とある科学都市の恋愛事情
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第一話
悠斗は昼の仕事をするためにとある施設に来ていた
施設の名前は『太陽の園』
『置き去り』と呼ばれる身寄りのない子供たちが暮らす施設だ
「あら、悠斗君。いらっしゃい。今日も来てくれたのね」
「はい。今日放課後は来れませんので子供たちとは遊べませんので、掃除などをしに来ました」
「あらそう。そうなるとあの子たちは残念がるわね」
ここの園長と話す悠斗
園長は悠斗のある事情を知っているため、学校に通っていない悠斗には何も言わない
「すいません。明日か明後日の放課後にはあいつらを連れてこれると思うんで」
「いいのよ、無理してくれなくて。時間があるときにたまにでもいいからね」
園長の言葉に悠斗は一つ返事をしてから掃除のために園に入った
―――――――――
園の掃除が終わり、打ち合わせの時間に近くなったので悠斗は待ち合わせ場所に足を運んでいた
そこはカラオケ施設だった
「店前で待ってりゃ良いのか?つーか俺相手の顔知らないんだけどな」
悠斗が今更そんなことを思ってると、茶髪の女性が悠斗に近づく
「あんたが千里悠斗か?」
「……あんたは?」
いきなり呼ばれたことで少し警戒する悠斗
「『リセット』の信二からあんたの情報をもらってるって言えばいいかい?」
「なるほど。話し合いは中でするのか?」
「ええ。ここなら個室になってるしね」
信二の名前を言ったことで話しかけた人物が今回の話し合いの相手だと思ったのだ
そして適当な部屋に入ってから悠斗が女性に話しかける
「とりあえず確認するがあんたはアイテムの人間でいいんだな」
「ええ。アイテムのリーダー麦野沈利よ」
悠斗は確認をすませてから持ってきた資料を麦野に渡す
「今回の仕事は武器の横流しをしてる研究所の壊滅。関連する研究所は三つだ」
悠斗がそういうと、麦野は少し怪訝な表情を浮かべる
「確かに外に横流しをする奴はすぐにつぶすべきだけど、それならあんたらだけでも半日もあれば終わるんじゃない?」
「普通ならな」
麦野の質問に悠斗はため息を吐く
「三つのうち二つはダミーだが、データーが保管されてると思うから壊さなきゃいけない。それにダミーとはいえ多少の警備があるから時間がかかると、データを持って逃げられる可能性があるからな」
「だからうちと組んで三つ一気に襲撃するようにってことね」
麦野の言葉に悠斗は頷く
「それで今回の話し合いは誰がどこに行くかを決めようとおもうんだ」
悠斗はそういうと、麦野は少し嫌そうな顔をする
それを見て麦野の考えを読み取った悠斗は大丈夫と一言告げてからしゃべりだす
「三つのうち二つにそれぞれのメンバーが行って、残りの一つにメンバーのうちの一人ずつが行く。こうすれば能力を互いの一人ずつだけしか見せることはないぜ」
「なるほどね。まあそれならいいわね」
悠斗の言葉を聞いて麦野は普通の表情に戻る
「俺らの担当はここの研究所。で、ここが合流してつぶす研究所な。それとこっちからのメンバーは俺だから」
悠斗はそういって自分の携帯を取り出す
「とりあえず連絡先を教えるわ。合流するやつに近くに来たら電話するように言ってくれ」
「わかったわ」
麦野との連絡先を交換して悠斗はカラオケから出た
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