ハイスクールD×D~黒衣の神皇帝~ 再編集版
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修学旅行はパンデモニウム
対英雄派戦(2)
庭園に曹操がいて、建物のあちこちから姿を見せる構成員。全員同じ制服を着ていたが、あれが英雄派のユニフォームか。すると目の前には、着物姿の女性がいた。頭部に獣耳と複数の尻尾がある事から、このヒトが九尾の御大将か。にしても九重が大人になるとこういう風になるのかね?
「母上!九重です!お目覚め下され!」
九重が駆け寄り声を掛けても、無反応な御大将八坂だった。瞳も陰っていて、無表情となりまるで操られた表情であった。九重が曹操達を睨みつけるが、実験に協力との言葉により槍の石突きで地面を叩いた。
「う・・・・うぅぅ、うあああああああっ!」
八坂が悲鳴を上げながら、体が光輝き姿はヒト型から獣化へと変貌していく。九つの尻尾が膨れ上がり夜空に向かって咆哮を上げる巨大な金色の獣、九尾の狐となった。全長十メートルはあるだろうが、黒鐵改化ぐらいかフェンリルぐらいの大きさである。
伝説の妖怪とも言われる九尾の狐は実に御大将らしい、真の姿と言っていい程だ。だが瞳は感情が出ていないのか、やはり操られているから今は説得は無理だろうな。
「曹操!広範囲な疑似京都を作り、九尾の御大将を操り何をする気だ?」
「京都はその存在自体が強力な気脈で包まれた大規模な術式発生装置だ。名所と呼ばれるパワースポットが霊力・妖力・魔力に富んでいる」
「それなら知識として知っているわ!ここは陰陽師達が都そのものを巨大な一つの『力』にしようとしたからだ。ま、それ故に様々な存在を呼び寄せてしまった。要するに疑似空間は、京都から極めて近くもあり遠い次元の狭間が存在し気脈パワーがここに流れ込んでいる。九尾の狐は妖怪で最高ランクであり、ドラゴンで言えば龍王クラスとも言われている。京都と九尾は切っても切り離さない縁を持っているから、ここで行う『実験』にはとっておきの場所となっている」
「・・・・という事は都市の力と九尾の狐を使って、この空間にア・・・・グレートレッドを呼び寄せるつもりなのですか?それなら納得出来ますが、複数の龍王や一誠さんやヴァーリがいるのだから代用する気が無いと思いますよ!」
「流石は魔法使いであるルフェイ・ペンドラゴンだな。その通りであり、確かに二天龍とヴリトラがいるようだがお前らが協力する気にはならないだろう?だから俺達が目に付けた都市と九尾の力で代用する事になったのさ」
一瞬ルフェイがアグニと言おうとしたが、すぐに持ち直してグレートレッドと言った事で何とかなった。それにグレートレッド=アグニならウチの旅館にいるし、今頃リアル空間で黒神眷属と他勢力と一緒に戦っていると思うわ。
それに真龍を呼んだとしても無害なドラゴンであり、怒らせないような行動をすれば無視出来る。本来ならオーフィスに関して言うが、ここではカットされている。既に仲間となっているし、ここにいるからである。
「で?呼び出してどうするのさ」
「とりあえず捕える事が出来てから考えようと思うが、未だ生態は不明な事で謎だらけだ。調査するだけでも大きな収穫を得るし、例えば『龍喰者』がどれぐらい影響が出るとかね。赤龍神帝だとしても今は一つの実験として行うが、強大なモノを呼べるかどうかだしな」
つまりサマエルの力を使ってどのくらい影響が出るか知りたい訳か。とりあえず皆は戦闘態勢に入った訳だが、ゼノヴィアが剣を向けるが鞘ごと構えたデュランダルだったが、鞘の各部位がスライドしていき変形していく。激しい音を立てながら、鞘のスライドした部分から大質量の聖なるオーラが噴出し始めた。刀身をオーラが覆い尽くし、極太オーラの刃と化するがこれが新たなデュランダルのようだな。
「とりあえずグレモリー眷属と匙はそのまま待機な、俺ら強者が前に出るから今はサポートだけで構わんよ。イリナは共闘から監視側へ移行し、グレモリー眷属と匙がいらん動きをしないように頼む」
「了解よ。何やらゼノヴィアがフライングスタートしそうだからね、と言う事で祐斗君達は私達の指示を聞く事をおススメするわ」
「納得出来んがしょうがない。だがピンチになりそうになったら、勝手に行かせてもらう」
「同じくゼノヴィアに同意だね。いくら一誠君達でも勝てない時だってあるのだから」
「おいおい。兵藤がそう言ってるんだし、関わると死線ばかりだが学園のダチの為ならばやるしかなさそうだ。ヴリトラ、準備はいいか?」
『いつでもいいぞ、我が分身よ。ただし私は一誠の言う通りにしてくれよ?アイツが強者だと言う事は、昔も今も変わらんからな』
グレモリー眷属は一応戦闘態勢を取るが、何やら俺達がピンチになりそうになったら行くとか言っている。俺達は負ける策を立てる程愚かではないと知っているヴリトラだからか、匙だけは言う通りにするような態勢を取る。匙の体は龍王化となり、全身が黒い大蛇となった。龍化ではなくヒト化であるが、全身鎧ではなく一部装甲のような感じとなっている。
「何か俺達を舐められているが、まあいい。ヴァーリ達はプラン通りに行くぞ!」
『了解!』
するとゼノヴィアは天高く掲げるデュランダルがオーラを大きく噴出させ、巨大に膨れ上がった聖なるオーラの刀身が出来た。先程するなと言ったのに、ゼノヴィアはフライングスタートした。剣を英雄派がいる場所に向けて振り下ろしたが、ライザーソード並みの太さで攻撃的オーラを周辺に散らしていない。絶大なパワーが上手く纏っているが、振り下ろした一撃は本丸御殿の家屋ごと吹き飛ばした。
「バカ野郎、フライングスタートするなと先程注意したばかりだろうが!」
「攻撃するなら今だと思ったからね『パシイィィィィィィィィイン!』うぅぅ・・・・スマン」
俺はとりあえずハリセンで叩いてから、二度とフライングするなと軽く説教しといた。疑似ライザーソードを振り下ろした事で、建物・公共物・風景を飲みこんで行ったので地は真っ二つとされていた。オーバーキルの攻撃をしたが、俺らなら何発でも出来るがね。開幕は俺らがやるはずだったが、損となったとしてもこれでも威力を調整したそうなんだとよ。
「おいイリナ。こりゃ今すぐ斬り捨てても文句言えねえぞ?」
「そうよね。悪いのは勝手に動いたグレモリー眷属何だし、指揮官は一誠君何だからねゼノヴィア!」
「うぅぅ・・・・すまない。私は一誠の本気のドラゴンブラスター並みの威力を目標にしているし、一誠のパワータイプな戦い方は私の理想としている」
「とか言っても全然説得力無いからねゼノヴィア。黒神眷属『王』の命令違反をすると本気で斬り捨てられてしまいそうだよ」
『騎士』なのにパワーバカなゼノヴィアとは対照的だし、祐斗は命令違反=斬り捨てると思っているので攻撃態勢はしているけど動かないようにしている。新たな力であるデュランダルは、錬金術により七つの聖剣エクスカリバーと同化させたんだとよ。その説明をイリナがしていた。
「一誠君達は知らないから言っとくけど、デュランダルの刀身に教会とアーサーが保有していたエクスカリバーを『鞘』として能力が使えるようになったらしいわ。エクスカリバーの力で、ゼノヴィア使用時デュランダルの攻撃的な部分を外へ漏らさず覆う事で二つの聖剣は相互効果をもたらして凶悪な破壊力を生み出したのよ」
「なるほどな、道理でその聖剣からエクスカリバーの力を感じる。デュランダルの制御不能なオーラを外に漏らさない為、エクスカリバーで力の受け皿となり一つの聖剣となったのか。俺らはエクスカリバーの量産型を眷属らに持たせているが、デュランダルのオーラが他の聖剣に効果を与える事から研究が始まったのか。だったら名はエクス・デュランダルだな」
こんな初手で倒せると俺らは非常に楽するが、どうやらあちらは無傷のようだな。何も無くなった建造物跡から地面に突き出された腕を確認、一気に土が盛り上がって英雄派メンバーが現れる。全員、見た目は汚れているが無傷だし霧を盾にして防いだようだな。
「いやはや、いい威力だけど赤龍帝の言う通りフライングだね。とりあえず実験スタートさせようか」
槍を石突きで地面を叩くと、九尾の御大将が輝き出した事で実験スタートと言う事か。
「九尾の狐にパワースポットの力を注ぎ、グレートレッドを呼び出す準備に取り掛かれ。ゲオルグ!」
曹操の一言に制服にローブを羽織っている魔法使いの青年、青年の周囲には各種様々な紋様の魔法陣が出現した。魔法陣に羅列されている数字や魔術文字が動き回っているが、俺ら的だとゆっくり動いているので正確に確認していった。
「ルフェイ。奴の魔法陣は、北欧式・悪魔式・堕天使式・黒魔術・白魔術・精霊魔術なのか?」
「はい、ざっと見た感じは当たっています。流石は一誠様です」
「まあな。これくらい分析しないと『王』をやっていられないしな。ゲオルグと言ったか、豊富な術式が使えるようだが相当な魔法使いであり霧使いか。とりあえず戦闘態勢を取りつつも、グレモリー眷属が勝手に動かないように監視役としてイリナと愛紗とヴァーリとルフェイで対応するか」
御大将の足元に魔法陣が展開するが、紋様とかは龍門にそっくりだな。九尾の御大将が雄叫びを挙げるが、双眸が大きく見開いて危険な色に変化して全身の毛が逆立っていた。異常な状態だと言う事が一目で分かるが、心眼で見ると八坂自身が大丈夫そうだ。
「グレートレッドを呼ぶ魔法陣と贄の配置は良好、あとはパワーに惹かれて来るかどうかだな。天龍二匹と龍王一匹いるのが案外幸いかな?曹操、僕はこの魔法陣を制御しなければならないから離れられない。なので戦闘に関しては、そっちで頼んだよ曹操」
ゲオルグの言葉に曹操は手を振って了承してる様子だった。それと今頃はレオナルドと他の構成員相手は、黒神眷属が相手をしているが手加減するだろう。アザゼルが怖がる程だからな、ウチのアグニは。
「さてとそろそろ相手をしてもらおうか、監視役は先程の通りイリナと愛紗とヴァーリと美猴で頼むよ。ルフェイはコイツらを倒したら、捕縛魔法をして転移魔法で地下牢屋にね。俺達が戦っている間、飛び出そうとしたら斬り捨ててもいいから止めてくれよ?雪蓮はそこの『聖剣創造(ブレード・ブラックスミス)』の奴を相手し、シャルはそこの『巨人の悪戯(バリアント・デトネイション)』を持っている巨体男との相手をしてくれ。アーサーはジークと決着つけて見せるが、華琳はここにいる全ての構成員を倒してくれ。俺は曹操と相手をする」
「へえー、見た目で神器を見分けられる何てね。驚きだよ赤龍帝・・・・ジャンヌ、ヘラクレス」
「はいはい」
「おう!」
「彼らは英雄ジャンヌ・ダルクとヘラクレスの意思、魂を引き継いだ者達だ。そっちが言うならお相手をしてもらえ、ジークはアーサーとな」
俺の指示を従って、それぞれの相手をする俺の仲間達だった。愛紗は擬態で青龍偃月刀で、美猴は元々持ってる如意棒でグレモリー眷属らを睨んでいた。すると他の構成員達が愛紗達に向かってきたのか。祐斗が素早く向おうとした瞬間、俺らの忠告通り例え援護しようとしたとしてもそれは邪魔をしようとしたので愛紗の偃月刀で弾かれて逆に斬り捨てられた。
「祐斗さん!関羽さん、何故攻撃をしたのですか?祐斗さんは貴方達の援護をしようとしたのですよ?」
「ロスヴァイセさん。確かにそうでしょうが、私達から見れば邪魔をしているとしか見えません。なので黒神眷属『王』の忠告通り、ここから先へは行かせませんよ?言っときますがいつもの私だと舐めないように宣言しておきますよ!」
致死量クラスで祐斗がやられたので、説得失敗したのかゼノヴィアはパワーを溜めてからのデュランダルを抜き、突貫したが今のイリナは本気を出しているのでいつもより光力が高められている。なのでイリナが持つ剣は、エクス・デュランダルのパワーごと斬り捨てた事でゼノヴィアは戦闘不能となった。
天使の翼と輪っかを付けた事で、本気度が違う事でとんでもない相手をしてしまったと後悔しながら気絶した。
「これが今の私ですので、例えロスヴァイセさんでも倒せる力を持ってますよ」
「例えそうでも魔術でのフルバーストなら効果はあるはずです!」
ロスヴァイセはそれを見た事で激怒し、全属性のフルバーストを撃つが俺が渡したお守りの能力で無効化された。愛紗からの一振りで、斬り捨てられてからグレモリー眷属との戦闘を終わらせた。アーシアはそれを見て皆に回復をさせようとしたが、全員致死量クラスだったので回復が追いつかないみたいだが俺らはスルーとなった。今は英雄派と捕獲する事が最優先事項だからだ。
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