魔力による結界が完全にその破壊力を遮断したのだ。
それが何を意味しているのか……それは乖離剣エアの真名解放を、出力を絞ったラグナロクが完全に抑え込んだという事だ。
『何だと!?』
信じられないといった金ぴかの声が聞こえてくる。
それも当然だろう。金ぴかの最強の宝具である乖離剣エアが俺には通用しなかった。それどころか、完封されたのだから。
金ぴかにしてみれば、とてもではないが信じられない出来事だったのだろう。
そして、これこそが俺が待ち望んでいた瞬間でもあった。
「ファントムッ!」
その声に従い、バインダーからファントムが1基飛んでいく。
ビームソードを展開したファントムは、T-LINKシステムにより俺の意思の通りに動き……斬っ、と。金ぴかの右腕を肩から切断する。
そして切断された右腕は、その手に握った乖離剣エアと共に空中を回転しながらこちらへとやって来て……
「ごちそうさん、と」
ニーズヘッグのコックピットから飛び出た俺の手が金ぴかの右腕をキャッチして、その手が握っていた乖離剣エアを空間倉庫に収納、腕も取りあえず収納しておく。
市長だ何だと散々馬鹿にした金ぴかだが、サーヴァント3人分の魂を持っているというのは伊達じゃない。
その右腕はいずれ何らかの役には立つだろう。
原作の桜ルートでは衛宮がエミヤの腕を付けてたりしたし。
ホワイトスターに戻れるのであれば、レモンやエヴァ辺りが色々と使い、もし戻れなくてもこの世界で暮らして行く上で魔術師の凛としては垂涎物だろう。
幸い空間倉庫に入れてしまえば、多分魔力となって消えたりはしないだろうし。……まぁ、消えても駄目で元々って感じだが。
そのまま金ぴかの右肩を切断して戻ってきたファントムを収納したニーズヘッグを、コックピットではなく装甲に触れてのT-LINKシステムを介しての操作で動きを止めて空間倉庫に戻す。
そうすると残ったのは、切断された右肩を押さえて地面に踞っている金ぴかのみ。
傷口を押さえていた金ぴかだが、そこからは血が流れ落ちている。
魔力を使って回復しようにも、教会の地下にいた子供達は既に救出して魔力を絞り出す事は出来ない。
魔力を貰っても、それだけですぐに回復出来るって訳じゃないしな。
つまり、すぐに回復するには俺と最初に戦った時のように、王の財宝の中にあるポーションのような物を使わなければならない。
痛みを我慢出来るのなら別だろうが、金ぴかはそんな事をするくらいならさっさと治療するだろう。
そんな俺の予想通り、金ぴかは左手で短剣……というか、鍵のような物に剣の柄がついた物を握り……なるほど、あれが王の財宝の鍵である鍵剣か。
今までは多分こっちに見えないようにしてそれを使って王の財宝を展開していたんだろうが、そんな余裕はなくなった訳か。
「加速」
精神コマンドの加速を使い、同時に空間倉庫からゲイ・ボルクを取り出す。
地面を蹴って、王の財宝を使おうとしていた金ぴかの前へと移動し、ゲイ・ボルクを一閃。
先程の乖離剣エアを握って斬り飛ばされた右腕同様に、鍵剣を握ったまま左手の肩から先端が回転しながら空中へと飛ばされた。
「がぁっ!」
苦痛の悲鳴を上げる金ぴかの顔面に、ゲイ・ボルクの石突きを叩きつけて吹き飛ばす。
吹き飛んでいく金ぴかを眺めながら、地上へと落ちてきたその左腕を受け止める。
鍵剣と左腕の両方を空間倉庫の中へと収納し……これにより、俺がこの金ぴかと戦う上での目標は全てクリアされた。
「貴様ぁぁぁぁっ!」
地面に踞りながら叫ぶ金ぴか。
両腕がない為、立ち上がる事も出来ないんだろう。
宝具の全てを俺に奪われた以上、既に金ぴかはろくな戦闘力はない。
ステータス的にはそれなりに高いのだが、戦いそのものを行ってこなかったツケが来た形か。
「俺の欲しい物は全て手に入れた。後はもうお前に用はない。……ただ、そうだな。お前をこのまま殺すのはそう難しくないが、殺してしまえば小聖杯に魂が収納してしまう。それはやめておいた方がいいだろうし……そうなると、お前に残された道は1つだけだ」
こちらを睨み付けてくる金ぴかを眺めつつ口を開く。
「スライム」
その声と共に俺の横の空間に穴が開き、スライムの触手が伸びてくる。
「何をするつもりだ……貴様ぁっ!」
「言っただろう? お前の魂を小聖杯に収めたくはないってな。……故に、お前にはここで死んで座に戻るのではなく、このままスライムの餌として存在そのものを魂諸共全て吸収させて貰う。そうだな、こう言えばお前にも分かりやすいか? 喜べ、雑種。お前の最後はスライムの餌にしか過ぎん、とな」
「貴様ぁっ!」
「愛、直撃」
叫ぶ金ぴかに構わず精神コマンドの愛と直撃を使ってからスライムを動かし……その触手は金ぴかに向かって伸びていく。
そのまま広がり……次の瞬間金ぴかはスライムに包まれ、怒声や罵声を発しつつ吸収されるのだった。
……案の定スキル覧が一杯なせいか、何も新しいスキルを入手する事は出来なかったが。
あ、でも久しぶりにレベルが上がってるな。
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:405
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1188
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