新オズの腹ペコタイガー
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第一幕その一
新オズの腹ペコタイガー
第一幕 幾ら食べても
恵梨香達五人の少年少女はこの時もオズの国に来ていました、そのうえで今日はエメラルドの都の商店街で遊んでいます。
一緒にいるトロットにです、恵梨香が言いました。
「あの、この都にも和食のお店あるんですね」
「ええ、出来たのよ」
そうだとです、トロットは恵梨香にくすりと笑って答えました。
「この都にもね」
「そうなんですね」
「それでどうかしら」
その緑の街の中で、です。トロットは恵梨香に尋ねました。
「これからそのお店に入る?」
「そうしていいんですか?」
「いいわよ、この国では誰もが何時でも好きな時に好きなものを食べられるわね」
「はい、そうですね」
「だからね、貴方達さえよかったら」
恵梨香達五人がというのです。
「どの和食を食べてもいいのよ」
「どのお店でもですね」
「そうよ、じゃあ何を食べたいのかしら」
「ううん、そうですね」
そのお話を聞いてです。恵梨香はといいますと。
考える表情になってです、四人に尋ねました。
「皆和食食べたい?」
「お寿司?」
最初に応えたのはジョージでした。
「それ食べる?」
「お寿司か、いいね」
次に応えたのは神宝でした。
「じゃあそれを食べる?」
「そうだね、最近食べてなかったし」
カルロスは最近ずっとお寿司を食べていなかったことに気付いて言いました。
「いいかもね」
「私もお寿司を食べたいわ」
最後に応えたのはナターシャでした。
「大好きだし」
「皆それでいいのね」
「お寿司嫌いな人あまりいないよ」
「あんな美味しいもの他にないからね」
「確かに高いしそうそう食べられないけれど」
「一度食べれば忘れられないわ」
四人は恵梨香に微笑んで言いました。
「だからね」
「お寿司にしよう」
「それで皆で食べてね」
「楽しみましょう」
「うん、じゃあね」
それならとです、恵梨香も頷いてでした。
あらためてです、トロットに言いました。
「じゃあお寿司でお願いします」
「わかったわ、それじゃあね」
「僕も食べようかな」
トロットと一緒にいるロバのハンクも言いました。
「これから」
「ええ、そうするといいわ」
「とはいっても僕はね」
「貴方はロバだからね」
「お寿司は食べないよ」
こう言うのでした。
「別にね」
「そうよね、それじゃあ」
「草を食べるよ」
「牧草屋さんに行って」
「そうするよ」
「じゃあまずはそっちに行きましょう」
トロットは微笑んでこう提案しました。
「牧草屋さんにね」
「最初に?」
「お寿司屋さんの前にね」
「別にいいよ。これからベッツイのところに行くから」
「そこでなのね」
「ベッツイと一緒にいてね」
そのうえでというのです。
「食べようかなって思ってるから」
「あら、けれどベッツイはね」
ベッツイと聞いてです、トロットはこうハンクに言いました。
ページ上へ戻る