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ドリトル先生の水族館

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第十幕その九

「大型の生きものが多いこともね」
「何か謎だらけだね」
「謎だらけの場所なんだね」
「何もかもがわかっていない」
「そうした場所なんだ」
「そうなんだ、だから余計に調査が必要なんだ」
 そう言われているというのです。
「僕もそう思うしね」
「ううん、謎が多いね」
「謎まみれの場所だね」
「本当にね」
「僕達じゃとても生きていられない場所だけれど」
「そこはどうなっているのか」
「謎が多いまだなんだね」
「そうした場所が地球にあるんだよ」
 今もというのです。
「宇宙といい人は知らないことが本当に多いんだ」
「学問は進んだけれど」
「それでもなんだね」
「まだまだ謎は多い」
「地球にしても」
「そうだよ、地上でもわかっていないことも多いしね」
 そちらもというのです。
「ジャングルにしても」
「そういえば」
「アマゾンだってね」
「まだまだ謎が多いんだよね」
「あそこにしても」
「人は常に全ての場所を見ることは出来ない」
 先生はこの真理もです、皆にお話しました。
「決してね」
「神様じゃないから」
「その目で見えるものしか見えないだね」
「今そこにあるものしか」
「それが人間だね」
「私達もそうだけれど」
「それでどうして全知全能と言えるのかね」
 先生もここで首を少し傾げさせました。
「そして偉大と言えるのか」
「わからない」
「先生にしてみれば」
「そうなのね」
「うん、そしてそれは誰でもだよ」
 神でないのなら、というのです。
「目に見えるものしか見えないんだ」
「だから知っているものも少ない」
「この世の中の僅かだね」
「そんな小さなものなのね、人間は」
「そして僕達も」
「何処の国の人もどの民族も。ひいてはどの生きものも」
 この世のあらゆる生きものがというのです。
「一緒なんだよ」
「人間も生きものも」
「同じなんだね」
「結局のところは」
「そうだよ、キリスト教では本来は人と他の生きものは分けられているけれど」
 それでもというのです、先生は神学者でもありますが先生ご自身の神学をあえて皆にお話してみせたのです。
「僕はそうは考えていないんだ」
「人も生きもの」
「僕達と同じ」
「そういうものなのね」
「全て神が創られたんだ」 
 あらゆる生きものはというのです。
「それならね」
「同じなんだね」
「誰もが」
「先生が言うには」
「僕と王子、トミーに違いはあるかな」
 先生は皆にこうも尋ねました。
「一体」
「ううんと、先生は太ってて」
「それで色々と知ってるわね」
「トミーは家事が得意でね」
「王子は次の王様でお肌が黒い」
「それ位?」
「他はね」
「変わらないかしら」
 動物の皆は三人の違いについてこうお話します。 
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