新オズの腹ペコタイガー
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第一幕その十三
「貴方達は万全なのよ」
「一人一人ではですか」
「力が限られてるわ」
「そういうものですね」
「そう、あとお好み焼きだけど」
そのお好み焼きのこともです、トロットは言いました。
「私はどちらも好きよ」
「大阪風も広島風も」
「どっちもどっちとは言わないわ」
「そうなんですね」
「強いて言えばどちらも美味しいわ」
大阪風も広島風もです。
「そしてどちらもお好み焼きね」
「大阪風、広島風關係なく」
「そう思うわ」
「ううん、何か私だけのこだわりですね」
「お好み焼きについてはね」
「そうなんですね」
サウナに入りながら言うのでした。
「そう思うと小さなこだわりですね」
「そうね、けれどそうしたこだわりは誰にもあるわね」
くすりと笑ってまた言ったトロットでした。
「自分だけに留めて。あまり強く持たないべきね」
「それがいいですね」
「周りに出したら困る人もいるし」
それにというのです。
「強く持ったら自分を縛るから」
「そこまでは持たないで」
「気楽にいきましょう」
こだわりもというのです。
「そうしていきましょう」
「わかりました」
恵梨香はトロットの言葉に微笑んで頷きました、そしてです。
お風呂を楽しんでからです、パジャマに着替えて歯も磨いて。
大きなふかふかのベッドにナターシャ、トロットと一緒に入りました。恵梨香はそのベッドの中でもナターシャに言いました。
「パジャマも黒なのね」
「黒が好きだから」
だからと答えたナターシャでした。
「それでなの」
「そういうことね」
「そう言う貴女はパジャマもね」
「ピンクでしょ」
「ピンクが好きだからなのね」
「桜の色だから」
恵梨香は微笑んでナターシャに答えました。
「それでなの」
「いつもピンクで」
「パジャマもなの」
「本当に桜が好きなのね」
「そうなの、皆それぞれ好きな色あるわね」
「私は黒でね」
「三人もね」
男の子三人もとです、恵梨香は言いました。
「そうよね」
「ジョージは赤、神宝は青、カルロスは黄色で」
「それぞれね」
「そこもこだわりね」
「そうよね」
「色にもこだわりがあるのね」
こう二人でベッドの中に入ってからお話しました、その二人をです。
トロットは両手で自分のところに抱き寄せてそして言いました。
「三人仲良く寝ましょう」
「はい、今から」
「そうしましょう」
「私が真ん中でね」
そしてというのです。
「ナターシャは右、恵梨香は左ね」
「その位置で、ですね」
「このベッドで三人で」
「寝ましょう」
こう笑顔で言って実際にでした。
三人は柔らかいベッドで三人で寝ました。そうして一日の疲れを癒して明日に向かうのでした。楽しい明日に。
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